ドリス ヴァン ノッテンの花柄コート
華やかさはありつつ着る人に寄り添うプリントの魔力
ファッションプロから毎シーズン絶大な人気を誇る、ドリス ヴァン ノッテンの「プリント」。目を引く華やかさがありつつ、なぜかどんなスタイルの人にもフィットする、不思議な力を持つ存在だ。春夏シーズンの強い味方は薄手コートやガウンなどのライトアウター。さっと羽織るだけでスタイリングが完成する。今季はシルクナイロンの光沢のあるオレンジに、ピンクやパープルの花を散らして。柄同士のミックス&マッチも楽しい。
メゾン マルジェラのジャケット
まとう人が主役になるビッグジャケット
ここしばらく続いているビッグシルエット人気。ただ、選択を誤ると「服に着られている人」になってしまう危険も。意思と知性を感じるスタイリングに必要なのは厳選された美しいジャケット。クリーンな白、テーラリングの技術に裏打ちされたカッティングの一着をぜひ手に入れたい。
ジル・サンダーのシャツドレス
大人の「イノセント・ピンク」をシャツドレスで表現
シャツやシャツドレスに定評のあるジル・サンダー。ルーシー&ルーク・メイヤー夫妻が提案するのは大人のための淡いパステルピンク。甘いカラーリングに対して、小さな襟に比翼仕立ての前立て、長めのカフスと、随所にストイックなディテールを配したそのバランスが心憎い。後ろ身頃の裾にも深いスリットがあしらわれている。ワイドパンツに重ねて。
ザ・ロウのスモックドレス
どこまでも洗練されたベージュのワントーン
クラシックなマキシレングスのスモックドレス。実は下に重ねたパンツと同じコットンチノ素材で仕立てられている。意外性のあるアイテム同士をセットアップで着るアイデア、さらに中のブラウスまでワントーンで揃えたスタイリング。控えめだからこそ、そこには洗練が宿る。袖口に結ばれたリボンがひとさじの甘さをプラス。
ロエベのニット
"力の抜けたいいオトナ"をかなえるビッグニット
休日には、自分をとことん甘やかしてくれる服をまといたい。チルデンセーターをベースにしたエクストララージサイズのVネックニットは、女性が着ると膝丈のニットドレスに変身。体が服の中で泳ぐそのボリューム感が、ボディの華奢さを強調する。なめらかな薄手の編み地に発色の美しいアイスブルーが爽やかさを運ぶ。
クロエのシルクドレス
美しくボディを包み込みフェミニニティをたたえる服
女性の体にしなやかに沿い、動くたびに美しく揺れるシルクという素材も「包容力のある服」を構成する要素のひとつ。美しくフレアを描くネイビーのドレスはビッグポケットや金ボタンなど、ミリタリー風のディテールも特徴。インにはホースプリントのドレスを重ね、スポーティなソックス使いでツイストを。
プラン Cのセンタープレスパンツ
美しいカッティングと洒脱な色出しに注目
カロリーナ・カスティリオーニが昨年スタート。本人が「成熟した女性のための服」と説明する通り、クリーンかつ着心地のよいアイテムが揃う。パンツはリラクシングなシルエットながら、センタープレスで端正な雰囲気もかなえる。レトロなグリーンの色出しも心憎い。
ステラ マッカートニーのオールインワン
シグネチャーアイテムこそ、頼れる味方
毎シーズンさまざまなバリエーションが登場するメゾンのアイコニックなアイテムのひとつがオールインワン。とろみのある上質なシルク素材の一着はデイ&ナイトと幅広く活躍する。縦に走る二本のジップはフルレングスの裾まであしらわれ、すっきりとした印象をかなえる。
3.1 フィリップ リムのスプリングコート
「東京の春」に寄り添う、やさしいピンクベージュ
モードでありながら、日本人女性が日常で着られる服が必ず見つかるのがこのブランド。特にコートやジャケットなどのアウターは根強い人気を誇る。軽やかなピンクベージュのコットンコートは着やすいボックスシルエットに、スポーティにアレンジした胸元のフラップがアクセント。同系色のドレスに羽織って軽やかに。
マルニのビッグトップス
私たちの毎日は忙しい。モードな「時短」トップス
着るだけでスタイリングが完成する、美しいフォルムとデザインを兼ね備えた、「時短」トップスも、常備しておきたいもののひとつ。コットンと透け感のある素材をボーダー状に組み合わせたビッグトップスは、黒一色ながら多彩な表情を見せる。同素材のスカートと。
フミカウチダのリネンジャケット
カーディガンのようにリラックスしてまとうジャケット
女性のライフスタイルに寄り添う服を作り続けているブランドからピックアップしたのは、リネンのノーカラージャケット。袖を通すとストレスのない軽い着心地ながら、シルエットはどこまでも美しい。カーディガン感覚で日常に取り入れたい。
サカイのワイドパンツ
デザイントップスを支える、定番ボトムの底力
色、素材、テイストをハイブリッドした、凝ったデザインのトップスがいつも人気のサカイ。実はそれに加え、ワイドパンツにもファンが多いことをご存じだろうか。ドローストリングのウエストから流れるように広がる美しいラインが特徴。コンフォート感と美脚が同時に手に入る。春はストライプコットンで展開。
セヤのリネンチュニック
土臭くなりすぎない、フェミニンなチュニック
瀬谷慶子氏が2017年より手掛けるSeya.。モダンでありながら、どこか異国の薫りを感じるデザインが女性の支持を集める。チュニックは胸元を深くカットすることで洗練されたムードを演出。張りのあるストライプ柄リネンを使用。
コム デ ギャルソンのホワイトシャツ
「これがあれば大丈夫」そんな安心感のある一枚
例えばコレクション出張にどんな服が必要? 多くのモードプロが手に取るのがこのメゾンのシャツではないだろうか。さまざまな状況に対応できる上質感に加え、さりげないディテールが「ただものではない」ムードを醸し出す。さらに長時間着ていても疲れないとなれば、それはまさにお守り的な一着に。ロング丈の腰回りにプリーツの装飾を施したシャツから、同じくプリーツスカートをのぞかせて。
SOURCE:SPUR 2019年3月号「『包容力のある服』が必要だ」
photography:Kenta Sawada styling:Kumi Saito hair:JUN GOTO
make-up:NOBUKO MAEKAWA〈Perle〉 model:Dais