生粋のパリジェンヌであり、SNS世代のスタイル・アイコンとして人気のジャンヌ・ダマス。モデルとして活動する傍ら、そのフレンチ・シックなパーソナルスタイルで人気を博す彼女は、自らファッションレーベル「Rouje(ルージュ)」を立ち上げるなど、注目を浴びる存在だ。そんな彼女が、ブランドの新作コレクションとともに初来日。初めての東京を楽しむ彼女に会い、その魅力の秘密を教えてもらった。
レストランを経営する両親のもと、パリで生まれ育ったジャンヌ。フレンチガールの王道を行きつつトレンド感を兼ね備えたパーソナルスタイルが話題を呼び、14歳の時に始めたブログで人気に火がついた。新世代のイットガールともいうべき彼女だが、意外にも小さな頃はファッションに興味がなかったという。「もちろん、周囲におしゃれな人はたくさんいたわ。パリで育つということはファッションに囲まれて育つようなものだから。でも、仕事にしようとは全然思っていなかった。子どもの頃は、大きくなったら精神科医になりたいと思っていたの!」
そんな彼女がファッションを愛するようになったのは、「ごく自然な流れだった」そう。ブログに自らの写真をアップし始めたところ、話題を呼んで、人づてに噂を聞きつけたスタイリスト兼ファッション・デザイナーのナタリー・ドゥメイクスに声をかけられたのだという。「14歳のときだった。放課後にナタリーのアトリエに行って、フィッティングモデルを務めるようになったの。彼女と親しくなって、たくさんのことを教えてもらったわ。実際、ファッションにまつわるすべてのことは彼女のアトリエで学んだようなものなの」
そして2016年には、オリジナルレーベル「Rouje(ルージュ)」を立ち上げることに。そのコレクションは、まさにパリジェンヌのワードローブそのものだ。「女性らしさを大切にしたいから、ドレスが多め。そして少しだけヴィンテージ感を加えているの」というブランドのスタイルは、もちろん彼女自身のスタイルとも分かちがたく結びついている。「私が普段のスタイリングで大切にしているのは、まずシンプルであること。日本の女の子も好きだと思うけど、私もユニフォームライクな格好が好き。フェミニンな服に、少しマスキュリンなテイストをミックスするのが私流。ドレスの上に、ビッグサイズのメンズ風ジャケットを羽織るとかね」
ドレスと並んで、彼女のスタイルに欠かせないアイテムがデニムパンツだ。「お手本にしているのはジェーン・バーキンのようなクラシックなデニムスタイル。きれいなブルーで、ハイウエストのシルエット。そして大事なのが、ストレッチの効いていないリアルな生地感。そういう本物のデニムは、探そうとすると大変だから、ルージュではこだわり抜いてパーフェクトな1本をつくりました。デニムが好きな子にはぜひ穿いてみてほしい」
気取らない笑顔がチャーミングなジャンヌのビューティ・ポリシーは、「レス・イズ・モア」であること。髪を洗うのは2日に1度で、コンディショナーなどは使わずシャンプーのみ。レオノール グレユのオイルを愛用しており、自分でヘアカットすることもあるのだとか。「ビューティに関して、私はとてもミニマリストなの」という彼女のマスト・アイテムは、赤いルージュ。「私のブランドの名前『Rouje(ルージュ)』の由来は、もちろん口紅のルージュから。スペルの g を、私の頭文字である j に変えたの」。美しさの秘訣は、とにかく保湿だというジャンヌ。「あとは、たくさん飲むことね、ワインを……じゃなくて水を(笑)」
最後に、今後の目標を聞いた。「まずは、今の仲間たちと『Rouje(ルージュ)』の仕事を続けること。本当に親しい女友達ばかりを集めて作ったチームだから。そしていつか、ブランドの世界観を拡大して、ブティックのようなスペースを作れたらと思っている。プライベートでは、子どもがほしいの、今すぐに(笑)。今、私は26歳なんだけど、30歳までには必ずほしいな。そしたら、キッズウェアのコレクションもつくっちゃったりして!」愛すべきフレンチガール、ジャンヌから、ファッション界は当分目が離せなさそうだ。
ジャンヌ・ダマス(Jeanne Damas )
フランス・パリ出身の26歳。SNSで紹介するパーソナルスタイルが人気を博し、ファッション界のイットガールに。モデルとしてさまざまなブランドのミューズを務めるほか、2016年に自らが手がけるブランド「Rouje(ルージュ)」のファースト・コレクションを発表するなど、その活動は多岐にわたる。
photography: Satoko Tsuyuki interview&text: Chiharu Itagaki