“夏服に似合う香水”、私的1位は【サンタ・マリア・ノヴェッラ】のアクア

気温も上がり、いよいよ夏がやってくる気配。そろそろ香りも夏支度を……と、大切にしまっておいたフレグランスを取り出しました。それがサンタ・マリア・ノヴェッラのアクア。実は昨年の冬に発売となった香りなのですが、個人的に「暖かい季節に似合いそうだな」と思い、ずっと取っておいていたんです。

この香りはサンタ・マリア・ノヴェッラのオードパルファムコレクション「ジャルディーニ メディチェイ」に昨年仲間入りしたもの。ブランド発祥の地であるイタリア・フィレンツェでルネサンス期に栄華を極めた、メディチ家の庭園からインスピレーションを得たコレクションで、アクアは庭にあったという“噴水の水”が着想源に。洋ナシが香る軽やかなトップノートから、フリージアやロータスが溶け合うミドルノート、ムスクが柔らかに包み込むベースノートへと移行する調香となっています。明るく、爽やかで、その中にひとさじの甘さが効いている。「誰にも嫌われない“透明感のある香り”だな」というのが第一印象でした。

アクアティックフローラルと分類される香りですが、サンタ・マリア・ノヴェッラならではの高い品質の香料と丁寧な製法によって叶う“軽やかだけど軽すぎない”バランスにぐっと心を掴まれます。夏向きの香水はたくさんあるものの、大人になってみるとよくある爽やかさ100％の香りってなんだか気恥ずかくなることってありませんか？　それから明るくてポジティブすぎるのも反対に疲れてしまう……そんな繊細な（というかわがままな？）心情にも寄り添ってくれるのがこのフレグランス。全体の印象を支えるムスクの働きが大きいのではないでしょうか。柔らかなコットンのTシャツ、風に揺れるリネンのドレス、シルクのキャミソール……軽快だけどカジュアルすぎない。大人が着たい夏服にいちばん似合うのが、この香りだと思っています。

しっかりとした個性はあるものの、主張しすぎない。“奥ゆかしい香り”でもあるので、普段あまり香水をつけない人や男性にもおすすめできます。澄んだブルーのボトルもシェア需要に最適なのでは。プライスも決して安くはないですが、2人で兼用できるなら手が伸びやすくなりませんか？　お馴染みの洗練された本箱に入ったパッケージとのマッチングも素晴らしく、婚約祝いなどに贈るのもいいかもしれません。もちろん他の季節にも似合いますが、個人的なサマーエッセンシャルになりそうな予感のフレグランス。これさえあれば暑い季節も気持ちよく乗り切ることができそうです。