年末になって編集部員が続々とご紹介している2024年のご褒美。私も1年間頑張った自分へのギフトをご紹介させてください。それは遂に手にした名品、エルメスのシェーヌ・ダンクル ブレスレット。実は購入したのは少し前のことなのですが、買ったものを“寝かせる”のも意外と好きなタイプゆえ、このタイミングでのお披露目となりました。
遂に出合えた、不朽の名作ブレスレット
エルメス初のシルバージュエリーとして1938年に誕生以来、世代や性別を超えて愛されている名作、シェーヌ・ダンクル。80年以上の歴史の中で様々な進化と変容を遂げてきたコレクションの中でも、“原点”といえる錨の鎖を表現したフォルムのブレスレットは特に人気の高いアイテムです。
実は数年前、パリでネックレスを購入した時にブレスレットも試着していたのですがその年は別のブランドのものを購入して間もなかったため見送った経験がありました。しかしそれ以降、希少価値が高まりさらに入手困難な状態に……。「あの時に買っておけばよかった」という思いを募らせていた中で、友人から聞いたのが「フランス以外のヨーロッパでは手に入りやすいらしい」という情報。(もちろん本国の在庫は潤沢だと思うのですが、購入者も多いためパリでも最近はなかなか出合いづらいとのこと)そこで秋に渡航したフランクフルトでショップを覗いたところ、なんと在庫があったのです! 円安と価格改定によりプライスもぐっと上昇していたのですが“次に出合えたら買う”と決めていたので即決しました。
運命の品はGMサイズの12コマ
シェーヌ・ダンクル ブレスレットにはモチーフの大きさが異なる5つのサイズ展開があり、私は2番目に大きいGMサイズを選びました。訪問したショップには運よく最も大きいTGM、最も華奢なPGMも在庫があってすべて試着した結果、ある程度ボリュームのあるジュエリーが好きで、カジュアルなスタイリングが多い自分にはGMがいちばん似合う気がしました。インパクトのあるTGMサイズにも惹かれましたが、女性の腕にはやや大きすぎる印象があること、手持ちのジュエリーとの調和を考えてこのサイズに。ちなみに、スタッフの方曰く、エレガントなスタイルがお好きな方にはPMやMMがおすすめとのことでした。
また、このブレスレットは実はそれぞれ“コマ数”も異なるという奥深きアイテム。在庫があったGMサイズは12コマで、私の腕にぴたりとはまったのも背中を押された理由。着脱もしやすく、ズレもあまりなくストレスフリーな着け心地です。
物そのものだけじゃない、エルメスの価値
焦がれていた名品を手に入れたことはもちろんですが、この時、さらに心震える体験がありました。実はこの日、手もとに同じコレクションのリングをする姿を目にしたスタッフの方が「よかったらそちら磨きましょうか?」と声をかけてくれたんです。8年程前に購入して以来、ほぼ毎日身に着けているリング。何度か自宅で磨いたもののなかなか年季が入ってくすんでいたものが、素晴らしいホスピタリティによりきれいな状態に蘇りました。
ショップを後にする際も「ショッピングをしない時でも来てくれたらジュエリーはいつでも磨きますよ」、「とても似合っていたので、このブレスレットと素敵な時間を過ごしてね」と声をかけてくれたスタッフの方との触れ合いは、わずかながら心温まる時間になりました。物を買うという体験を、忘れがたい経験として提供してくれるエルメス。この先も私はきっとエルメスにご褒美を探しに行くのだと思います。
ワードローブの中心はデニムとメンズのシャツ。『スターウォーズ』シリーズに出てくるイウォークに似た犬と暮らしています。