着回し力の高い服を見つける能力には、ちょっとだけ自信があります。入社してすぐに在籍していた部署では当時、“着回し企画”が超人気コンテンツでした。そのため「スイート派、シンプル派の着回し30days×2」とか、「手持ち服8着からスタート。夏→秋への100daysコーディネート」など、数多く担当。対象読者が20代だったこともあり「手持ち服はあまり多くない」、「買い足す服も最小限がいい」といったアンケートから導き出した条件をもとにスタイリストさんと頭を悩ませる日々……。その中でいかに色々なアイテムと合わせやすく、幅広いスタイリングに使えるかどうかを見抜く力が鍛えられた気がします。そんな私が今季、“これは!”と思ったアイテムについて今日はお教えします。
パリへの挑戦も控えるssstein(シュタイン)
ssstein(シュタイン)は2016年にスタートし、メンズから人気に火がついたものの、ミニマルなトレンドともフィットして数年前から女性にも愛用者が増えているブランド。秋にファッション プライズ オブトウキョウも受賞し、2025年のパリ・ファッション・ウイーク期間中にショーの開催も予定しています。そんなシュタインのアイコンとも言えるアイテムが、ゆるやかなシルエットで仕立てられたスキッパーシャツです。
着回し力の高さの秘密は、しっかり深いVネック
ドロップショルダーでリラクシングなムードながら、カジュアルになりすぎない絶妙なバランス。そしてやっぱりこのシャツのカギとなるのは、深いVネックです。ミニマルなデザインでも地味で退屈なムードとは一線を画すのは、この仕掛けのおかげだと思います。秋冬仕様と厚手のシャツってどうしても“ほっこり感”が拭えない時がありますが、このVネックのおかげでモードな顔立ちになっている気がします。
インナーで印象が変わるから、着回しが楽しい
たくさん着回し企画を担当してきた中でたどり着いた“着回し力の高い服”には2つの条件があって、まずひとつ目はどんなアイテムにも似合うこと。例えばトップスならスカートにもパンツにも合わせやすいことは大前提。アウターもどんなタイプも羽織りやすいのが条件です。このシャツはパンツは言わずもがな、そしてタイトスカートやミニスカートにも合うので第一条件を難なくクリアしてくれます。
さらにふたつ目は着こなし次第で印象が変わること。どんなに好きなアイテムでも飽きはくるもの、だからちょっとだけアレンジしてマンネリを打破できるアイテムは結局登場回数が増えていくのです。シュタインのシャツはVネックが深い分、インナー次第で印象が変わるのが最高。カジュアルな気分の日はTシャツを、少し華やかにしたい日はカラーのハイネックを。春先ならベアトップを覗かせるのもいいかもしれないですね。気分によって表情が変えられると着回しそのものが楽しくなる。
とにかく使える服をお探しなら、間違いのない一枚だと思います。
ワードローブの中心はデニムとメンズのシャツ。『スターウォーズ』シリーズに出てくるイウォークに似た犬と暮らしています。