「どうせ誰とも会わないし」なんて、スウェット上下で過ごすのはもったいない。実は家の中こそ、誰の目も気にせず自由におしゃれを楽しめる絶好のファッションスポット。スタイリストからバイヤーまで、プロたちの素敵すぎる部屋着を拝見!
山本マナさん(スタイリスト)
「今日はクローゼットを整理しよう! みたいに小さな計画を立てながら過ごしてます」。この生活を身近な幸せに気づく好機と山本さんは捉えている。「朝着替えたときに気分を上げるために黒より色を選ぶ、カラーマスカラを塗ってみるなど、装いは人に小さな元気を与えられるもの。今後はよりポジティブに受け止められる作品を作っていきたいと思うようになりました」
ツナギなら掃除も捗る
(左)「アーバンリサーチと作ったツナギは掃除のやる気アップにひと役買ってます」。ザ・ノース・フェイスの椅子は座り心地がよくベランダでも部屋でも愛用
近所へのよそ行きドレス
(中)岡山拠点のブランド、Pottoのリメイクドレス。「一枚で楽ちんなのに、ブーツを合わせればよそ行きになるので重宝しています」。現在一緒にケープを制作中
映画を観るならジャージをドレッシーに
(右)「『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』を思い出すジャージは、あえてフリルトップスと合わせてドレスアップして着たい」。家で映画を観る日に
Molly McAndrewさん(バイヤー)
ロンドンのバイヤー、モリー・マックアンドリューは、心までも浮き立つ、軽やかなスカートスタイルを披露してくれた。「毎日ハッピーでいるために、必ずどこかに大好きなコム デ ギャルソンを身につけるようにしているの! どんなときもファッションは、アイデンティティを自由に表現できる強力なツールだと思います」。信頼する“パートナー” のような服とともに、おうち時間を満喫する。
モノトーン×ネイビーで心穏やかに
(左)リラックスしたい日を想定。ブラウスとスカートはコム デ ギャルソン。重ねたネイビーのギャザートップスはトリコ・コム デ ギャルソン
買い出し時は、ロマンティックが加速
(中)「とことんおしゃれしてスーパーへ」。トリコ・コム デ ギャルソンのカットソーに、モリー ゴダードのチュールドレスと花柄のスカートを
スパンコールの輝きに元気をもらう
(右)部屋でいつも以上に気分を上げたいときには、トリコ・コム デ ギャルソンのジャケットにコム デ ギャルソンのスカートを
ジア・クアンさん(ファッションコンサルタント)
テルファーなどNYのイットブランドのコンサルタントを務めるジア。#stayhome中も多くの打ち合わせをオンラインでこなしている。「一番大切にしているのはワーク・ライフ・バランス。ついつい家でも仕事三昧になるので、この機会に10年ぶりにフルートを練習し始めました。趣味を充実させることが心地よく暮らす方法かな」
日曜日のドレスアップ
(左)日曜日のイースターのために選んだのは、レースが美しいヴァレンティノのリネンのセットアップ
オンラインミーティングの日
(中)モニター越しでも映えるシャツはシエス マルジャン。プラダのスカートを合わせて。「スリッパは水原希子さんがブランドをローンチするときにいただいたもの」
ストレッチパンツでリラックス
(右)フィアンセが手がけるギャラリーのTシャツに、Gauntlett Chengのパンツで、寛ぐ日もエッジを忘れずに
吉田佳世さん(スタイリスト)
観たかった映画をまとめて観たり、シフォンケーキやビスケットなどお菓子作りをしたり、「身の回りに愛情をかけたいと思えるように」と吉田さん。「家の中にいるとインテリアの写真集を眺めたり音楽を聴いたりと五感を喜ばせたくなる。そんなふうに誰かのセラピーになるような、世の中のためになる作品を作っていきたい」
屋上で子どもとひなたぼっこ
(左)「子どもと屋上で過ごすときは、日差しも強いのでShinonagumoのハットを」。師匠の酒井章子さんから受け継いだブラウスにヒリヤー バートリーのパンツを合わせた
カラフルブランケットでお仕事!
(中)FUMIKA_UCHIDAの春夏のオールインワン。ロンドンで買ったグラニーブランケットに包まれて仕事を
読書時間はブライトカラーを
(右)ヴィンテージブラウスにクロエのパンツ。「家で読書をするときも、気持ちが明るくなるような色を選びたい」
早川すみれさん(スタイリスト)
「大掃除をしたり、料理を丁寧に作ったり心身を清らかにする期間と決めました。純粋に好きなものをクリアにしていきたい」と早川さん。「家にいても自然を感じられるよう植物を増やしました。小さな庭にも、ハーブやゴーヤを育てるつもりです! ファッションもグリーンカラーや花柄を選ぶと、リラックスできます」
植物のメンテナンスデーにはツナギを
(左)ジャンプスーツはSuzie Winkle、キャミソールは祖母のおさがりを長年愛用している。ソフトな着心地がお気に入り
ハイテンションで料理をする日
(中)TOGAのベアワンピースにブルックリンのショップ、superior elevation recordsのオリジナルロングTシャツを重ねて。「鮮やかなネオンカラーは気分が上がります!」
友人とのオンライン通話に
(右)テキスタイル作家のHiroko Watanabeのトップスは“I wanna be like you”のメッセージプリントがアクセント
小嶋智子さん(スタイリスト)
衣食住を整えつつ、静かな時間を過ごしているという小嶋さん。「家ではずっと好きなヴィンテージを中心に、着心地がよく洗練されたデザインの服で。本や詩集を読んだり、リモートワークをしています。10年後も自分らしく過ごすために必要なことを考えながら、ファッションで夢を表現したいという思いもいっそう強くなりました」
ストレッチやリラックスタイムに
(左)「MARY YOUNG(右)とBASERANGE(左)のランジェリーはリラックスタイムに着たいリピートアイテムです」
ソファで詩集や本を読むひととき
(中)1920年代のヴィンテージのセーラーカラーのトップスに1950年代のシルク素材のパンツを。「池波正太郎さんの『よい匂いのする一夜』を読み、小旅行気分に浸ります」
モードなドレスで仕事に集中
(右)ガブリエラ コール ガーメンツのニットドレスは、深いVネックがほどよくセンシュアル。気持ちも引き締まる一着
飯島朋子さん(スタイリスト)
ウォーキングで今まで気づかなかった街並みや路地を発見することを楽しんでいる飯島さん。「パーソナルトレーニングで習ったことを家でも実践しています」と活動的。「家の内外にかかわらず、服は人をポジティブにするサプリのようなもの。今後は誰かのためではなく自分のために装うという考え方がより大切になっていきそうですね」
寝るときは、ちゃんとパジャマ派
(左)TURNBULL&ASSERのカシミヤパジャマ。「これを着ると、一日の締めくくりを感じて、すぐ眠くなります(笑)」
ワークアウトは形から!
(右)家でのワークアウトでは外では履かないピンクのスニーカーを。「ハイパーボルトという筋肉をマッサージする機器も買いました」
家の中でも、いつものTシャツで
(左)古着のロックTにヘインズのTシャツの重ね着。「家でも普段と変わらないスタイルでいたいんです」。ワイドパンツはRAEY
ミニ財布と、さっと買い出しへ
(右)「ジルサンダーのスモッグシャツは、Tシャツにさっと羽織ればサマになるのでちょっとした外出に重宝」。バレンシアガの財布とともに
アルバ・ユルエラさん(フォトグラファー)
バルセロナ拠点のフォトグラファー、アルバ・ユルエラは、庭で撮影をしたり、植物と触れ合う毎日を過ごす。そのなかでインスピレーションがたくさん湧いてきたそう。「友達と会えなくても、花が咲く大好きな季節にゆったりと過ごすのは貴重な時間よ。ファッションは巨大なモンスターだけど、美しく繊細な側面に魅了され続けています。いつか服のデザインを手がけたいと思っているの」
オンラインパーティへGO!
(左)「クロップドトップスが大好きなの」。オーマイティのセンシュアルなキャミソールは艶やかな質感が画面上で映える。ボトムはヴィンテージ
庭に出るときこそ、おしゃれして
(中)お気に入りのハットは、大切な友人からのギフト。ビビッドなオレンジのトップス、フラワーモチーフのボトムはヴィンテージ
パジャマのまま自宅で作業
(右)淡いピンクのパジャマは、祖母の着ていたものを母から譲り受けたという。「ワークタイムも、ファミリーのぬくもりに癒やされたい」
SOURCE:SPUR 2020年7月号「ときめき部屋着SHOW どんな格好でステイケーション?」
text: Ayana Takeuchi(Molly, Alba)