カルヴェン表参道店がこの4月で3周年を迎えたのに伴い、アーティスティック・ディレクターの二人、アレクシス・マーシャルとアドリアン・カヨドが来日。海からのインスピレーションをさまざまに解釈し、好評展開中の春夏コレクションについて、話を聞いた。
photos:Yusuke Abe(YARD)
――まず、お二人は学生時代からの付き合いなんですよね。
アドリアン・カヨド(以下AC)「アレクシスと出会ったのはファッションスクールに通っていた頃。その後もアレキサンダー・マックイーンやジバンシィなど同じファッションハウスで働きながら一緒に色々なことをしてきたから、またカルヴェンで二人で仕事ができているのは光栄だよ」
アレクシス・マーシャル(以下AM)「アドリアンは最初、インテリアデザインを志していたんだよね。ジバンシィにいた頃は僕はニット、彼はアクセサリーやシューズをデザインしていたけれど、カルヴェンではウェアもアクセサリーも全て二人で話し合って進めているんだ」
――昨年、カルヴェンのアーティスティックディレクターにお二人で就任するにあたり、ブランドのどんな点が魅力的でしたか。
AM「すごいくいいチャンスだと思ったよ。パリに古くからある大きなメゾンで、パリでランウェイショーも発表していて、僕たち二人が考えた服やアクセサリーを大きなアトリエで形にできるというのが魅力的だったね」
AC「それに、僕たちが新たなカルヴェン・ウーマンのストーリーを提案できるというのも大事なポイントだった。古くからのクチュールやアトリエとしてのフィーリングと、僕らのパワフルでストリートなテイストをミックスできるという意味で」
――お二人にとって“パリジェンヌ”や、“カルヴェン・ウーマン”の定義とは?
AC「“パリジェンヌ”は、必ずしもフランス人である必要はないんだ。“カルヴェン・ウーマン”もほぼイコールではあるんだけれどさらに言えば、自信に満ちている女性。恐れを知らず、自由なスピリットを持っていて、かわいらしくもあり、カジュアル・シックで、エレガントで、リラックスしていて……、色々な側面を自分らしく表現できる人かな」
――今シーズンのコレクションは、いわゆるマリンスタイルとは一味違っていますね。
AM「今シーズンのテーマは、都会に住む女の子が休日に海へと旅に出るストーリー。テーマは3つに分かれていて、まず一つめはボーイフレンドのシャツを借りて旅立つ女の子。だからマスキュリンな要素が加わったフェミニニティを感じられるんじゃないかな」
AC「ボーイフレンドのシャツはオーバーサイズになるよね。それを身体に巻き付けてクシャっと着るようなシルエットをイメージしたんだ」
AM「二つめはボートサイドのイメージ。だからストライプや船の窓を思わせるアイレットといったグラフィカルなモチーフが出てくる。そして最後に、ダイバーのウェットスーツをサテンで表現したり、ファブリックミックスもある。色々な要素をミックスし、ちょっとしたツイストを加えるのがポイントだね」
――ユニークな海の世界を表現する上で、目にしたものやイメージしたものは何かありましたか。
AM「イソギンチャクや海藻が描かれたブルー×ホワイトのプリントは、日本の漫画からインスパイアされたもの。それから、魚のカサゴの模様や、タコが毒の墨を吐いている様子もプリントとして表現しているよ」
――まだお二人とも若くて、またカスタマーの中にはデジタルネイティブ世代の人たちもいると思いますが、フレッシュなカルヴェンを表現する上で、そういった世代を意識することはありますか。
AC「もちろん。たとえばInstagramはすごく大事なツールだと思っているよ。カスタマーやジャーナリストにカルヴェンのデザインやファッション、フレッシュなエネルギーをシェアすることができるから」
――これからカルヴェンのコレクションに触れる人にとってオススメのアイテムはありますか。
AC「春夏コレクションでいえば、たとえばショート丈のボンバージャケットやミニスカートがキーアイテムかな」
AM「Tシャツのようにリラックスしたトップスに構築的なスカート、という組み合わせがカルヴェンらしいと思うよ」
――最後に、お二人は前にも日本に来たことがあるそうですが、今回はどんな風に過ごしているのですか。
AC「街のちょっとした小道に入って、新たな刺激を探しているよ。旅の刺激はコレクション制作にもすごく重要だしね」
AM「歩き回って人々を観察したり。あるいは、今回は行けないけれど、東京以外の町に行くのも好きだね。パリでは感じられない変化やリラックスを感じられるんだ」
――前回は地方も回られていて、かなり日本通なのではないかなと思うのですが、そういった情報はどうやって手に入れるのですか。
AC「あらかじめリサーチしてくるわけではないから、いつも行き当たりばったりだよ。出会った人に訊ねたりね」
AM「たとえば以前、広島の宮島に辿り着けたのは、京都に行った時にビーチに行きたいな、と思ったんだけど、その時たまたま目にした厳島神社のステッカーを見かけたからなんだ」
AC「それで、よし行ってみようか、とね。いつもそんな感じだよ」
CARVEN 表参道
所在地:東京都渋谷区神宮前4-3-12
電話:03-6438-9536
※3周年を記念し、50,000円(税別)以上購入した人には、表参道店限定のノベルティをプレゼント(なくなり次第終了)。
ブルーベル・ジャパン (ファッション事業本部)
電話:03-5413-1050
http://carven.jp
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