連載終了から25年を経てもいまだに多くの少女マンガファンの原点としてきらめく『ときめきトゥナイト』。デビュー40周年を迎える池野恋先生の特別コメントつきで秋冬のダークロマンスなトレンドにのせてあのときめきをプレイバック!
きっかけは、ドラキュラ映画。"運命の出会い"を描いてみたかった
あの頃、リアルタイムの『りぼん』読者だったならきっと真壁くんに恋に落ちたはず。同時に、魔界やドラキュラ、狼人間など、異世界への想像の扉も開いてくれた『ときめきトゥナイト』。今年、作者の池野恋先生はなんと作家生活40周年を迎える。少女マンガ史に燦然と輝く胸きゅんストーリーはどのように生まれたのか?
「連載開始前に『ドラキュラ都へ行く』(’79)というコメディ映画が好きで。コミカルだけどカッコいい吸血鬼のお父さんを描いてみたかったんです。だから最初にキャラが決まっていたのは実は父親の江藤望里。蘭世はそのあと考えて、前向きな性格や黒髪ストレートなど自分にはないものを詰め込みました。俊も理想を盛り込んで無口でクールだけど実は心の中は熱い!なんて設定にしましたが、実際は一緒にいて楽しい明るい人のほうがいいですよねえ(笑)。真壁俊があんなに人気になるとは思いもしませんでした」
少女マンガのヒーローのひとつの理想型となった真壁くん。連載終了から19年を経て、彼の視点からプロポーズの時を描いた『ときめきトゥナイト 真壁俊の事情』は特に話題を呼んだ。
「あえて読者の想像におまかせしていたプロポーズを描けたのは、本編から時間がたっていたから。カルロを絡めて俊の気持ちを表現することができてとても楽しかった。中には描かないでほしかった、という意見もありましたが、それもわかります。描き下ろしストーリーを出したり、さまざまな取りあげ方をされたりするのもそんな熱い読者の方々の応援があったからこそです」
新たにリメイク作品を描くなら?と問うと「蘭世の運命の相手がもしもカルロだったら……なんてテーマにも興味がありますね」と語った池野先生。ときめきは、まだまだ止まらない!
〈 CAST 〉
真壁俊/伊藤あさひ
俳優。2018年のスーパー戦隊シリーズで初主演を務める。最近では、連続ドラマのほか長身を生かしてメンズ誌にも登場する19歳。
江藤蘭世/福士マリ
モデル。ファッション誌や東京ガールズコレクションなどで活躍する15歳。手脚の長さとスイートなルックスでSPURでも活躍中。
池野 恋 PROFILE
1979年デビュー。’82年から’94年まで連載された『ときめきトゥナイト』(全30巻・集英社)は少女マンガ史上に残るヒット作。セルフパロディ『ときめきミッドナイト』のほか、番外編シリーズの新刊『ときめきトゥナイト 江藤蘭世の宝箱』、自らの漫画家人生を振り返るエッセイコミック『ときめきまんが道ー池野恋40周年本ー』も好評発売中。
SOURCE:SPUR 2019年9月号「ときめき★ダークロマンス」
photography: Osamu Yokonami styling: Yuuka Maruyama〈makiura office〉 hair: Takayuki Shibata〈SIGNO〉 make-up: DAKUZAKU〈TRON〉 model: Mari Fukushi, Asahi Ito, Puck cooperation: BACKGROUNDS FACTORY





