永遠のエンブレム、モノグラム
130年の歴史へのオマージュ
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真正性を守るために生まれた美しき意匠
言わずと知れたメゾンの象徴、モノグラム。誕生したのは、1896年のことだった。
1854年にメゾンを創業したルイ・ヴィトンは、旅行用のトランクをオイルを塗ったグレーの麻のキャンバス、グリ・トリアノン キャンバスで覆った。ところが、軽く、防水性があるこの魅力的な素材の模倣が相次ぐ。そこで、レッドとベージュの縞模様のレイエ・キャンバス(1872)に続き、外装に「Vuitton」の名を記した、ベージュとブラウンの小さな四角形で構成されるダミエ・キャンバス(1888)を一人息子のジョルジュとともに開発して対策を講じるものの、瞬く間に類似品が出回ってしまう。そしてついに、モノグラム・キャンバスに着手することになるのである。
当時注目を浴びていたネオゴシック様式やジャポニスム、アールヌーボー運動がヒントに。大聖堂を飾る四つ葉や三つ葉、円花飾り、そして日本の家紋といった紋章芸術が着想源とされている。ジョルジュが日々を過ごしていたパリ郊外の村、アニエールの邸宅を彩っていたジアンのファイアンス焼きタイルやステンドグラスもきっと影響を与えただろう。ジョルジュは幾何学的な3つのフラワー・モチーフと、1892年に他界した父のイニシャルである「LV」を組み合わせ、ダミエのカラーパレットを引き継いだモノグラムを生み出した。
モノグラムは、エクリュと茶褐色のリネンジャカードを皮切りに、コットンをベースに樹脂で保護仕上げを施したペガモイドキャンバスを経て、1959年からはコーティッド・キャンバスに描かれるように。コットンに保護用のビニールコーティングを施した柔軟性や耐久性のある素材は、現在に至るまで用いられている。