大阪で万博といったら、万博記念公園に行ってしまう派です ミャクミャクカラーでラッピングされた大阪モノレールと、太陽の塔、夢の共演です! 大阪・関西万博、行きましたか? いいですよねー、世界各国から集められた珍しいモノたち、広々とした会場、脂ののった建築家たちが腕を競い、なんといってもあのシンボル! ……さて、大阪で空き時間を見つけたとある日、そんな「万博」の「じゃない方」EXPO’70のかつての会場、万博記念公園駅に降り立ちました。天邪鬼でごめんなさい。だってここには大好きな大切な国立民族学博物館があるんですもの。 企画展「民具のミカタ展」では、かわいいクラフト勢揃い (右)「民具のミカタ博覧会」グッズショップで購入した動物箸置き各¥935・(左)「民具のミカタロール付箋」¥660 国立民族学博物館、通称=みんぱくは、人類学・民族学をテーマとした民族学博物館。世界各地で収集された生活用具、祭祀や芸能の道具、民族衣装、乗り物、音や言葉、映像の記録などが収蔵されています。広大な本館の設計は黒川紀章! 世界各国の仮面にレースに穀物蔵に椅子に楽器にバイクなどなど。あと離島の古老の声からY2Kの東京のギャルまで、日本各地・各時代で記録した「ももたろう」冒頭の音声データベースとか、世界中の祭りや放浪芸の映像とか……、とにかく人類の生活にまつわる圧倒的な展示の物量で、館内を全部見るなら数日住まないと無理。訪れるたびに「住みたい、なんならここに収蔵されたい」と思います。 今回は短い滞在だったので、企画展を中心に。みんぱく創設50周年記念特別展 「民具のミカタ博覧会― 見つけて、みつめて、知恵の素」へ。かわいく面白く、楽しく深い、「民具」の世界に触れてきました! ケニアの動物箸置きに、韓国で購入したアンティークのスッカラを載せてみました 「民具のミカタ博覧会」は、民俗学者宮本常一が武蔵野美術大学の名誉教授時代に収蔵された「ムサビ・コレクション」の民具とみんぱくの収蔵品とを展示する特別展。民具とは「日常の生活で必要なものとしてつくられ、使用されてきた」もの。理にかなったデザイン、ユーモアのある図案、神々や精霊に対する「見立て」と表象の3章に分かれ、椅子や壺、織物、お化けや神の像などを、じっくり見て知ることができる展示でした。 暮らしの道具たちは、デザイナーが存在しないのにどうしてこんな形になったのだろう? 風土や文化が遠くかけ離れていても使い勝手というものは共通なのか、形が似ていたりするのも面白い。私たちが身の回りにあるクラフトに惹かれるのは、きっとこんな身近な「ふしぎ」を秘めているからかもしれない。そんなふうに思わされました。 宮本常一著「民具学の提唱」(未来社)も、ミュージアムショップで購入しました この特別展、生で見て触れられる展示品もいいのですが、ポスターや館内展示に使われている「ブツドリ」もすごくいい、クオリティが高く、魅力が伝わる写真の力を感じました。オリジナルグッズのロール付箋を購入して、こちらも我が暮らしに役立てようと思います。そして宮本常一の未読の一冊『民具学の提唱』も。宮本常一は『忘れられた日本人』『海に生きる人びと』の代表作が本当に本当に面白くて、旅によく持って行きます。失われた日本の生活道具のスケッチが充実していて楽しく、淡々、ほのぼのとした文章も素晴らしい。 「民具のミカタ博覧会」は会期が6月3日まで、とまもなく閉幕なのですが、みんぱくは常設展が世界一周レベルの濃さなので、いつ行っても大丈夫。ミュージアムグッズショップもとんでもない充実度で、散財すること請け合い! 大阪・関西万博と見比べてみるのも楽しそうです。 私が好きなのは、みんぱく側から見た太陽の塔の背中。なんだかこのままズシーンズシーンと散歩に出かけそうな感じがして良い みんぱく創設50周年記念特別展 「民具のミカタ博覧会― 見つけて、みつめて、知恵の素」2025年3月20日(木・祝)〜 6月3日(火)10:00〜17:00(入館は16:30まで)場所 国立民族学博物館 特別展示館料金 一般880円、大学生450円、高校生以下無料※本館展示もご覧になれます。※自然文化園・日本庭園をご利用になる場合は別途入園料が必要https://www.expo70-park.jp/event/68899/■国立民族学博物館大阪府吹田市千里万博公園10−1時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)定休日:水曜日(祝日の場合は直後の平日)https://www.minpaku.ac.jp/information/access Dear EARTH 未来へつなぐSDGs 誰もが楽しめる博物館、【ユニバーサル・ミュージアム】が社会を変える - SDGs | SPUR 今日も世界のどこかでひとりっぷ® #みんぱくで世界旅行気分、爆上がり! 【#国立民族学博物館】はかわいいの宝庫、激推しです! - 今日も世界のどこかでひとりっぷ® | SPUR エディターKUBOTA 幾星霜をこえて編集部に出戻ってまいりました。活字を読むこと、脂と塩気、2匹の保護猫、平和と雑談を愛します。 記事一覧を見る