ヒョウ柄の一張羅 ― もう、なくしてしまった服 ―

 1時間に1本も汽車(電車ではない)がこない、とても辺鄙な町で育った。こんなところ、早く抜け出して東京に行きたい!!と勉強しまくった高校時代。唯一の楽しみがファッション誌を読み漁ることだった。念願かなって、18歳で上京。
 有名私立大学の入学式、ナメラレテハイケナイ!と、当時憧れていたブランド「ラッド ミュージシャン」で一張羅を買った。自信満々で着ていったのはグレー地のヒョウ柄セットアップと同生地のハットという3点セット。誰からも、どのサークルからも勧誘されなかった。

(おきぬ 35歳 東京都) 


※この企画は毎週日曜日20時に公開していきます。次回は7月10日(日)20時公開予定です。

日本発のモード誌『SPUR』は参加型の新企画「SPUR ナショナル・ファッションストーリー・プロジェクト」を2016年4月より始動しました。このプロジェクトは、皆様のファッションにまつわるエピソードを、SPURが物語としてまとめていくものです。お寄せいただいたエピソードのうち、こちらのコーナーでご紹介させていただいた方には、同時に掲載する描き下ろしイラストをポストカードにしたものと、iTunesギフト1,500円分を差し上げます。性別や年齢は問いません。‪あなたのファッションとのエピソードを応募してみませんか?  詳しくは特設ページにて。