「SDGs(Sustainable Development Goalsの略)」とは、2030年までに誰ひとり取りこぼさない持続可能な世界を実現するための17のゴールのこと。環境保全から、貧困や飢餓、ジェンダーギャップをなくそうというものまで、内容は多岐にわたっている。伊勢丹は社会貢献に長年取り組み、着実に成果をあげている企業のひとつ。ファッションラバーの私たちが考えるべき、"明日につながるショッピング"を伊勢丹で探した。本記事では、SPUR5月号の別冊タブロイドの中から、特に注目のアイテムをピックアップ!
ブラウス¥99,000・デニム¥77,000・バッグ¥93,000・靴¥89,000(3月下旬入荷予定)/伊勢丹新宿店 本館3 階=インターナショナルデザイナーズ イースト(ステラ マッカートニー)
ステラ マッカートニーは設立当初からサステイナブルを追求するブランド。2020年のサマーコレクションは、ウェアの75%以上に環境に配慮したエコフレンドリーな素材を使用。シルクのブラウスとオーガニックコットンのデニムでショッピングへ!
伊勢丹で買える、SDGsいいもの図鑑
魅力的な商品を手に取ったら、SDGsの視点でも優秀な逸品だった! そんな出合いがある名品が伊勢丹には揃っている。
(右上から時計回りに)クレーム デュ ジュール(30㎖)¥8,000・ブースター スーパーフード(15㎖)¥7,000・ブースタープロテクシオン(15㎖)¥6,000〈すべて3月25日発売〉/伊勢丹新宿店 メンズ館1階=コスメティクス(アブソリュション)
【アブソリュションのブースターとクリーム】
パリで誕生したオーガニックコスメブランド、アブソリュションが本格上陸。ユニセックスで使用できるというコンセプトのもと、パッケージデザインも洗練された佇まい。製品に巻きつけられた再生紙は接着剤を使わずスリットに差し込むだけ。さらにベジタブルインクで印刷と徹底したエコ意識を持っている。製品はエコサートによるオーガニック認証を得ている。
パンツ¥22,000/伊勢丹新宿店 本館3階=リ・スタイル(メゾン エウレカ)
【メゾン エウレカのヴィンテージミリタリーパンツ】
伊勢丹だけで手に入れられるスペシャルなアイテムがメゾン エウレカのリワークシリーズのカーゴパンツだ。モードラバーの間では、同シリーズのデニムタイプが人気だが、こちらはアメリカのヴィンテージミリタリーパンツを使用。ラップタイプにリデザインされており、着たときの洗練されたシルエットもポイントだ。
スニーカー¥22,000/伊勢丹新宿店 本館2階=婦人靴(グッド ニュース)
【グッド ニュースのリサイクルゴムソールスニーカー】
「世界にGOOD NEWSをもたらしたい」。その粋なコンセプトからも期待が膨らむロンドンのシューズブランドが上陸。アッパーはオーガニックコットンを使用、アウトソールはリサイクルゴムを配して、モードな厚底シルエットを描き出している。クッション性があり、履き心地もいいのでデイリーなワードローブにも溶け込んでくれる。伊勢丹新宿店限定モデルは、マカロンカラー×タイダイの旬なルックス。
SDGsは私たちの中に ──シュプール編集長 五十嵐真奈
ようやくたどり着いたパリのホテルで、はちきれそうな巨大なトランクふたつを運び込み、やれやれと何げなくつけたTVの画面に、彼女がいた。憤怒の表情、未来への絶望、そして欺瞞への非難。
昨年のパリコレはそうやって始まった。どこへ出かけても、彼女の話題になる。ショー会場でも、あの声が聞こえてくる気がした。服飾業界が、自分が、今まで環境にかけた負荷について、改めて考えた。彼女の怒りの矛先には自分自身が見えるようで、やるせない気持ちになりながらも、環境問題に取り組むデザイナーに微かな希望を見た。周知のとおり、持続可能性は近年の大潮流だ。施策はさまざまで、せめてもの罪滅ぼしに見えるものから、キャリアすべてを捧げるような熱量のものまで、あまりにも幅広い。翻って自分に置き換えると、できることが星の数ほどあった。彼女が叫ぶ環境問題から派生して、SDGsについてもっと深く考えるようになった。表層的にわかったつもりでいて、その奥深さに触れていなかったことを恥ずかしく思った。まず賞味期限の長いものから食品を選ぶのをやめた。ペットボトルを買うのをやめた。肉を食べない日をつくった。
いずれも人に言うのも憚られるような、ささやかな習慣である。それでも、豆粒をひとつひとつ積み上げるように習慣を増やしていくことで、こんなふうに考えるようになった。よりよい未来を探る道程は、自分を顧み、知る旅でもあるのだと。
10月、渋谷でオーガニックコットンを用いた生理ナプキンを配布する施策を行なった。女性のエンパワメントやジェンダー平等だけではなく、生理を通して、固定観念を乗り越えてあらゆる人々が自分と他者について知り、理解するきっかけが生まれることを願った。幸い、大きな反響をいただき、ほんの少し先に進めた気がした。
グレタ・トゥンベリの言葉は、今でも胸に痛い。あまりにも多岐にわたるSDGsとは同義で語れないこともわかっている。環境問題のみならず未来について、今こそ視座を高めなくては。少なくとも、そう考えるきっかけを彼女は与えてくれた。同時に、自分の中に課題を抱え込み、行動を起こさなくてはならないということも。
きっかけのかけらは、どこにでもある。伊勢丹でも、あちらこちらから顔をのぞかせている。かけらから発せられるメッセージに、耳を傾けることができるのなら。SDGsは、もう他人事ではなく、私たちの手のひらの中にあるのだと思う。
※伊勢丹新宿店、伊勢丹オンラインストアの営業状況に関しては、公式HPにてご確認ください。
SOURCE:SPUR 2020年5月号「SPUR×ISETAN SDGs JOURNAL」
photography: Wakaba Noda 〈TRON〉(model), Satoshi Yamaguchi (product) styling: Chiaki Furuta hair: SHOTARO 〈SENSE OF HUMOUR〉 make-up: Nao Yoshida model: Piper edit: Michino Ogura