昨年から半年間放映されたテレビアニメ「おそ松さん」が爆発的ヒットを記録し、今年の5月に発売された待望のコミック第１巻も、発売日初日に品切れとなる書店が相次ぐ驚異の人気っぷり。そんな社会現象とも言える「おそ松さん」とSPURとの夢のコラボレーションが遂に実現した。SPUR8月号の目玉企画「モードを着た『おそ松さん』」は、モード誌編集部を舞台とした完全オリジナルのストーリーに仕上がっている。今回特別に描き下ろしてくださったシタラマサコ先生に、インタビューを実施した。
──今回描き下ろしていただいた感想をお願いします。
舞台がモード誌の編集部ということで、６つ子たちをどのキャラクターに当てはめるかを考えるのが楽しかったです。６人がまったく血のつながりの無い設定で、しかも全員ちゃんと働いていて（笑）。いつもの６つ子とは違う関係性を描けたのが新鮮でした。
──本編での６人それぞれのキャラクターは、どのように当てはめていったのでしょうか？
おそ松が編集長というのは、最初から決めていました。６つ子のリーダー的存在なので、そこは動かしたくなかったんです。あとは、事前の打合せで聞いていた“モード界あるある”をもとにセリフを作っていって、それを誰に言わせるのが一番しっくりくるかを考えていきました。例えば、末っ子のトド松は編集アシスタントという設定ですが、一番下っ端のくせに「洋服が決まらなくて帰りたい」なんて生意気なことを言っちゃうところなんかも、キャラクターにぴったりだと思いました。
──ベテラン編集で先輩キャラが、―松というのは斬新でした。
そうですね。結果的に一松が一番かっこいいキャラになったんじゃないかと思います。皆がいるところに最後に来て、ボソっと名言を言うようなオイシイ役です（笑）。そんな一松に、トド松が憧れを抱いているという関係性にしたら、可愛くなりました。
──「おそ松さん」とファッションの関係性についてもお伺いしたいのですが、６人を描く際のファッションのポイントはありますか？
それぞれのキャラクターを自分の周りの人に置き換えてみて、この人だったらこういう服を着そうだなというのを想像してみます。例えば学生時代の制服の着こなしでも、セーラー服にカーディガンを着る子もいれば、ラフにパーカーを合わせる子もいて、性格によって変わってくるじゃないですか。この６人の場合も、キャラクターの個性に合わせた服装のディテールや着こなし方などで違いを出しています。
──ランウェイショーのフロントローに並んで座っているシーンがありますが、この場面の６人のファッションについて教えてください。
一番意外性があったのは、スカジャンを着たおそ松です。どちらかというと、スカジャンは一松のイメージなんですが、それをおそ松が着ているのがとても新しくて、描いてて楽しかったです。十四松のルックは、とてもキャラに合ってるなと思いました。ダボッとした総柄のニットトップスに短パンを合わせていて、普通の人が着たら難しそうだけど、十四松だから可愛らしく着こなせてるなと。あと、トド松の狙いにいってる感じも、あざとさが伝わってきてしっくりきましたね。
──もともとジャージにサンダル姿の多い一松のファッションは、今流行りのアスレジャーに通じるものがあります。
そうですね。思いがけず一松が最先端をいっていて、オシャレな感じになっているのは、今回の見どころのひとつでもあります（笑）。
──今回の作中には「イヤーミ」と「HATABOO」という２つのブランドが登場します。それぞれはどんなイメージですか？
「イヤーミ」は、誰もが憧れる、尖ったハイブランドですね。おフランスの（笑）。「HATABOO」は、国内の新進気鋭のデザイナーが手掛けるストリートブランドをイメージしました。知る人ぞ知る、マニア心をくすぐるブランドです。
──今後コミックの中で、このキャラにこんな恰好をさせてみたいという願望はありますか？
連載中の『月刊YOU』で、これから描く漫画が夏の設定になるんですけど、夏のシーンはテレビアニメには出てきてなかったんです。だから、衣装は完全に私の自由に描けてしまうので、何を着せようかと考えているところです。基本的にはTシャツが多くなりそうですが、６人の個性に合わせて、サイズ感や着こなしに差が出てくると思います。
ちなみに7月号の連載の中に、カラ松のTシャツ姿の場面があるんですけど、普段から露出の多いカラ松らしく袖をまくってました（笑）。
──SPUR8月号には、特別付録として「おそ松さん」のステッカーがつきます。ご覧になっていかがでしょうか？！
いやぁ、ファッション誌とコラボすると、こんなにお洒落になるんですね（笑）。モノクロのデザインがストリートブランドっぽいテイストで、すごくカッコいいですね！スマホケースに貼ります！
text & photography: Eimi Hayashi
●シタラマサコ先生 スペシャルインタビュー Vol.2＞
