A Letter from BALENCIAGA
バレンシアガが編み出す、
創造というラグジュアリー
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「15年先の未来も一緒に」
A Letter from BALENCIAGA
バレンシアガが編み出す、創造というラグジュアリー
SPUR35周年、SPUR.JP15周年のアニバーサリーを記念する連載では、時代を超えて愛され続ける名品と、そこに宿る豊かな物語を紐解いていく。今回は、バレンシアガの名品の紹介とともに、ブランドの歴史と革新の軌跡に触れていこう。
伝説のバッグ「ル シティ」が
待望のカムバック
2001年に誕生した「ル シティ」。ケイト・モスや、オルセン姉妹、シエナ・ミラーなど、多くのファッションアイコンたちが愛用し、その姿がスナップされるやいなや、世界中のファッションラバーたちに“Itバッグ”旋風を巻き起こした名作だ。そして、最初のデビューから20年以上を経た2024年、待望の復刻を果たした。新作「ル シティ」は、数々のアーカイブから研究され、再構築したベストモデル。手作業で組み立てられた25枚のパネル構造のバッグは、外側と内側を同じ寸法にすることで、ヴィンテージバージョンを再現した。小さな金属製のバックルで補強されたコーナーや、象徴的なスタッズ使いは、初代の「ル シティ」をそのままに表現し、素材をサステナイビリティに配慮した製造に改良している点が特徴だ。新素材のレザーであるアリーナストリコは、クロムフリー、重金属フリーのなめし工程を実現したもの。既存のクロムなめしレザー同一の魅力と手触りを保ちながら、環境に優しい製造工程へと進化させた。また新たな伝説を生み出してくれるに違いない新生「ル シティ」に注目だ。
バッグ「ル シティ M」〈H23.5×W37×D15cm〉￥389,400・クロップド トレンチ￥506,000・オーバーサイズタートルネック￥253,000・ブーツ￥243,100〈すべて予定価格〉／バレンシアガ クライアントサービス（バレンシアガ）
バレンシアガを象徴する色
「ノワール」
「黒」は、メゾンにとって特別な色だ。その始まりは、ブランドの創始者クリストバル・バレンシアガが幼少期を過ごしたスペイン・バスク地方の文化に根ざしている。黒はスペインの伝統的な衣装の色。そして信仰心にあふれ、謙虚な性格であったという創始者自身を映し出す色だったのかもしれない。控えめでありながら豪華でもある黒の単色使いは、メゾンの歴史のなかに多く登場し、ブランドの代名詞ともなっていたのだ。2017年に、パリのブールデル美術館で開催された「Balenciaga, L'œuvre au noir（バレンシアガ、黒の作品展）」では、100点以上にものぼる黒のアーカイブが展示され、「黒」が持つ多彩な魅力が披露された。また、パリで2024年9月に開催された展覧会「The Subtleties of a Dialogue」でも、「バレンシアガのシェード」と題したセクションが設けられ、黒という色とメゾンの関係を際立たせた。現アーティスティックディレクター、デムナのコレクションにおいても、黒の作品はいつも印象的だ。新作は、フルイドテクニカルクレープのボウブラウスに、グレインドレザーとセミシャイニーレザーという2種類のレザーを用いたAラインスカートを合わせ、黒の素材とシルエットをモダンに表現。テクニカルニットを用いたデストロイド加工のパンタシューズを合わせることで、さらにデムナ流の「黒」を強調した。今後もアップデートされていくであろうバレンシアガの「黒」から目が離せない。
ブラウス￥253,000・スカート￥704,000・イヤリング￥145,200・ベルト￥154,000・パンタシューズ￥1,089,000〈すべて予定価格〉・グローブ〈参考商品〉／バレンシアガ クライアントサービス（バレンシアガ）
モードを革新するスニーカー「6XL」
ニューモデルが発表されるたびに話題を呼ぶ、バレンシアガのスニーカー。デムナらしいストリート感覚をラグジュアリーと融合させた、ボリューム感のあるスニーカーが特徴的だ。エレガントなスタイルのハズしに、はたまたカジュアルな着こなしのアクセントにと存在感のある佇まいを約束してくれる。新作「6XL」は、クラシックなスポーツスニーカーを再解釈し、ハイブリッド性と変形の要素を加えたもの。パッド入りの内側は足をしっかりと固定し、安定性を確保してくれるなど、快適性を最大限に高めたシューズの履き心地は抜群だ。また、丸みを帯びたソールと膨らんだラインは中央部に向かってくびれ、メゾンのアイコニックなアワーグラスシェイプを作り出している。足もとにプラスするだけで、モードなスタイルが完成するスニーカーをワードローブのウィッシュリストに。
スニーカー「6XL」〈ソール6.5cm〉￥170,500〈予定価格〉／バレンシアガ クライアントサービス（バレンシアガ）
8 ESSENTIALS
3つのサイズで展開される新作バッグ「ル シティ」と、新作スニーカー「6XL」のカラーバリエーションをご紹介。
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01
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小さな金属製のバックルで補強されたコーナー、指抜きのようなスタッズのディテールは、初代モデルから引き継がれている。未来的なシルバーカラーが、いつものスタイルをモードに刷新。
バッグ「ル シティ ミニ バッグ」〈H16×W24×D6.5cm〉￥290,400／バレンシアガ クライアントサービス（バレンシアガ）
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クールなブラックに、今季らしくチャームを“じゃらじゃら”と付けてポップに持ちたい。ハートやエッフェル塔、鍵といったパリらしいチャームがアクセントに。
バッグ「ル シティ ミニ バッグ」〈W24×H16×D6.5cm〉￥427,900／バレンシアガ クライアントサービス（バレンシアガ）
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甘いペタルピンクカラーにスタッズが映えるスモールサイズのバッグ。手編みのダブルハンドルに加え、取り外し可能なストラップも付いた2WAY仕様に。
バッグ「ル シティ Sバッグ」〈W30×H19×D10cm〉￥323,400／バレンシアガ クライアントサービス（バレンシアガ）
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上品なラテ色が、あらゆるシーンに活躍。使っていくうちに自分らしい独特なパティーナ（経年変化）を楽しめるのも、このレザーの魅力。
バッグ「ル シティ Sバッグ」〈W30×H19×D10cm〉￥323,400／バレンシアガ クライアントサービス（バレンシアガ）
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ピュアな白は、どんな季節に携えても洗練されたムードを演出してくれる。内側と外側に施された多数のポケットも人気の秘密。
バッグ「ル シティ Mバッグ」〈W37×H23.5×D15cm〉￥389,400／バレンシアガ クライアントサービス（バレンシアガ）
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大人の装いをフェミニンに彩る絶妙なアーモンドカラーにときめく。アイコニックなフリンジ付きジップクロージャーと、フロントジップポケットが映える。
バッグ「ル シティ Mバッグ」〈W37×H23.5×D15cm〉￥389,400／バレンシアガ クライアントサービス（バレンシアガ）
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オーバーサイズな着こなしに欠かせない、極厚ソールのボリュームスニーカーをワードローブに迎え入れて。ベージュ＆ブラック＆グレーのシックな色合わせが使い勝手抜群。
スニーカー「6XL」〈ソール6.5cm〉￥170,500／バレンシアガ クライアントサービス（バレンシアガ）
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バレンシアガのDNAが詰まったスニーカーで、旬な足もとを演出して。どんな洋服にも合わせやすい黒とグレーのカラーパレットが、いつものスタイルをモードにブラッシュアップ。
スニーカー「6XL」〈ソール6.5cm〉￥170,500／バレンシアガ クライアントサービス（バレンシアガ）
HISTORY
美の概念を再考し続けるバレンシアガのレガシー
2024年にパリで開催された「The Subtleties of a Dialogue」展の展示風景。手前2体は、クリストバル・バレンシアガによるアーカイブだ。その奥の向かい合った２体はデムナによる2017年春夏コレクションのアーカイブが配置されている。まるで過去と現在が対話するかのようなユニークな展示方法に。COURTESY OF BALENCIAGA
バレンシアガは、1917年にクリストバル・バレンシアガによってスペインのバスク地方で創業。多くの貴族たちが顧客として名を連ね、その才能は「クチュール界のピカソ」とも呼ばれた。しかしスペイン内戦が勃発。その影響から1937年にパリ8区ジョルジュ・サンク10番地に本店を移転する。それを機に、モードの都パリで、名門メゾンとして名を馳せるようになっていく。「クチュリエは、デザインの建築家、形状の彫刻家、色の画家、調和の音楽家、そして、節制の哲学者でなければなりません」。これは、生前クリストバルが語った言葉だ。その思想通り、生地、構造、ボリューム、革新、建築的なデザイン、快適さを探求。“アワーグラス・ウエスト”と呼ばれる砂時計のようなフォルムや、繭のような“コクーンシルエット”など、確かなクチュリエの技術に裏打ちされた新しいフォルムを生み出し、常にモード界を牽引し続けた。1968年にクリストバルが引退したのち、才能あるデザイナーたちによってバレンシアガの歴史が今に引き継がれてきた。1997年からはニコラ・ゲスキエール、2012年よりアレキサンダーワン。そして2015年よりデムナがアーティスティックディレクターに就任。2021年にはクチュールコレクションも再始動した。クリストバルの“創造性”というレガシーを引き継ぎながら、ストリートカルチャーやヴィンテージ、アートなどの要素を取り入れ、革新的なアプローチでバレンシアガを進化させるデムナの挑戦は続いていく。
バレンシアガ クライアントサービス https://www.balenciaga.com/ja-jp 0120-992-136
photography：Misuzu Otsuka styling：Tomoko Iijima hair：Jun Goto〈Ota office〉 make-up：Kie Kiyohara〈Beauty direction〉 model：Emily Liptow〈image〉 edit：Asako Kanno
