SPUR.JPの連載「あの人のお気に入り」第14弾には俳優・モデルの内田理央さんが登場。映画やドラマを中心に個性豊かなキャラクターを演じ、ファッション誌のレギュラーモデルも務める内田さん。YouTubeチャンネルではセルフメイクやファッションのコンテンツを配信し、人気を博している。多面的な魅力に満ちた彼女の手放せない定番アイテムとは?
スーパーインドア派が家でも外でも幸せでいられる“柔らかな鎧”としてのファッション
「今回紹介するアイテムに共通するのは、“まとうことで自分を気持ちよくしてくれる服”という点でしょうか」と、内田さん。20代の頃はトレンドを必死に追いかけていた時期もあったという。「スーパーインドア派で、家ではアニメのTシャツとメガネで、ゲームや漫画に囲まれています。若い頃はそれがバレるのが嫌で『みんなが欲しがっているものをとりあえず買う』ようなところがありました。オタク気質を必死で隠しつつ、“おしゃれな人”に擬態するというか(笑)」。けれど、今は長く気に入って使うものが少しずつ増えてきたのだそう。「ベーシックなだけじゃなくて、ちょっと遊び心があるもの。見栄えだけじゃなくて、自分の中でポジティブになる要素があるもの。そういうアイテムがいつの間にか“自分らしさ”を形づくっていることに気づきました」。
俳優・モデルという仕事柄、家から仕事場へ移動して、私服を脱いで着替えて……ということが日常的に繰り返される。そこで、自分ならではの価値観が芽生えてきたという。「衣装で素敵な服を着せてもらうと、素材の心地よさや、着ている自分が美しく見えることを実感して。そこからプライベートでも、そういうハッピーな気持ちでいられる服を選びたいと思うようになりました。そもそも家を出るのが苦手なので(笑)、外出するときに自分でスイッチを押すことは今でも必要。『ここに行くからこんな格好をしよう』と装う気持ちがトリガーになる部分もあります」。
内田さんにとってのファッションは、自分を守り、自信をくれる鎧のようなものかもしれない。しなやかな変化の途上にある、彼女のエッセンシャルアイテムを見ていこう。
【メゾン マルジェラのデニムパンツ】自己肯定感が上がる美脚シルエット
メゾン マルジェラのデニムパンツはシルエットが本当にきれい。2021年「アイコンズ」のラインにデニムが登場した際に、1本目を購入して穿き倒しました。今日穿いているステッチの効いたデニムは2本目。裾に向かって広がるフレアシルエットのおかげで美脚に見えるので、穿いていて自己肯定感が上がるんです! デニムは私にとってレギュラーアイテム。自分の理想にかなうものこそ長く穿けるので、素敵な形に出合ったときは、迷わず手に入れるようにしています。
【オーラリーのシアートップス】体のラインを見せるタイトなトップスは、鏡の前で厳選!
気分によってダボっとした服が着たい日と、ピタっと体のラインを出したい日があります。このトップスは後者の日の味方。ボディラインにフィットしてシルエットをきれいに見せてくれます。生地がとにかく柔らかく、肌に吸い付くような着用感が心地いいんです。特にこうしたスキントップスの場合は、試着の際に隠す部分と出ている部分のバランスをチェック。私の体型の場合は、タートルネックよりも少し首が詰まったクルーネックのほうが似合う気がします。
【メゾン マルジェラのタビブーツ】2足目を“おかわり”。8cmヒールのブラウンが今の気分
ずっとブラックのローヒールのタビブーツを愛用しています。とても歩きやすくて、たくさん歩く日には欠かせません。「こんなにいいんだったらもう1足!」と、今年新たにブラウンを買い足しました。今シーズンはヒールを履きたい気分だったので、8cmのシリンダーヒールをセレクト。2足持っているとスタイリングの幅もぐっと広がります。ヒールが高いほうが全身のバランスがきれいに見えるし、ボリューム感も1989年に発表されたオリジナルに近いですね。履くたびに足にどんどんなじんでいるので、私らしく育てていきたいです。
【ザ・ロウのショルダーバッグ】このプレーンさで、スタイリングの迷いがすべて解決!
最初に購入した“マルゴー”をきっかけに、ザ・ロウのバッグの素晴らしさに気づいて以来、1年のご褒美に少しずつコレクションしています。このショルダーバッグは、なかなかどこにも売っていなくて、諦めかけていたときにショップで偶然出合うことができたもの。極限まで削ぎ落としたミニマルなブラックのレザーバッグは、マチが薄く、コンパクトなサイズ感でデイリーに大活躍しています。
【ベイシックスのベアビーニー】大人になった今だから、気負わず可愛いものを身につけられる
ベイシックスは、ストリートテイストだけどエッジが効いていて、「今、欲しいもの」が見つかるブランドです。中でもポップなベアービーニーは、人から褒められることが多い逸品。購入したときは「デイリーに使うにはクセが強いので、スキー場で身につけよう」なんて思っていたのですが、全然そんなことはなく、普段から愛用しています。20代の頃は背伸びをしたくて、モコモコした愛らしいアイテムを敬遠していたんです。30代になった今だからこそ、このキュートさを素直に楽しめているんだと思います。
【シンゾーンのスウェット】複数枚ストックしている偏愛アイテム
スウェットが大好きでいろんなタイプを集めていますが、こんなに着心地がいいものはありません。なくなって欲しくなくて、同じものをストックしているほどです。リブの幅や首元のあき具合、絶妙な丈感など、ヴィンテージライクな雰囲気がお気に入り。柔らかい肌触りに加え、裏地がふわふわと起毛していて抜群に暖かいです。「COMMONスウェット」というネーミング通り、デザインも本当に「普通」。まるで空気のように、気がつけば手に取っています。
【トゥデイフルのジャケット】好きなブランドから意外性を感じた1着を
袖口から無造作にカットオフした生地がのぞくトゥデイフルのジャケットは、一時ほぼ毎日着ていたほど気に入っています。ダークトーンになりがちな私の日々のスタイリングに軽やかさが加わって、どこか洗練された装いに仕上がるんです。本当に使いやすくて、同型のベージュのジャケットと、セットアップとして使えるキャメルのスカートも購入しました。肩パッドにしっかり厚みがあるボクシーなシルエットが、自分の体型にぴったりフィットする理想の1着です。
【アヤメのメガネ】装いを引き締めるチタンフレームのアイウェア
スウェットのセットアップが大好きで、私服がパジャマっぽくなりがち。そんなときにこれをかけると、お洒落な人になれます(笑)。サングラスとメガネは昔から出番の多いアイテムで、たくさん持っているのですが、こんなに軽やかなものは今までなかったかもしれません。細身のチタンフレームが、今の自分のワードローブといい化学反応を起こしてモードに仕上げてくれるんです。このメガネには、メイクもすっぴんにリップくらいが一番可愛い。“ちょっとそこまで”のワンマイルスタイルが、急にファッショナブルになります。ちなみに、一緒に写っているのは韓国で出合ったLMRのぬいぐるみ。愛猫のたままにそっくりで、いつも持ち歩いています。
1991年生まれ。俳優・モデル。東京都出身。2010年『日テレジェニック』のメンバーに選出されグラビアアイドルとしてデビュー。‘14年『仮面ライダードライブ』にて本格的に俳優活動を開始し、ファッションモデルとしても活躍。TVドラマ『おっさんずラブ』『来世ではちゃんとします』などで存在感を示す。趣味は漫画・アニメ・ゲーム。YouTube公式チャンネル『だーりおCHANNEL』も好評配信中。2025年1月15日よりフジテレビにて、ドラマ『問題物件』(毎週水曜日22時〜)に出演予定。