北から南まで、大自然から都市まで、一年を通じて世界中を駆け巡る、ソフィア。『Travels with Chufy』の著者が、「きれいな大人」に欠かせない旅のワードローブについて語るオートクチュール・ファッションウィークのため、7月上旬にパリに滞在したソフィアを キャッチ。ディオールのドレッシーなスカートにはサカイのニットとクロエのブーツを合わせ、意外性のあるドレスダウン
Sofia Sanchez de Betak
ブエノスアイレス生まれ、NY在住のクリエイティブ・ディレクター&インフルエンサー。ショーやイベントのプロデュースとアートディレクションでは第一人者のアレクサンドル・ドゥ・ベタックと3年前に結婚し、ファッション界きってのスタイリッシュなカップルに。Instagram@chufy
インスピレーションに任せ、旅先で完成するワードローブ
クリエイティブ・ディレクター、グラフィック・デザイナー、スタイル・アイコン……。さまざまな顔を持つソフィア・サンチェス・ドゥ・ベタックのライフワークともいえるのが、旅。ラグジュリアスなトラベル・エージェンシーを経営していた母の影響で、小さな頃から旅慣れていたからだ。この春には旅行記『Travels with Chufy』をリリースし、"スタイリッシュな旅のプロ”ともいえるソフィアに、話を聞いた。
「私の旅は身軽よ。フライトにはルーズなシルエットのドレスとパンツ、そして大判スカーフ。ラゲージの中身は、旅先の気候やオケージョンに合わせた服を数点のみと、エッセンシャルな小物。あとは目的地に着いてから、現地のクラフツマンシップが生きたものを買って、自分流にアレンジするの」
こう語るソフィアは趣味が高じて、2年ほど前に「チャフィ」コレクションをスタート。旅先で見つけたアイテムの、シルエットや素材、ディテールなどを変え、現地の職人とのコラボレーションで仕上げた作品は、彼女自身のサイトをはじめ、パリのコレットやマイアミのザ・ウェブスターなどで販売している。アイテムはポンチョからカフタン、バックパック、エスパドリーユ、ジュエリーまで、さまざま。
「スタイルがないのが私のスタイルね。特定のスタイルを基準にものを選ぶのはつまらない。世界中の旅先で、いろいろなカルチャーにインスパイアされるのに任せて買い物をし、フィーリングでコーディネートするの」。"自由”が魅力のソフィア。彼女の思い出の写真がたくさん詰まった旅行記を一望すると、そのスタイルが浮き彫りになる。
ソフィアの旅行記
この春に出版されたソフィアのトラベル・ブック。「友人たちから素敵な旅先を教えて、と頻繁に聞かれるから、まとめて本にしてみたの」という彼女が、ここでは自身の写真とともに、世界各地からのお気に入りの旅先とホテルを紹介している。ちなみに"チャフィ"とは彼女の愛称
『Travels with Chufy』 (約200ページ、50€ 、アスリン刊)www. assouline.com
(本より抜粋・左下)マラケシュでのソフィアの常宿 Riad Jardin Secret (右下)ソフィアがこよなく愛するパタゴニアのEstancia Arroyo Verdeにて
※ €1=約130円です(8月1日現在)
ソフィアの旅のマストアイテム
カジュアルとドレスアップをバランスよく取り入れた、旅するソフィアのエッセンシャル。靴ではロジェ ヴィヴィエのブーツとミュウミュウのサンダル、バッグではTL-180のバスケットとヴァネッサ・シュワードのハンドバッグ、ミュウミュウのクラッチ。サングラスはレジーナ・ピヨ(左)とサング・プロジェクト(右)、ジュエリーではチャフィ オリジナルのネックレス(左)とルイ・ヴィトンのイヤリング(中)、サルヴァドール・ダリのデザインが複製されたネックレス(右)。そして何よりも大事にしているのは、夫とタンゴを踊っている写真と大判のカシミア・ショール
ソフィアのトラベルスタイル
1 アルゼンチン・パタゴニアでの結婚式翌日。年末でも真夏の気候を楽しもうと用意したのは、アンソニー・ヴァカレロのドレスとニコラス・カークウッドのサンダル
2 3年前、ニューヨークでの法定結婚式。ウェアは夫の長年の友人であるスペインのデザイナー、シビラによるオーダーメイド、バッグはアレクサンダー・マックイーン。夫の出張とソフィアのライフワークを合わせると、ふたりは一年中旅をしている。だから自宅のあるニューヨークは、ソフィアにとっていわば世界を巡る旅の拠点だ
3 2014年、ハネムーンの旅先に選んだのはブラジルのフェルナンド・デ・ノローニャ。ヴィンテージのドレスとマッチングのベルトをターバンにし、メゾン ミッシェルのヘッドピースをのせてコーディネートした、即席ブライド・スタイル
4 2015年に決行した南極ツアーで重宝したのは、モンクレールのジャケットと、カシミアの大判ショール
SOURCE:SPUR 2017年10月号「『きれいな大人』になりたい」
photography:Tyler Joe hair:Tie Toyama make-up:Mayumi Oda interview & text:Minako Norimatsu
着たい服はどこにある?
トレンドも買い物のチャンネルも無限にある今。ファッション好きの「着たい服はどこにある?」という疑問に、SPURが全力で答えます。うっとりする可愛さと力強さをあわせ持つスタイル「POWER ROMANCE」。大人の女性にこそ必要な「包容力のある服」。ファッションプロの口コミにより、知られざるヴィンテージ店やオンラインショップを網羅した「欲しい服は、ここにある」。大ボリュームでお届けする「“まんぷく”春靴ジャーナル」。さらにファッショナブルにお届けするのが「中島健人は甘くない」。一方、甘い誘惑を仕掛けるなら「口説けるチョコレート」は必読。はじまりから終わりまで、華やぐ気持ちで満たされるSPUR3月号です!