新しい季節をともに過ごす、とっておきの新作をピックアップ。明日の私を「エナジャイズ」してくれるバッグと一緒に出かけたい。
明日は海に出かけよう
春夏トレンドの大きなキーワードのひとつが「海」。思わずビーチに出かけたくなる、新作とともに。
シャネル
トランスペアレントなシェルに、ビーチボール。ショー会場のグラン・パレにビーチをしつらえたシャネルは、プレキシグラス素材のバッグにも海を思わせるモチーフを採用した。モードなピクニックを楽しめそうなラタンのミニバッグは、パテントレザーのCCロゴとチェーンストラップがアクセントに。ストローハットをかぶり新しい季節に飛び込もう。
小さなバッグの柄の世界
軽やかな春のお出かけの相棒は、小さなバッグ。プレイフルな色柄を存分に堪能したい。
(上)バレンシアガ斜めに流れるブランドロゴのグラフィックがスポーティなミニバッグ。さらに、プリントスカーフをハンドルに巻きつけ、ふわりとなびかせて。動いたときにこそ鮮烈なインパクトを残す、計算し尽くしたデザイン。
(下)サンローランバイ アンソニー・ヴァカレロカサンドラロゴと繊細なチェーンストラップがクラシックな印象の人気バッグ「ケイト」を、今季は柄でアップデート。切り絵のようなカラフルなグラフィックは80年代にムッシュ イヴ・サンローランが発表したドレスの柄から。
一文字で描くバッグの「顔」
クラシックな趣のバッグが再び注目されているこの春。フロントにあしらわれたゴールドの金具がポイントに。
(上)クロエ新アイコンバッグ「Chloé C」からミニサイズが登場。クリーンなホワイトのカーフレザーに、優雅なカーブを描くゴールドの「C」モチーフをあしらって。春にぴったりのフレッシュなムード。
(下)ヴァレンティノ ガラヴァーニ
メゾンの頭文字をアレンジしたメタルモチーフが目を引く「Vリング」バッグ。レッド×ブラックのカラーリングが、モダンな印象をかなえる。内部は3つのコンパートメントに分かれており、収納力も抜群。
トライバル・フィーリング
異国情緒を感じさせる色使いや装飾。思わず旅に出たくなる、特別なバッグ。
(上)ドルチェ&ガッバーナ活気にあふれたシチリアのマーケットの情景が思い浮かぶような、カラフルなかごバッグ。飾られたポンポンやフリンジ、ミラーモチーフがプレイフルなムードを加速する。
(下)エトロリネン地にボタニカルモチーフを細かく描き出したアッパーが特徴的。異国から伝えられた古いテキスタイルのような趣が、スタイリングに「ただものではない」ツイストを加える。
2019年の「SF」とは?
SFコミックの名作、大友克洋の『AKIRA』の舞台設定も2019年。最新モードから読み解く「未来」とは何だろう。
ルイ・ヴィトンメゾンのアイコニックなアイテムである「帽子ケース」から着想を得た「プティット・ボワット・シャポー」。今シーズンはその特徴的なラウンドフォルムに、ハンドペイント風のグラフィックをのせて。コクーンシルエットのマットなホワイトコートにスタイリングすれば、今年流の「フューチャリスティック」が完成する。ショルダーストラップつき。
ちょっとそこまで、ワンハンドル
春の陽気に誘われてのお出かけ。さっとつかんで外出できるワンハンドルバッグが相棒。
(左上)ロエベ
オフホワイトのリネンとレザーを組み合わせたその名も軽やかな「バルーンバッグ」。シーンを選ばないベーシックな色使いにざくざく荷物を入れられるオープントップのデザインは、忙しい毎日を送る女性の強い味方に。
(右上)マーク ジェイコブス
ランウェイでパワー・ロマンスを感じさせるスタイルに携えたのは、クラシックなミニバッグ。ブラックレザーには、ゴールドでショーが行われた日付をあしらって。
(左下)ラルフ ローレンこのブランドならではの特徴的なゴールドのクロージャーがポケットに配され、アクセントに。春の空のようなやさしいブルーも目を引く。ショルダーストラップつき。
(右下)ケイト・スペード ニューヨーク新クリエイティブ・ディレクター、ニコラ・グラスが手がけた新作。小ぶりのかごバッグには、ビビッドなグリーンのフラップ&ハンドルをセット。クロスボディにもできるショルダーストラップつき。
"BAG" TO BASIC!
20世紀の終わりに発表され伝説となった「あの」バッグが昨年復活。そこには時を超えて愛される揺るぎない魅力がある。
ディオール
2000年春夏シーズンに当時のアーティスティック・ディレクターのジョン・ガリアーノにより発表されたのが「サドル」バッグ。乗馬用の鞍をモチーフにしたデザインに「D」のイニシャルが目を引くモデルが、昨年マリア・グラツィア・キウリにより新たによみがえった。新作はマットなブラックのカーフスキンに、エスニックな趣を感じさせる別売りのストラップをプラス。
Mr.Bagsの春の特別賞とは?
現在のファッション業界に多大な影響力を与えるデジタルインフルエンサー、Mr.Bagsことタオ・リャン氏(@mrbagss)。彼のお眼鏡にかなった今季のバッグとは、果たして!?
バッグに対する造詣の深さとその愛を生かし、商品について軽快に語るSNSから支持が広がった彼の回答は!?「この春夏のベスト5を挙げるなら、セリーヌの『16』、トッズの『D スタイリングバッグ』、ディオールの『SADDLE』、プラダの『Sidonie』、グッチの『Arli』ですね」とタオ・リャン氏。数々のハイブランドとのコラボレーションも話題の彼だからこそのセレクトにSPURも注目したい。
(上)セリーヌ バイ エディ・スリマン
「エディ・スリマンの新しいクリエーションということにも注目しています」。「16(セーズ)」はクラシックなハンドバッグ人気再燃を牽引する存在だ。モデル名は、メゾンの本社とアトリエがある由緒正しい建物の住所から。
(下)トッズ
「パーフェクトな仕事用バッグ」。故・ダイアナ元妃の頭文字から名付けられた「D スタイリング バッグ」。エレガントなムードの中に、両開きのジッパーの先にあしらわれたストラップが目を引く。
ブライトカラー・パラダイス
心躍る季節の訪れとともにやってきたのは、目が覚めるようなまぶしい色。一点投入で華やかなスタイリングをかなえる。
(左上)ジバンシィ
今季のランウェイで登場した新モデル「ウィップ」は、春の気分を高めてくれる、やわらかなコーラルピンクを選びたい。レザーを巻きつけたハンドルは職人の手仕上げ。内部は2つのコンパートメントに分かれていてスリムながらも高い収納力が特徴。
(右上)エルメスカーフレザーを用いたバックパック「ブリタド」。なめらかな手ざわりが心地いい。スポーティな印象のアイテムを上質な素材とみずみずしいブルーで品よくアップデート。ストラップの金具をつけ替えれば、ショルダーバッグにトランスフォーム。
(左下)マックスマーラ
今シーズンのテーマはギリシャ神話に登場する海の女神、アンフィリトテ。架空の深海の生き物をイメージした、丸みを帯びたシルエットが愛らしい。まぶしいイエローは地中海に降り注ぐ太陽の光を表現。がま口は開きやすく、見た目よりも大容量。
(右下)サルヴァトーレ フェラガモ
人気上昇中のウォレットバッグ。ブランドの象徴であるガンチーニがフロントに配され、艶やかなグリーンが印象的だ。用いられた素材は品格漂うスネークレザー。カードスロットとiPhoneも収まる立体的なポケットが配されており、収納力を保証。
「持たないバッグ」を狙え
コンパクトなだけでは物足りない。そんなモードラバーたちに捧げたい、スペック、デザインともにパワーアップした新作が並ぶ。
(左)フェンディ流行中のミニマルサイズ。今季はそれを究極に進化させた「持たない」バッグが誕生。「PHONE」や「SECRETS」と、用途が記された二つのポケットを携え、必要最低限の持ち物のみ収納可能な無駄のないデザイン。付属のカラビナには鍵やチャームをつけて。ベルト、そしてバッグとしての役割も兼ね備える新しい形を提案する。
(右)バーバリークラシカルなボディに「TBロゴ」が配されたウエストバッグがお目見え。メゾンの創始者のイニシャルを組み合わせたロゴはリカルド・ティッシが手がけるコレクションのシンボルだ。カジュアルなアイテムにチェーンを添えて、エレガントに。同色の淡いミントグリーンのワンピースを合わせて、繊細なカラートーンでまとめ上げれば、上品なスタイリングが完成。
PRADA Invitesってなんだ?
世界的に著名なクリエイターを招き、コラボレーションでアイテムを製作する取り組み。個性豊かな作品の数々が揃う。
プラダ
アーティストとのコラボレーションプロジェクト「PRADA Invites」。展開するのはこのメゾンらしい素材、ナイロンを使ったユニークなアイテムの数々。今回参加したのはチニ・ボエリ、エリザベス・ディラー、そしてこのバッグを手がけた妹島和世、3人の建築家だ。緩やかな曲線でかたどられたカラフルなポーチと、ジッパーで仕切られたポケットを融合した有機的なデザイン。好みに合わせて、カスタマイズを楽しめる。プレイフルな気分を日常に取り入れて。
「私、こういう者です」
大胆に主張しつつも、洗練されたムードをまとうロゴバッグ。大人の女性のスタイリングにマッチする精鋭をピックアップ!
(左)ジル・サンダー
ジュート素材のバスケットを囲うように施されたブラックのロゴが印象的。インパクトのある組み合わせをシックにまとめ上げたジル・サンダーらしい逸品だ。内側に装備されているレザーの巾着は取りはずし可能。
(中央)ステラ マッカートニー
人気を博したモデルがリニューアルされ、使い勝手のよい小さいサイズとなって登場。フラップつきポーチが備わり、バッグの中の整理もしやすい。付属のストラップを装着すれば、クロスボディバッグに早変わり。
(右)ミュウミュウ
ジャカード素材と深いレッドのレザーを組み合わせたショルダーバッグ。ヴィンテージライクな存在感が魅力。全面にあしらわれたグラフィカルな模様とフロントのロゴはクリエイティブ デュオ「M/M(Paris)」がデザインしたもの。
ビッグトートに夢を詰め込んで
「なんでも」入る、大容量サイズが続々登場。デイリー使いにふさわしい機能性や、心躍るルックスを備えたニューフェイスをチェック。
(上)ボッテガ・ヴェネタ
新たに就任したクリエイティブ・ディレクター、ダニエル・リーが手がけた「マキシ カバ」。メゾンのクラフツマンシップを象徴するイントレチャートをマクロサイズにアップデート。ビビッドなグリーンをブラックで引き締めて、より現代的な装いに。内側にはミニポーチも備わる。
(下)ジョルジオ アルマーニ
A3サイズの書類やPCもゆうに収まるシンプルなトートバッグはどんなスタイルにもマッチする優等生。手ざわりのよい柔らかなカーフレザーは軽く、日常使いにぴったり。ロゴの下にはミラノにあるメゾン本社のアドレスが。スマートなデザインの中でさりげなく光る。
春のいちご天国!
ときめかずにはいられない! ポジティブなムードをまとう、フルーツが描かれたキュートな相棒とともに出かけよう。
グッチ
ランウェイに登場したアイコンバッグ「ズゥミ」。80年代のスタイルや文化から着想を得た今季。中でもひときわ目を引くのがポップなストロベリーが全面にあしらわれ、オプティミスティックなムードがあふれるハンドルバッグだ。フロントで輝くのはインターロッキングGとホースビット。デザイナーがアーカイブから引用し、アップデートさせたハードウェアに注目。
SOURCE:SPUR 2019年4月号「いつもそばに、エナジャイズ・バッグ」
photography:Masanori Akao〈whiteSTOUT〉 styling:Saeko Sugai hair & make-up:Keita Iijima〈mod’s hair〉
model:Kadri artwork:Anna Kawahara(小さなバッグの柄の世界、Mr.Bagsの春の特別賞とは?) cooperation:AWABEES,PROPS NOW