2022年の大みそか。ちょっとした用事を渋谷で済ませたあと、ああ今年も頑張ったな、何か買ってもいいんじゃないか、なんて思ってしまったのです! そんなとき頭に浮かんだのがVan Cleef&Arpelsの星座ジュエリー「ゾディアック」。「アルハンブラ」ももちろん可愛いですが、私の“推し”はこっち。
職業柄、さまざまなジュエリーを拝見しますが、これは真の意味で「ホシイ!」と思った一つ。“ヴァンクリ”といえば格式高いジュエラーですよね。ダイヤモンドやカラージェムは一つひとつ選び抜かれた素材を使い、職人の技巧もすさまじい。となるとお値段もそれなりにします。「ゾディアック」はこのメゾンらしい詩的な作風で、細やかな職人技による凝った作り。にもかかわらず、「手に届く」お値段なんです。野暮な話ですが、思わずプライスを二度聞きしてしまったほど。自分の星座を選べばパーソナルなつながりも一層感じられます。
足は西武渋谷店に向かってました。ちなみに私は天秤座です。モチーフによって売り切れているという噂も聞くので、年末にお店が開いていて自分の星座があったら神様が買えって言っているんだな、と(買い物を正当化)。はたしてブティックはオープンしており、お店の方に「天秤座はありますか?」と聞くと「Yes」!
手に取り試しづけすると21mmという大きさがまた絶妙! 存在感がありながら軽やか。レイヤード映えするし、毎日活躍すること間違いなし。
1950年代のアーカブスを着想源としたデザインです。縁には切れ込みや、縄目のような模様が施され、芸が細かい。ベース部分は50年代のグレインポリッシュという仕上げを踏襲。ギラッギラじゃない、マットなツヤが上品です。表のゾディアックサインと、裏のシンボルや日付は、磨き仕上げ。輝きかたの違いが奥行きを生み出します。最終的に手作業でポリッシュ仕上げを施しているのもココロニクイ。空前のヴィンテージ・ブームの今、世の中に“それ風”はありふれていますが、再現の本気度が違う。
とにかくほれぼれするほど美しい。一度散らかったテーブルの上に無造作に置いちゃったことがあるのですが、雑然としたあれやこれやの中で場違いなほど輝いており……。間違いなく「オーラ」がある。コインの蒐集は、ヨーロッパではとても“趣味のいい”趣味だと聞いたことがありますが、そんなロマンも感じさせる。「鑑賞」に値するレベル。間違いなく、一生ものの宝物です!
ジュエリー&ウォッチ担当。きらめくモノとフィギュアスケート観戦に元気をもらっています。永遠にミーハーです。