すっかりスタイリングの一部となったマスク。1年前と比べると、マスク自体のバリエーションが増えただけではなく、マスクとウェアの合わせ方、ヘアやメイクアップとのバランスの取り方など、スタイリング面でも変化があるのでは。東京のファッション・プロ4名に、最新の「マスクありき」のスタイリングを、セルフスナップ形式で見せてもらった。
インパクトあるパンツでマスクとバランスをとって
メゾンスペシャル ヴィジュアル・ディレクター 蒲原香菜さん (@kana_kambara)
マスクをする日のスタイリングで蒲原さんが気をつけているのは、マスクが浮かないようにすることだそう。「レイヤードしたり、大ぶりのアクセサリーをつけたりしています。パンツは柄物かカラー物で、バランスを取ることが多いですね」。この日は、モノトーンのジオメトリック柄がインパクト大のパンツを、マニッシュなテーラードジャケットで中和した。
繊細な表情のマスクチェーンと、重量感のあるピアスで、顔まわりにアクセントをつけて。ビビッドブルーのトップスは、さりげなくTシャツにプリントされた『シャイニング』の双子が着ているドレスの色とリンク! 「寝る前に翌日のスタイリングを考えて、朝に服を着るのが待ち遠しい!と思えることを楽しんでいます」と蒲原さん。
クラフト感あふれるパッチワークマスクを主役に
スタイリスト 矢内麻友さん(@mayu_yauchi)
マスクとタイツ、シューズでチェック柄を取り入れた矢内さん。「お気に入りのパッチワークマスクと、グラニーなタイツを合わせたところがポイント。薄手のトレンチコートはごわつかないので、上にニットを重ねたり、この日のようにジャケットを重ねたりと、ワンピース感覚で着ています」。定番アイテムであるトレンチコートが、レイヤードテクニックで新しい表情に!
「クラフト感漂う小物を、アースカラーでまとめました」と矢内さん。ハンドメイドの温かみが感じられるマスクは、真っ赤なパイピングと若草色のロングリボンがアクセントに。黒いシュシュとパールピアスには、大人のガーリーな気分が漂っている。
モノトーンでマスクの日もスタイリッシュに
伊勢丹新宿店リ・スタイル(@restyle_isetan_shinjuku) スタイリスト 岩田紗羅さん(@sarah.iwata)
強い印象になりがちなブラックのマスクを、つけ襟でロマンティックに味つけした岩田さん。「最近は白以外の色の不織布マスクもあるので、リップを選ぶ感覚でその日の気分やスタイリングに合わせて選んでいます。この日はつけ襟つきのロゴTシャツに、とろんとしたシルエットがフェミニンな印象のパンツを合わせて、全体的に白×黒のコントラストをはっきりと。足元は重量感のあるローファーを合わせ、ロマンティック×カジュアルのバランスを意識しました」
「耳元には大ぶりのアクセサリーを合わせることで、マスクで顔が隠れていても明るく華やかな印象になるようにしています」と岩田さん。オブジェのようなデザインのイヤーカフは、左右で色を変えて遊び心をプラスした。
ベージュ〜ゴールドのワントーンで全身を統一
アーバンリサーチ 表参道ヒルズ店 スタッフ 山中詩穂さん(@chachachaaasu)
「マスクを含め、ベージュ〜ゴールドのトーンでスタイリングしました。マスクをするので、重たくならないようにメッシュのニットドレスをメインに。バッグとサンダルはブラックでまとめ、ぼやけないようにしました」と山中さん。ゴールドのパンツがドレスから透けて見え、優しいベージュの色味を引き締めている。
「マスクで顔が見えないので、覚えてもらいやすいように、髪はかなり強めのパーマをかけています。細かいロットで巻いてもらって、きれいに保つために月に一度メンテナンスをしています」と山中さん。ゴールドを中心としたネックレスのレイヤードも、さりげないアクセントになっている。
text: Chiharu Itagaki