2019.12.18

装いは創造だ! ハイパー・ダウン・クリエイター

今年もダウンの季節がやってきた。リアルだけれど、ひとクセある着こなしのコツを細かく解説! 主人公はいくつもの顔を持つマルチ・クリエイター。ハイパーな設定で、今までにない新しいダウンのスタイリングを披露する。

ハイパー・フローリスト

装いは創造だ! ハイパー・ダウン・クリエの画像_1

毎朝大量の花を市場から仕入れて運ぶフローリストは、(1)のランバージャックチェック柄のウールを表地に使ったダウンを基軸に、ブリティッシュなスタイリングを構築。ブランケットスカート(5)のカラーパレットは、ダウンから引用した。ポイントは首元からのぞくブラウス(2)のボウタイや、その上に重ねたニットポンチョ(3)、インに仕込んだフリンジスカート(6)。このバランスよい白の采配で、ぐっとクリーンさが増す。カーキのグローブ(4)とレインブーツ(7)を差し込み、ガーデナーらしく。

1 ダウンジャケット¥427,000/クロエ カスタマーリレーションズ(クロエ)
2 ボウタイブラウス¥86,000/The SECRETCLOSET二子玉川(シクラス)
3 ニットポンチョ¥20,000/BOWLES(HYKE)
4 グローブ¥13,000/ミントデザインズ
5 巻きスカート¥82,000/sacai
6 フリンジスカート¥39,000/BOWLES(HYKE)
7 レインブーツ¥16,000/エーグルカスタマーサービス(エーグル)

ハイパー・ビデオグラファー

装いは創造だ! ハイパー・ダウン・クリエの画像_2

いい画を撮るためなら、ビデオグラファーはどこにでも向かう。たとえそれが空の上でも。イメージしたのはハイテクなワークスタイル。フライトジャケット風のダウン(1)は、襟とポケットにシアリングがあしらわれ、シームラインがないためモダンな印象。バギーデニム(4)を合わせ、マニッシュな土台をつくったところに、指先が手袋仕様になったジャージートップス(3)で違和感をプラス。エレガントさを加速させる白いトレンチ(2)にはダウンボレロがついており、襟元のボリュームアップにひと役。

1 ダウンジャケット¥290,000/マルニ 表参道(マルニ)
2 白いトレンチコート¥250,000/sacai
3 グローブ仕様のブルートップス¥38,000/TOGA 原宿店(トーガ プルラ)
4 デニムパンツ¥101,000/ビオトープ(クリスタセヤ)
5 スニーカー¥20,000/リーボック アディダスグループ(リーボック クラシック)
ビデオカメラ/協和産業(撮影協力)

ハイパー・ジュース・オーガナイザー

装いは創造だ! ハイパー・ダウン・クリエの画像_3

ニーズに合わせてパーティ用のジュースタワーをオーガナイズする職人。野外への出陣に備えて、カナダグースが独自に開発したナイロン素材、フェザーライトUL™をシェルに用いたミニマルなダウン(1)を愛用。これは、防風性、撥水性、通気性、耐久性、軽量性に優れた素材だ。職業柄欠かせないエプロン(4)はマドラスチェックのテキスタイルにスタッズが打たれたパンキッシュな一着。スリットからのぞくパンツ(3)もグリーンで統一した。袖口から見せたフリルブラウス(2)で、甘みをひとさじ。

1 ダウンジャケット¥90,000/カナダグース
2 ボウつきブラウス¥38,000/ラルフ ローレン(ポロ ラルフ ローレン)
3 パンツ¥26,000/BOWLES(HYKE)
4 エプロンドレス¥90,000/ドーバー ストリート マーケット ギンザ(マリーン セル)

ハイパー・バルーニスト

装いは創造だ! ハイパー・ダウン・クリエの画像_4

今日は自ら縫い合わせたカラフルな熱気球の試運転。飛行中はスポーティな重ね着で勝負する。台湾ブランドSeivsonのダウン(1)は、ボアに切り替えた部分の袖を取りはずしたり、インナーについた紐に腕を通してスリーブを落としたりと、遊び心ある着こなしがかなう。肩の落ちたフォルムが今らしい。透け感のあるレインコート(2)をドレスのようにまとい、フードは首元でひと結び。ソックス(5)やコンバットシューズ(6)までトーンを統一し、ボディスーツ(3)と手袋(4)の黄色を効果的にきかせた。

1 ダウンジャケット¥58,000/ピールピーアール(セイヴソン)
2 レインコート¥69,000/オン・トーキョー ショールーム(メゾンエウレカ)
3 イエローのボディスーツ¥21,000/オン・トーキョー ショールーム(メゾンエウレカ)
4 グローブ¥44,000/PARAGRAPH CO.LTD.( プラン C)
5 フェイクレザーソックス¥15,000/辰野(ザ ダラス)
6 靴¥113,000/Acne Studios Aoyama(Acne Studios)

ハイパー・コンポーザー

装いは創造だ! ハイパー・ダウン・クリエの画像_5

多くのアーティストをプロデュースし、ヒット曲を次々世に送り出す作家。Aラインに広がるダウン(1)をロマンティックにドレスアップ。袖口のインナーのサムホールに手を通せば、風の侵入を防げるうえ、指は自由に動かせるためシンセの演奏にも支障なし。チュールジャケット(2)と韻を踏むベージュのチュールを内側にふんだんにあしらったタイトスカート(5)を合わせ、さらにシフォンスカート(6)を重ねて量感をアップ。付属の赤いリボンが音楽とともに舞う。パールネックレス(3)でリュクスに編曲。

1 ダウンジャケット¥148,000/ヘルノ・ジャパン(ヘルノ)
2 チュールジャケット¥47,000/コム デ ギャルソン(ノワール ケイ ニノミヤ)
3 45㎝パールネックレス¥847,000・180㎝パールネックレス¥793,000/TASAKI(M/G TASAKI)
4 パールイヤリング¥414,000/TASAKI
5 インナーチュールつきタイトスカート¥89,000/コム デ ギャルソン(ノワール ケイ ニノミヤ)
6 上に重ねたシフォンラップスカート¥42,000/ミスターイット.
7 ブーツ¥143,000/JIMMY CHOO

ハイパー・アイス・スカルプター

装いは創造だ! ハイパー・ダウン・クリエの画像_6

氷のインスタレーションを即興で行う彫刻家は、自身の装いもアートと同一視。異素材の白を幾重にも盛りつけた。保温性抜群のダウンベスト(1)のシェルには、防水性の高い高密度のキャンバス生地、ベンタイルを採用。編み地をパッチワークさせたアラン編みのニットドレス(2)に、エナメル風素材のスカートベルト(3)を重ねて奥行きを出した。顔だけ出るニットキャップ(4)で頭部を守りつつ、左手は中指、右手は親指が出る手袋(5)とネイルリング(6)をはめて、指先まで緊張感を行き渡らせる。

1 ダウンベスト¥184,000/モンクレール ジャパン(モンクレール)
2 ニットドレス¥204,000/アディッション アデライデ(マリーン セル)
3 スカートベルト¥73,000/アディッション アデライデ(マリーン セル)
4 ニットキャップ¥55,000/イーストランド(アラヌイ)
5 グローブ¥54,000/Acne Studios Aoyama(Acne Studios)
6 ネイルリング(左手)¥26,000・同(右手)¥25,000/アデライデ(ラッツェル アンド ウォルフ)
7 ニットレギンス¥26,000/4K(タン)

SOURCE:SPUR 2020年1月号「ハイパー・ダウン・クリエイター」
photography: Bungo Tsuchiya〈TRON〉 styling: Sumire Hayakawa〈KiKi inc.〉 hair: KOTARO〈SENSE OF HUMOUR〉  make-up: Masayo Tsuda〈mod’s hair〉 model: Mila artwork: Mamoru Hinata〈UMLAND〉