今季ランウェイを席巻したのはかの立体パズルを彷彿とさせる80年代カラー。今まとうなら、当時の強い女性像を起点とし、モダンな印象に昇華したい。計算し尽くした配色のスタイリング指南をお届け
コントラストをきかせたカラーブロックにはアンバランスな違和感を
(モデル右)マゼンタピンクとパープルがクラッシュする、強い色彩こそ"ルービック"カラー。斜めにファスナーが配された裾からタイツをのぞかせてグラフィカルな効果を。あえてグレンチェックのコートに忍ばせベージュのパンプスを履き、遊び心ある配色を洗練された表情に格上げした。
(モデル左)黄色と青の反対色をたっぷりとしたボリュームでぶつけるのが80年代的。パワーショルダーのコートには同色のマフラーを重ね、エクストリームに色を楽しむ。
テクスチャーを意識してワントーンに表情を生む
おなじみのワントーンも、鮮やかなカラーが旬。同じ「ツヤ」でも、ワンピースのベロアとコートの素材でテクスチャーを変えて立体的な表情に。そこにヴィンテージライクなスカーフ柄を加え、白タイツを差し込むことで可憐な空気感へと導いた。
スリットからのぞかせるハイレベルな赤の活用法
切り込みの施されたデザインやアシンメトリーなシルエットがセンシュアルな佇まいのウェアには、鮮やかな赤一色を挿入。他の色みは抑えることで、凛とした、緊張感漂うルックが完成する。
パターンや素材が生む 強いイメージをパウダーカラーで裏切る
(モデル右)パワーショルダーにケミカルウォッシュ柄のパンツ。主張し合う要素を現代的に導くには、イエローとパープルのまろやかな色選びがカギ。襟ぐりのフリルでもひとさじの甘さを添え、全体のムードをやわらかく中和した。
(モデル左)80年代らしいオーバーサイズなブルゾンにプレイフルな趣を足すのは、ネオンカラーのニット。さらに、パンキッシュなレザー素材のスカートは、淡いラベンダーカラーを選べばセクシーな女性像に陥らない。さまざまな色とムードをミックスしたノールールな着こなしに。
マイルドなピンクを 引き締める、ゴールドと緑
ピンクのボックスジャケットとタックパンツが主役。そのやわらかい印象をモードにブラッシュアップするのはゴールドと緑。ブラウスのレトロなプリントが、80年代風のゴージャスなムードも添える。足もとは小面積に緑をきかせることで、ぴりっとエッジィな空気をプラス。ソックスの白を挟むことでパワフルな色の共演に抜け感を出して。
絶妙な青のレイヤードに、 今年なら白をさす!
群青色のシャツにロイヤルブルーのファーという、近しいが異なる色のトーン・オン・トーン。ポイントにしたいのは、スリットからのぞかせた白のタイツだ。マッシヴな装いに黒ではなくこの色をさすことで、軽やかさが生まれる。ちょっと個性的な女性像も気分。
SOURCE:SPUR 2018年12月号「ルービックカラーに染まる冬」
photography: Takako Noel styling: Fusae Hamada hair: KOTARO〈SENSE OF HUMOUR〉 make-up: Rie Shiraishi model: Ada, Amanda cooperation:BACKGROUNDS FACTORY