人生100年時代の今、ファッションを本当の意味で味わえるのは、むしろ歳を重ねてから。
自分の好みを熟知し、さまざまなスタイルを経験したあとだからこそ、色や柄にときめき、新しい冒険ができるはず。自由におしゃれを満喫する粋なグラニーを、スタイリングのお手本に。これは、未来の私たちへの賛歌だ。
オレンジと白髪のいい関係
シャリ感のあるピンクのドレスに、黒い花柄の総刺しゅうを施したショートコートを羽織って、絵本から飛び出てきたかのようにファンシーに。鮮やかなオレンジ色のスカーフからのぞくくるりと巻かれたグレーヘアが、シックなアクセント。コートの柄とリンクした花のブローチで遊び心を。
貫禄で着こなすエキゾチック
大人のエキゾチックスタイルは色の力を借りて。ニットのノルディック柄、スカートのレオパード、グローブのFFモチーフと柄を重ねても、ベージュトーンでまとめれば混雑しない。
ベルベットドレスをコートのように羽織り印象を引き締め、白のラペルと靴で軽さを出す。
クラシックなドレスはこう遊ぶ
19世紀のフランスの門をモチーフにしたレトロな柄のドレスは、柄の延長を描くかのように襟にコーネリー刺しゅうが施されたクラシカルな一着。グレーのフェルトハットのリボンをあご下で結んでノスタルジックなムードを醸し出す。そこにグリッターのメリージェーンと紫のソックスを差し、キッチュな味つけを。古きよきスタイルこそ、新しくまとうのがグラニーの心意気。
花はほのかに香らせる
モードの熟練者たるもの、おなじみ花柄ドレスをそのままでは着ない。チュールドレスで覆って柄をやさしくぼかす。ストリートとクラシックが交差するニットストールを羽織り、モダンな風格を加えた。
料理はナチュラル、装いはケミカル
ケーキを焼く日、まとう服はちょっとケミカルな色合いで。ソーダのような水色をのせたモヘアブークレのニット。同素材のネックアクセサリーで首元にボリュームを。インには毒っ気のあるパープルの花柄ドレスをまとう。GGパターンが配されたツィードポンチョをゆったり羽織り、今らしいビッグシルエットを構築。足もとはスリッパシューズでリラクシングに。
秋の庭で聴くのはヒップホップ
日なたぼっこスタイルもつま先まで気を抜かない。東欧の薫りを感じる刺しゅうが胸元に施された重量感あるカーディガン。インにはスカーフ柄のシャツにカットワークレースのシャツを重ねて奥行きを出す。ロゴがちりばめられた白い裾絞りパンツにおなじく白のスノーブーツを合わせ、ヒップホップのムードを投入。縦横無尽にテイストをミックスして。
>商品のお問い合わせ先と電話番号はこちら
SOURCE:SPUR 2019年9月号「ハイパーモードおばあちゃん」
photography: Annie Lai styling: Mana Yamamoto hair: Miho Emori 〈KiKi inc.〉make-up: NOBUKO MAEKAWA 〈Perle〉 model: Ritsuko Naito