2017年春夏パリ・コレクション。最も心の琴線にふれたインビテーションがこちらです。開封した瞬間、夢の世界への扉がふわ~っと開いたように感じました。さすが、ドリス ヴァン ノッテン。氷漬けにされた花が並び、その氷が少しずつ溶けてゆくなかでのランウェイは、マドンナの「フローズン」がフィナーレで流れるような、美しいだけでは終わらないチャーミングさも見え隠れ。なにより、会場中が彼をリスペクトして拍手を送っている。その雰囲気に胸がいっぱいになりました。渡仏前、実は、ドリス ヴァン ノッテンの撮影をしたばかりだったので、なおさら、感無量に。
新作とアーカイブスをミックスして、見たことのないスタイリング提案を! そんな前代未聞の企画を担当することになっておよそ2カ月。ドリス・ヴァン・ノッテン氏のクリエーションと向き合い、スタイリスト浜田英枝さんとあーでもない、こーでもないと試行錯誤を繰り返しました。そこから見えてきたのは、“変わっているようで、変わっていないのに、まったく古くなく、むしろ新しく見える”という摩訶不思議なドリス・ワールド。
P67のネックレスは、モードラバーに火をつけた2008-‘09年秋冬コレクションのもの。リングは新作です。どうですか、これぞタイムレスなクリエーション! ドリスのアイテムは一過性の流行で終わることがなく、クロゼットで熟成させればさせるほど、よりその人に似合っていくように思います。
撮影した6枚の写真を持参し、ショー後にドリス氏ご本人に見ていただくことができました。とてもジェントルマンで、チャーミング。内面から漂うエレガンスといい、ドリスの服は彼そのものなんだと実感しました。そして、それぞれのスタイリングに対して、とても丁寧に、ウィットに富んだ楽しい会話のように、感想を語ってくれたんです! その言葉をぜひ誌面で読んで欲しいです。