マスクが外出時の必須アイテムになったこの1年弱。スタイリングも、「マスクありき」で考えるのが当たり前に。普段の着こなしにマスクをどうなじませているのか、どんな点に気をつけて服を選んでいるのか、東京のファッション・プロに聞いた。4名のセルフスナップをチェックしよう。
「名刺がわり」になる鮮やかなカラースタイリング!
SUPER A MARKET(スーパー エー マーケット)新宿 ショッププレス 高橋 悠さん(@__takahashi.h__)
「マスクをしていると、何者なのか素性がわからないので(笑)、洋服は名刺がわりだと思って着ています」と話してくれた高橋さん。ターコイズブルーのカシミアニットに、タイダイ染めのシルクスカートとストライプ柄トップスを合わせ、とことんブルーで統一。「一番のポイントは、タイダイ×ストライプのちょっと奇妙なコントラスト。上からインパクトの強いブラックコートを羽織っても負けません!」
最近はビーズアクセサリーづくりにはまっているという高橋さん。グリーンビーズのネックレスもハンドメイドアイテムだそう。「コロナによる外出自粛中から始まり、今も気が向くと黙々と作っています」。肌になじむ色のマスクと、鮮やかなニットのコントラストも効いている。
マスクチェーンとウェアの色を揃えて
スタイリスト 由田 静さん(@shizuka_yoshida_)
由田さんもビーズ細工にはまっているひとり。「マスクチェーンは、手作りしたものも含めさまざまなものを持っているので、その日の洋服に合った色みのものをつけています。この日は、トップスに合わせて茶色にしました」。マスクは、アーティストの武田鉄平氏の作品をデザインしたもの。トップスとマスクを、フラワーモチーフでさりげなくリンクさせた。
マスクに描かれた黄色い花に、ゴールドのピアスやブラウンビーズがよくなじむ。「リングはあまりにもよくなくすので最近はつけなくなり、ネックレスとピアスを楽しんでいます。いま欲しいのは、ティファニー『ハードウェア』コレクションの、シルバーのリンク ネックレス。ずっと使えるものを買うようにしています」と由田さん。
インパクトのあるマスク&チェーンを主役に
ジョン ローレンス サリバン ショップスタッフ 直塚穂波さん(@honaminaotsuka)
オールブラックのスタイリングに、マスクの柄とシルバーチェーンを際立たせた直塚さん。「マスクがスタイリングの邪魔にならないよう、ゼブラ柄の手作りマスクと、ジョン ローレンス サリバンの大振りなチェーンのマスクホルダーで、あえて主役にもっていきました。チェーンを目立たせたかったので、服はシンプルなデザインのものを」。
ジャケットの上から、ロングベストをレイヤード。パンツスタイルに変化をつけた。「普段は、サイズ感とシルエットをいちばん意識しています。ジャケットは、決まりすぎたイメージにしたくないので、どこか抜け感が出るようなバランスを考えています」と直塚さん。ゆるりと垂れ下がるシルバーチェーンにも、ハンサムかつ気だるげなムードが漂って。
マスクとコートの色を合わせ、素材感で変化をつけて
ヴィンテージショップ「MARTE(マルテ)」ディレクター 野村仁美さん(@hitominomura)
「最近は、気分が明るくなるように、遊びの色みを入れることが多いです。マスクのカラーに合わせ、アウターはベージュカラーに。差し色としてシャツとバッグで鮮やかなブルーを加えました」と野村さん。さらにレオパード柄のパンツでひねりをプラスして、重たくなりがちな冬のスタイリングに、柔らかい雰囲気と遊び心を加えた。
マスクはヴィンテージファブリックを用いて製作したもの。耳の後ろから長く下がる紐に詩的なニュアンスが漂う。「素材感の差異を楽しむスタイリングが好きです」と野村さん。マスクとアウター、ヘアアクセサリーは同系色だが、素材の違いにより変化が生まれている。リズミカルにドットの並ぶイヤーカフが、横顔のアクセントに。
Text: Chiharu Itagaki