多彩な素材や生地を操り生み出す、ユニークで構築的なデザイン。2016年に自身のブランドを立ちあげたばかりのデザイナー、クリスティン・ヒュン・ミ・ニールセンの型破りなデビューの目的とは
2016年に、自身のブランドを立ち上げたクリスティン・ヒュン・ミ・ニールセン。彼女は、通例どおりレディ・トゥ・ウェアのスケジュールに沿って服づくりをするのとは違って型破りな道を選んだ。コレクション発表ペースの早いレディ・トゥ・ウェアではなく、オートクチュール・コレクションの公式スケジュールに沿ってショーを開催する方法をとったのだ。
今年1月のパリ・オートクチュール・ファッションウィークで発表されたデビューコレクションは、デザイナーの個人的な知り合いにのみオーダーメイド形式で販売された。7月に発表された2017-'18年秋冬コレクションは、パリ拠点の様々なブランドを扱うショールームで9月より販売される予定だ。価格はおよそ600ドル(約65,500円)から。
オートクチュール・コレクションの公式スケジュールでショーを開催する許可を得るのは、有名どころのファッションブランドでも極めて難しい。ましてや、立ち上げから間もないブランドにとってはなおさらだ。管理団体であるオートクチュール組合の厳しい審査を通過しなければならず、申請書には過去のアイテムを載せたルックブックだけでなく、販売状況と年商といったデータの提出も求められる。
そういったデータもルックブックも何ひとつ持ち合わせていなかったクリスティンは、代わりに制作中のアイテムのデザイン画とフィッティング時の写真を提出した。そして2016年末、ゲストデザイナーとしての参加が認められ、今年7月には二度目のショーを開催。オートクチュール組合加盟メンバーであるシャネルやディオールといったブランド、そして同じくゲストブランドのアイリス ヴァン ヘルペン、プロエンザ スクーラー、ロダルテといった面々とともに、パリ・オートクチュール・ファッションウィークへの参加を果たしたのだった。(その他の作品もチェック)
SOURCE:「Meet The Rare Designer Who Debuted With Couture」By T JAPAN New York Times Style Magazine
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