ニューヨークのマディソン・アヴェニュー740番地に、ボッテガ・ヴェネタの世界で3番目のメゾンと呼ばれる旗艦店が誕生。この店舗のオープンを記念し、一度限りのNYでのランウェイショーとして2018-'19秋冬コレクションが開催が発表された。メゾンの美学が詰まった店舗やNYの建築にインスパイアされた最新コレクションの見どころ、そしてアフターパーティを彩ったセレブリティの華やかなスタイルをまとめてチェックして。
メゾンの美学が詰まった世界最大の旗艦店
19世紀に建てられた邸宅を、実に5年の年月をかけて改築した店舗は、約1400平米の5階建て。レザーコレクション、メンズ・ウィメンズのウェア、フレグランス、ファインジュエリー、そしてホームコレクションなどがフルラインナップで揃う。
特に注目すべきは5階の「アパートメント」と呼ばれるホームコレクションを展開するフロア。自然光を採り入れた空間では、トーマス・マイヤーの美学が行き届いたモダンなインテリアを堪能できる。店内にディスプレイされたイントレチャートを用いたクッションや、ソファ、カーペットなどはすべてオーダーが可能。トーマス自身が選んだ写真集や美術品にも注目したい。現在はイタリアのミッドセンチュリー期のアートを壁に展示。このラインナップは今後も入れ替わる予定だ。また、レザーグッズのパーソナライゼーションサービスも。ファッションに留まらず、メゾンの世界観をトータルに味わい尽くせる贅沢な空間だ。
Photo by Jay Gullion
ニューヨークにインスパイアされた最新コレクション
2018-'19秋冬コレクションのテーマは“NYの生活が持つさまざまな側面”。もともとボッテガ・ヴェネタが'70年代、初めて海外出店をした縁のある地でもあり、トーマス・マイヤーの生活拠点のひとつでもあるNYの建造物にインスピレーションを得たのだという。事実、コレクションにはNYの摩天楼や情景に触発された素材使いや色、シルエットが随所に落とし込まれている。たとえば、真っ赤なハーフコートの表にはPVCのような加工が施され、裏にはグレンチェックのライニングが配され、色と素材にコントラストの妙を効かせて。どこかクレイジーな印象のある風景ながら、ドアを閉めると静けさが広がっていたり――そんなNYの印象から、異なる要素が混在するさまを活かしている。また、セーターにはビルを彷彿とさせる立方体も配され、メゾンを象徴するイントレチャートともリンク。その他にも、建物の窓枠や柵を想起させる装飾も。レースや布が重なり合い、層となって織りなすデザインはまさに職人技の賜物であり、“シンプルに見えながら複雑なつくり”というメゾンのクリエーションの原点を体現。それを成し得るアルチザンを次世代につなげていきたい、とクリエイティブ・ディレクターのトーマス・マイヤーは語った。
コレクションのムードを捉えたムービー
SPUR編集長・Gの2018-'19秋冬コレクションベスト3ルック!
(写真・左)
フリルをあしらったドレスの下からベルベット×シルクのスリップを透けさせ、その上からボーホー・シックなウールのカーディガンを羽織る異素材の組み合わせ。余裕を漂わせるガウンと合わせることで、リアルなセンシュアリティの魅力を美しく際立たせている点に拍手。NYならではの折衷主義を感じさせるスタイリングだとも思います。
(写真・中央)
建築への造詣が深いマイヤー氏ですが、今回のテーマのひとつが建築。そこから派生して、数々の幾何学モチーフがランウェイを彩りましたが、こちらのカシミアセーターもそのひとつ。英国調の格子柄とのミックス、そして楽観的なカラーパレットに落とし込んでいる点が革新的。ロシアンアヴァンギャルドを思わせるトートバッグのモチーフも、ポップで楽しい!
(写真・右)
オン/オフの境界線。急速に変化するライフスタイルとともに、その線引きはますます多様化するはずだけれど、「パジャマ」モードをマイヤー氏が定義すると、ここまで優雅に! 余談ですが『セックス・アンド・ザ・シティ』の雪が降る大晦日、キャリーがミランダに“You're not alone”と伝えに行く大好きな場面と自分の記憶の中で重なって、高揚感を覚えました。
コレクション&アフターパーティーには長谷川京子ほかセレブが多数来場
ランウェイショー開催後には、トーマス・マイヤーも参加するアフターパーティが開催された。ブランドと親交の深い女優の長谷川京子や佐久間由衣、ジュリアン・ムーアと娘のリヴ・フレインドリッチ、イリーナ・シェイクやポピー・デルヴィーニュなど、ショーに来場したセレブリティやソーシャライトたちが鮮やかな装いで駆けつけた。
text: Chiharu Itagaki(celebrity snap)
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