毎日気兼ねなく使えて、かつカジュアルすぎない上質さをもつ、美しいデザインのバッグがほしい ―― 完璧に満足のいくデイリーバッグは、探そうと思うと意外と見つからないもの。2016年の本格上陸以来、日本でも人気を博してきた「L/UNIFORM(リュニフォーム)」のバッグは、そんな願いに応えてくれる頼もしい存在だ。創設者でありクリエイティブディレクターのジャンヌ・シニョルに、バッグへのこだわりについて聞いた。
結局、ほしいのはクラシカルなフォルムのバッグだった
「ブランドを始めるまでには、私もさまざまなブランドのバッグを買い求めてきました。我ながらすごくいい客だったと思う(笑)。でも結局、自分が選ぶのはいつもクラシカルなフォルムのバッグなんだって気づいたんです」と語る、ジャンヌ。彼女が夫とともに2014年に立ち上げたブランド、リュニフォームにラインナップされているのは、まさにそういった、いつの時代にも愛されてきたようなエターナルなフォルムのバッグばかり。キャンバス地にレザーでトリミングが施されたトートバッグやショルダーバッグは、使いやすさを追求したベーシックなデザインでありながら、フレンチブランドらしいシックな佇まいが。そこには、ジャンヌの「機能的であるということは、究極に美しいということ」だという信条が反映されている。
実用的かつシックな佇まいを実現するためにジャンヌがこだわっているのが、素材だ。「デイリーユースに耐えうる丈夫さと発色のよさを求めて、織りの密なコットンリネンキャンバスを開発しました。さらに、2枚のキャンバスを縫い合わせて使っています」とジャンヌは説明する。このおかげで、キャンバスバッグならではの軽さはキープしつつ、レザーバッグのように構築的なフォルムと、上質で洗練された表情が生まれた。
こだわりのカラーとモノグラムで「私だけのユニフォーム」に
タイムレスなデザインのバッグに現代的な表情を与えているのが、リュニフォーム特有のパキッとした色使い。「カラーリングは、私にとってすごく重要な要素」だと語るジャンヌのこだわりは、美しい原色を用いることと、生活の中に存在するリアルな色を使うこと。「たとえば、リュニフォームのカーキ色はフランス軍が使用している色と同じものです。黄色は水兵さんの制服に使われている色から。赤はどこまでも鮮やかに、ブルーは暗くなりすぎないように。色に関しては、とても繊細にこだわっています」。こうして、昔からあったようなフォルムのバッグが、ジャンヌの色彩感覚によってモダンで新鮮なものに生まれ変わることになった。
カラーリングと同様にこのブランドらしさを体現しているのが、モノグラムのプリントサービス。イニシャルや好きな単語をプリントすることによって、パーソナライズすることができる。「ブランド名の由来になっている『ユニフォーム』は、みんなが同じ服を着るということを意味します。そこに、使う人の個性をプラスして、『あなただけのユニフォーム』を作れるようにしたかったのです」とジャンヌ。モノグラムは、好きな色を選んでプリントできる。「たとえば同じカーキ地のバッグでも、ネイビーのイニシャルを入れればクラシックになるし、ピンクを選べば可愛らしくなる。自分らしさをつけ加えられるのです」
目指すのは、バッグを超えてライフスタイルに寄り添う「ユニフォーム」
子どもの通学バッグからマーケットで使えるキャリーバッグまで、年齢や性別を超えてあらゆる人にとってのデイリーバッグを発表してきたリュニフォーム。ジャンヌが次に見据えるのは、インテリアのジャンルだ。「リュニフォームはあくまでデイリーライフのためのブランド。華美な装飾でトレンドを追うファッションブランドだとは考えていません。今後は、ピローケース、クッションケース、テーブルマットなど、毎日の生活に欠かせないアイテムをつくっていきたい」とジャンヌ。すでに本国フランスでは発売中のアイテムもあり、バッグを超えた「ライフスタイルのユニフォーム」への進化は着々と進行中。「当面の目標は、日本のみなさんにとってリュニフォームをもっと身近な存在にすること!」とジャンヌが語ってくれたとおり、パリにあるフラッグシップショップに続く世界第2号店が、日本にオープンする日も近いかも? 今から楽しみに待ちたい。
text : Chiharu Itagaki
ジャンヌ・シニョル(Jeanne Signoles)
1977年、フランス・ボルドーに生まれる。トゥールーズのビジネススクールを卒業後、航空機業界や経済界でキャリアを積む。ラグジュアリーな皮革製品ブランドに10年ほど携わった後、2016年に夫とともにリュニフォームを立ち上げる。2015年にはパリに最初の旗艦店をオープン。プライベートでは3人の子どもをもつ母親でもある。
「L/UNIFORM(リュニフォーム)」オフィシャルサイトはこちら
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