ここ数年、きちんと「パジャマ」と言えるものを着ていませんでした。というのも、部屋着として使っているジャージやスウェットが、パジャマ代わりでした。
そんな私が、近頃パジャマの魅力に開眼しています。
PAMM 「ポップな海のパジャマ」¥21,990
こちらがそのきっかけとなった一着です。友人からギフトでもらったパジャマは、PAMM というブランドのもの。
実は、飛田正浩さんが主宰するspoken words project が手がける寝具ブランドだそう。spoken words projectと言えば、府中市美術館で着なくなった服を再び「今日着たくなる一着」に生まれ変わらせるワークショップを行っていたりと、廃棄の問題などにも真摯に向き合い、服づくりをされているイメージです。
このパジャマでは、本当のひとり時間=寝る時間にフィーチャーし、自分自身とファッションコミュニケーションをすることをコンセプトにされているそう。他人から見られることを意識した服ではなく、自分を鏡越しで見て満足したり、時にはクスッとしたり、そういう、本当の“自分のための服“なんです。「誰にも見られないから」を理由に寝るときの服にきちんと向き合ってこなかった私にとっては、全く新しい考えでした。
さらにサイトを覗くと、着る側だけでなく作り手側の環境や地球の持続可能性についても責任を持って服作りをされていることが分かります。サスティナビリティーを考慮した服作りは今では一般的になりつつありますが、ここまでキャプションが詳細に綴られ、透明性をもったものはなかなかないのではないでしょうか。素晴らしいので、是非覗いてみてください 。
そんなこんなで、パジャマを着るという習慣がなかった上に、友人からもらったこんな贅沢なパジャマをデイリー使いするのがなんだか恐れ多くて、実は、自宅で着ることを少しの間渋っておりました。 そして先日、2泊3日の旅に出た時に、「いまだ!」と思いついに着用の時が。まとってみると、これがとても気持ちよくて驚きました。
公式サイトを覗くと、商品ごとに素材やコンセプトが丁寧に綴られています。例えば、生産者への思いや素材に関する詳細な情報、価格設定についてまで。衣服をつくって売るまでの過程、どこもグレーにしない姿勢に感動します。
オーガニックコットンと再生繊維のレンチンエコヴェロというエコ素材を使用したという生地は、肌を優しく、ゆったりと包み込んでくれます。寝る時間をこれまでおざなりにしていたんだな、と自覚するほど、汗の吸収率なのか放熱度合いなのか、心地よく眠りにつくことができたのです。驚くべきポイントは、枕が変わるといつも眠れなくなる私が、スッと深い眠りにつけたこと。パジャマの力を思い知った日でした。
穏やかに波打ったような曲線は、手作業で描いた模様だそう。手描きの柔らかな筆致が、日中の忙しなさから離れて心を穏やかにしてくれます。そして、とにかく「可愛いね」と声をかけられる、褒められパジャマです。私は基本就寝時のみに着用していますが、ちょっとした外着としても使えそう。
この日以来パジャマの魅力に気づき、家でもこの一着にお世話になっています。今では部屋着と寝間着の境目が明確になり、着用すると「寝る時間だ〜」と気持ちもリセットすることができます。
あと一週間ほどで始まるゴールデンウィーク。私は国内旅行に出ようとしているのですが、夜の相棒は言わずもがなこのパジャマ。日常でも旅先でも、もうこの一着が手放せません。