眠っていた花々が目を覚ます
芽吹いたばかりの若葉の緑を、ウール混シルクのクレープ地ドレスにのせて。ショルダーからプリーツを施した袖が、彫刻のようなシルエットを構築。強さのあるフェミニニティがくっきりと浮かび上がる。サイドにフリンジのついたレースタイツが、ひとさじの毒をトッピング。オーストリッチ・フェザーのファンであおげば、最高にロマンティックな春がやってくる。
ブローチつきドレス¥550,000・フリンジタイツ¥62,000・ヘアクリップ¥80,000・グローブ¥80,000・靴¥134,000・フェザーファン¥504,000/グッチ ジャパン(グッチ)
ドレスの中で彼女は自由
シャリ感のあるコットンが織りなすボリュームの遊戯によって、体と服の間にパーソナルスペースが生まれ、そこで女性は自由になれる。旅に行かなくても、服を着れば、そこが楽園に。そんなピエールパオロ・ピッチョーリの哲学が織り込まれたドレス。バルーンスリーブと、きゅっとフィットしたウエストから一気に広がるフレアラインは、どんな体型をも美しく昇華。羽根飾りをつけたかのようなラフィアハットが、夢の中へいざなう。
ドレス¥356,000(ヴァレンティノ)・帽子(参考商品)(ヴァレンティノ ガラヴァーニ)/ヴァレンティノ インフォメーションデスク
すべての女性は花のように美しい
リュクスなビショップスリーブと、アーティな曲線を描く襟がフェミニンなブラウス。クリスタルボタンや、繊細なレースが、ピュアな白の世界に華やぎを添える。ヘアには色とりどりのフラワーをデコレート。女性は、花のように一人ひとりが違って、それぞれが美しい。そんなメッセージを込めて。
ブラウス¥440,000・スカート¥820,000・イヤリング¥79,000(すべて予定価格)/ドルチェ&ガッバーナ ジャパン(ドルチェ&ガッバーナ)
心の中のGIRLが叫ぶ
シルバーのラメメッシュを幾重にもティアードしたドレス。同素材のパフスリーブトップスを重ねて、まあるいシェイプを描いた。ガーリーな甘さとパンキッシュな辛さが隣り合わせに。好きな音楽に合わせてスクリームしたり、可愛いもの好きなのに毒っ気があったり。いつまでも心に"気分屋の女の子"を住まわせたい。
ドレス¥160,000・上に着たトップス¥65,000/コム デ ギャルソン(ノワール ケイ ニノミヤ) ブーツ¥25,500/ドクターマーチン・エアウエア ジャパン(ドクターマーチン) タイツ・頭につけた花/スタイリスト私物
映画が始まる靴
ローズボタンを飾ったアートピースのような靴にひとたび足を入れれば、誰もが映画の登場人物気分に。ロジェ ヴィヴィエの新クリエイティブ・ディレクター、ゲラルド・フェローニは、「オブジェのように美しく、なおかつ快適に歩けて働ける靴」にこだわった。そうして生まれた4.5センチのミドルヒールは、履く人にファンタジーと実用性、そのどちらをも与えてくれる。
靴¥116,000/ロジェ・ヴィヴィエ・ジャパン(ロジェ ヴィヴィエ) コート(共布ベルトつき)¥117,000・帽子¥43,000(ともにキムヘキム)・ソックス¥9,000(ピーター ドゥ)/アデライデ 中に着たボディスーツ¥17,500・ショーツ¥14,000/フィルグ ショールーム(ベルベットソックス バイ シモーネワイルド)
時を止めるドレス
はっと息をのみ、時がたつのを忘れるほどの神々しさ。今シーズン、マークが描いたロマンティシズムは、見る人にそんな印象を与える。ピーチ色のレースにルレックス糸が織り込まれ、ちらちらときらめく。その生地を贅沢に用いて作られたのが、芍薬の花のようなラッフルのジャケット。同生地のドレスは裾にフリルを重ねてドラマティックなシルエットに。まさに、「着られる夢」を実現したルックだ。
ジャケット¥373,000・ドレス¥517,000・グローブ¥22,000・タイツ¥33,000(すべて参考価格)・靴・ベール(ともに参考商品)/マーク ジェイコブス カスタマーセンター(マーク ジェイコブス)
上昇する服と気持ち
シルクタフタをあえて継ぎはぎし、シワ加工を施すことで、可憐なミニドレスにミウッチャらしい辛さをプラス。淡いピンクベージュの布地から黒いブラレットをのぞかせるのも、パンクな心意気の表れ。飛び跳ねるとバルーンヘムが空気をはらんで膨らみ、裾のロゼットはふわりと揺れる。そのまま空まで飛んでいけそうな気分に。
ドレス¥331,000・ブラレット¥32,000・イヤーカフ¥57,000(すべて予定価格)・ネックレス(参考商品)/ミュウミュウ クライアントサービス(ミュウミュウ)
何でもない日にもロマンを
クチュールライクな小花柄を、まるで紙のように薄い水色のペーパー・ドライ生地にちりばめて。スモックドレスから、ワークシーンを彷彿させる蛍光黄色のニットショーツを透かせ、薄曇りの日にフラッシュをたいたかのような鮮烈な効果を狙う。首元にはクライミングロープを結び、ワークウェアの要素をクチュールの美学に融合。ゆったりとした着心地に身を委ねて日常生活で着られるロマンティックを味わいたい。
ドレス¥188,000・ニットショーツ¥37,000・リング¥31,000・サンダル¥67,000/ドリス ヴァン ノッテン
SOURCE:SPUR 2019年3月号「意志ある女性の背中を押す POWER ROMANCE」
photography: Takako Noel styling: Tamao Iida hair: KOTARO 〈SENSE OF HUMOUR〉 make-up: fusako 〈ota office〉 model: Sarah Brannon artwork: mimosa