A Letter from Bottega Veneta
日常が輝くボッテガ・ヴェネタの
究極の手仕事
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「15年先の未来も一緒に」
A Letter from Bottega Veneta
日常が輝くボッテガ・ヴェネタの
究極の手仕事
SPUR35周年、SPUR.JP15周年のアニバーサリーを記念する連載では、時代を超えて愛され続ける名品と、そこに宿る豊かな物語を紐解いていく。今回は、イタリアのクラフツマンシップを探求し続ける、ボッテガ・ヴェネタの魅力を追う。
アイコンバッグ「カバ」に宿る手仕事の誇り
ボッテガ・ヴェネタの代名詞ともなった技法といえば、しなやかなナッパレザー(羊革)を編み込んだ“イントレチャート”。これは、穴を開けたレザーベースに短冊状のレザー(フェットゥーチェ)を差し込み編みする技術だ。この緻密な手仕事よりさらに高度な技を要するバッグが「カバ」だ。まず、使用されるフェットゥーチェがダブルフェイスなのが特徴。カバには裏地がなく、内側と外側が同じ仕上げになるためだ。短冊状に裂かれたレザーに同素材のレザーが丁寧に張り合わされ、その後は木型を用いて熟練の職人が2人がかりでバスケット状に編み込んでいく。完成までに気の遠くなるような工程を経て完成する「カバ」は、2001年の誕生以来、ブランドのアイコンバッグとしてさまざまなサイズや素材で発表されてきた。2023年に登場した「スモール カバ」は、デイリーに使いやすいサイズが魅力。ともに年を重ねていきたい、名品バッグだ。
伝統技術を引き継いだ
存在感を放つジュエリー
北イタリアのヴェネト州で誕生したボッテガ・ヴェネタ。そんなブランドのアイデンティティを投影したのが、このガラスビーズのネックレスだ。ヴェネト州ヴェネチア・ムラーノ島で有名な伝統技術“ランプワーク”を駆使し、さらにブランド独自のガラスビーズへと昇華させている。“ランプワーク”とは、高温のガスバーナーでガラスを溶かし、さまざまなデザインを形成する技法のこと。異なる色のガラスを銅製の管の周りで成形した後、デザイン通りのシェイプと色のグラデーションに到達した段階で、銅を酸で溶解させて完成させる。楕円形のピアスは、まるでオブジェのようなフォルムを描く。圧倒的な存在感を放つジュエリーが、ミニマルなスタイルにモードをひと匙添えてくれる。
研ぎ澄まされた
定番アイテム「シャツ」と「デニム」
メンズ、ウィメンズともに定評のある、ボッテガ・ヴェネタの「シャツ」と「デニム」。“卓越したクラフトとクリエイティビティ”を掲げたブランドのスピリットが、素材やシルエットに反映された唯一無二の“定番アイテム”だ。RWS認証ウール(製造過程において、責任ある管理がなされているかを証明する国際的な認証基準をクリアしたウールのこと)を使用したストレッチ性のあるトリコティン素材のシャツは、後ろ身頃の袖がドルマンスリーブのような曲線を描く立体的なシルエットが特徴。彫刻的なクロップドベルボトムのデニムも、GOTS認証(「繊維製品が正しくオーガニックである」ことを保証する認証マーク)を取得したオーガニックコットンを使用したもの。この希少なグレーカラーを出すために、さまざまな洗いの工程が行われている。まず、縫製されたデニムは、石を洗濯機に入れて洗いにかけられる。この工程では再利用の水を使用するなど、環境にも配慮している。さらに手作業でデニムをこすることで色合いに奥行きを出しながら、穿き込まれた風合いを出すためのアタリ加工が部分的に施されている。タイムレスな名品には、細部にこそブランドの美学が宿るのだ。