2025.05.23

ベトナム珍道中!ダラットの【クレイジーハウス】で珍奇な宿泊体験を

GWにベトナムへ行ってきました。三都市を回ってきたのですが、ハノイ、ホーチミンよりも個人的に楽しかったのがダラットでした。高原に位置しており、避暑地として訪れる方も多いエリア。都心と比較すると、のどかな街並みや自然が残っています。でも、ただゆったりと過ごせるから楽しかった……のではありません! 豪華絢爛、デコレーションが凄まじい「リンフォック寺」や、店内が迷路になっている「Maze Bar」など、日本ではお目にかかれない迫力のスポットがたくさんあるんです。そしてそんな珍スポットを回る私が寝ぐらに選んだのが、「クレイジーハウス」でした。

ド迫力のぐねぐねの巨大建築『クレイジーハウス』

クレイジーハウス外観

クレイジーハウスは、モスクワで博士号を取得したベトナム人の建築家ダン・ヴェト・ガーが設計した建築です。この唯一無二の造形から、「ベトナムのガウディ」と称されることもあるのだとか。元々は違う名前があったのですが、目にした人々に「クレイジーハウス」と評されるうち、この名前を正式名称にした……という柔軟さでこの名前に。1990年にオープンし、のちにゲストハウスとしての宿泊も受け付けるようになりました。

大樹のような、はたまた生き物のようなおどろおどろしい造形は、ベトナムの豊かな自然からインスピレーションを得ているそう。この有機的な形は外観だけではなく、共用部の通路や隣の棟に至るまで徹底されています。

クレイジーハウス廊下

部屋へ上るまでの廊下部分は洞窟をイメージして作られています。もちろんエレベーターなどは設置されておらず、フロア分けもかなりシームレス。宿泊初日は部屋への道を勘違いして、全然違う方向へ行ってしまう……なんてこともありました。

巨大なくまがお出迎え!

クレイジーハウスBearルーム

私が宿泊したのは「Bear」ルーム。全部で10種類の部屋があるのですが、どの部屋もベトナムの自然や動物をテーマにしており、トラやカンガルー、アリ、ココナッツなど、そのラインナップもかなり独特のセレクト。

クマ好きだし……という安直な理由で部屋を選んだのですが、入ると中央に巨大なクマが鎮座! 体には巨大な蜂が群がっており、なかなか不気味。向かって右側には小さなデスクスペースとユニットバス、左側にはダブルベッド。

クレイジーハウスBearルームのユニットバス

シャワーとトイレはこんな感じ。タイル張りの内装や曲線型の窓まで、こだわって設計されています。シャワーは少し古いタイプで、ガスで温めたお湯が時間差で出てきます。使い勝手がわからなかった初日、冷え込むダラットの夜にはとても寒い思いをしました。

広大な建物内も見どころ満載

クレイジーハウスの共用スペース

建物内にはカフェやスーベニアショップも併設されており、日中は観光客で賑わっています。宿泊客には、AM8:30~PM7:00の営業時間以外にも建物内を自由に回れるという特権が。洞窟や森のようなモチーフの宿泊棟の通路を抜けていくと、写真のような海のゾーンもあります。人が少ない静かな時間に回る建物は不気味で、探検に出ているような気分になれます。

部屋は広さもあり、宿泊は快適だったのですが、薄いドア1枚を挟んだ廊下は共用スペースになっており、観光客も入って来れるエリア。「中に人がいるから、ドアを叩かないで」という看板があるにも関わらず、鍵をガタガタ開けようとする人や話し声がすぐ近くで聞こえてきて、プライベートな空間はあまりない印象でした。宿泊される際、営業時間中は他の場所に出かけることをおすすめします。

冷え込む夜には特別なサービスも

Bearルームの暖炉
ちょうど就寝時間には火が消えるよう、絶妙な薪の塩梅でした

ダラットは前述の通り高原地帯なので、夜にはぐっと冷え込みます(日本でいうと軽井沢のようなイメージです)。そんな気候を反映してか、フロントにお願いすると暖炉で火を起こしてもらえるサービスが! クマの足元は空洞になっており、ここで暖をとることができるんです。旅先でぱちぱちと燃えるヒノキの火を眺める時間は、不思議と心が落ち着く癒しのひとときでした。

クレイジーハウス夜の風景
奥には普通の街並みが広がっているところもシュール

宿泊客しか撮影できない、怖すぎる夜の様子がこちら。今にも動き出しそうなぐにゃぐにゃした建物内には、紹介しきれないほどユニークな造形が表現されています。ベトナムは地震があまりない地域だそう。地盤がしっかりしていることもあり、日本ではなかなか実現不可能な、遊び心満載の非日常的な建物がたくさんあるのが楽しいです。ぜひ現地に行って、そのド迫力のクレイジーさを体験してみてください!

エディターKAGOHARAプロフィール画像
エディターKAGOHARA

メンズ誌から異動してきたのですべてが新鮮な毎日!お笑いとぬいぐるみとドラァグクイーンが好きです。「なにそれ!」とツッコまれそうな服に目がありません。野菜が苦手です。

記事一覧を見る