ともすればセクシーになりすぎてしまいかねない、シアーアイテム。あくまでクールに取り入れる方法を、４名のファッションインサイダーに教えてもらった。トレンドの透け感を自分らしく楽しむスタイリングは、今すぐ参考にできそう！
センシュアルなドレスでつくる「夏のお嬢さん」ルック
クリエイティブ・コンサルタント 市川 渚さん
「今年の春夏はワンピースが気になっています。『お嬢さん』っぽい着こなしが気分ですね。このドレスのブランドは、『さあ、どう着る⁉︎』と着る側が試されるようなアイテムが多くて大好きです。あくまで女性が着やすいようにデザインされているのも魅力。このドレスも、インナーとしてスリップドレスが付属しているので安心です」と市川さん。ドレス本体のパイピングと、インナーのシャープなVネックラインが、モードな透け感を実現している。
足元は、白いソックスとローファーではずしを効かせて。一歩間違うとスクールガール風になりかねない組み合わせだが、迫力のあるチャンキーヒールとソックスのライン＆ロゴに大人の余裕が漂って。
質感で差をつけたオールブラックスタイル
モデル Momoさん
カットソーの上から透けるスリップドレスを着て、さらにその上に台形のレザースカートを重ねた。縦横無尽なレイヤードは、練り上げたバランスが成功の要因だ。「上半身の肌の透け感と、スカートの風になびく感じの両方を見せたくて、重ね方をあれこれ考えてスタイリングしました」とMomoさん。繊細な透け感に、レザー素材のスカートが強さをプラスして。
「カットソーは、あえて肩を落として着ることで、袖にたるみをつくっています」とMomoさん。ドレスのストラップがきれいに見えるとともに、袖のシルエットが優しい女性らしさを描く。繊細なドレス、柔らかいカットソー、タフなレザースカートの異なる質感が、黒で統一したスタイリングに変化を生み出している。
風合いの微妙に異なるベージュを重ねて
フリーランスPR 小林布結里さん
「外出自粛期間を経て、服を着るスタンスにも変化が。もともとゆるっとした格好が好きで、『部屋着と外出着にあまり差異がない』というのが素敵だと思っていたけれど、今は外出する際は意識して遊びのある格好をしたいと思うようになりました。この黒いドレスも、その流れで購入したもの。パワーショルダーに意志を感じます」と小林さん。パワフルなシルエットの黒いドレスの中に、透け感のあるキャミソールドレスとパンツをレイヤード。強さと繊細さの絶妙なバランスに惹きつけられる。
透けるパンツは、実はヨガウェアなのだそう！ 「着心地がよくてお気に入り」だというキャミソールドレスとは微妙に色みと素材の質感が異なり、奥行きを感じさせるスタイリングに。ボルドーのシューズとリップで色を差し、フェミニンなニュアンスをプラスした。
ビビッドカラーを透かせて、マキシ丈ドレスをハンサムに着る
ヘアサロン「CHAUSSE-PIED EN LAITON（ショスピエ アン レトン）」 オーナー 安齋由美さん
「もともと色を取り入れた格好が好きで、黒一色のスタイリングは普段あまりしないんです」と言う安齋さん。ドラマティックな黒いドレスに、ピンクのパンツとグリーンのシューズを合わせた。鮮やかな色がシアーなブラック越しに透けて見え、ぐっと華やかな印象に。インにはシャープなカッティングのアンダーウェアを。長身を生かし、トランスペアレントなドレスをハンサムに着こなした。
マキシ丈のドレスも、レイヤードしたパンツのピンクが透けて見え、重く感じさせない仕上がりに。パンツとシューズの色合わせも鮮やか！ シューズは、「インスタグラムで見て買いに走ったら、初日に完売したと言われてしまって。その後、再販の機会に購入できました」という安齋さんの一目惚れアイテムだ。
photo : Kiyono Hattori text : Chiharu Itagaki
