懐かしの中銀カプセルタワービルに再会できる【編み物☆堀ノ内】さんのトートバッグ

以前からその名を目にしており、気になってECサイトもチェックしていた編み物☆堀ノ内さん。かなり前にKINUGASAがスモールに載せていた記事も見ており、「編集部にひとり使っている人がいれば、これもモードなファッションアイテムといえるはず……!」と自分に言い聞かせて、購入に踏み切りました。

そびえ立つ、中銀カプセルタワービル柄

編み物☆堀ノ内さんの中銀カプセルタワービル柄のトートバッグ
カプセルタワー ニットバッグ(ミントブルー) ¥13,530 

私が選んだトートバッグは、ぽこぽことカプセルが折り重なった「中銀カプセルタワービル」が刺繍されたもの。このビルは、建築家の黒川紀章さんの設計によるカプセルマンション。生物が新陳代謝をするように、カプセルを入れ替えて使い続け、都市の成長に合わせて変化していく「メタボリズム建築」の思想を反映した建物です。1972年に誕生し、かなり画期的な仕組みながら、取り替えやメンテナンスコストの高さから実際にカプセルの交換はされぬままに。老朽化が危ぶまれ、2022年についに解体されてしまいました。

編み物☆堀ノ内さんの中銀カプセルタワービル柄のトートバッグ
裏面には1個(1室)のカプセルが

大学時代に文化人類学を専攻していたのですが、卒論のフィールドワーク先に選んだのがこの中銀カプセルタワービルでした。当時、ここに暮らしていた人の話をお伺いしたり、住民の会合に参加したり、部屋に入れていただいたりしたので、建物への愛着や思い入れもひとしお。10平米ほどのかなり小さなスペースの中でミニマルな暮らしを楽しみ、思い思いに使っている住人の方々の様子を今でも覚えています。「あの建物気になる!」という無邪気な好奇心で飛び込んだ大学生を快く迎え入れてくれたユニークな人達。私の「人のお世話になりまくり人生」の幕開けはあそこだったのかも、と今になってしみじみと思います。

気になるコミュニティにお邪魔したり、興味のある人に取材をする……というのは、今の仕事に繋がる部分もあり、編集の仕事をする上での原点ともいえる(かもしれません)。使っているだけで、初心に帰れるだろう、という気持ちもあり、満を持してポチりました。

編み物☆堀ノ内さんのトートバッグのタグ

このトートバッグは、そんな中銀カプセルタワービルの元住人のひとりであるコスプレイヤー「コスプレ声ちゃん」さんとのコラボアイテム。裏面にはオリジナルのタグがついています。

幅33cm、高さ35cmのサイズなので、大きめのipadがぴったり収納できるくらい。ショルダーが太いので肩にもあまり食い込まず、使い心地は上々です。モノを入れたときの、ニットならではのもちっとした質感もかわいらしい。

中銀カプセルタワービル
2021年に撮影した、在りし日の中銀カプセルタワービル

新橋のビル街を歩いていて、そびえたつ都会のビル群の中にひそむ、ギョッとするビジュアルの中銀カプセルタワービル。その趣を忘れないためにも、そしてこれからのカプセルがどのように再利用されて生まれ変わっていくのか、行方を見守るぞ!という気持ちも込めて、使っていこうと思います。

余談ですが、どうしても気になってこちらの柄もあわせて購入してしまいました。街中を歩いていてギョッとさせるには、この柄もありかもしれません。

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エディターKAGOHARA

メンズ誌から異動してきたのですべてが新鮮な毎日!お笑いとぬいぐるみとドラァグクイーンが好きです。「なにそれ!」とツッコまれそうな服に目がありません。野菜が苦手です。

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