外出自粛期間中に余分なものを減らし、自分にとって本当に必要な服とは?という問いに向き合った人も多いのでは。これは、偏愛する16着を毎日妥協なく着回す女性のポートレート。新世界のクローゼットは、強く、潔い。
新世界のエッセンシャル・ワードローブ 16 着
1 メキパのプルオーバーコート
2 ベースレンジのニットオールインワン
3 パトゥのブラウス
4 OAMCのキルティングパンツ
5 ジル サンダーのサテンスカート
6 ジル サンダーのサテンシャツ
7 ヴィンテージのパニエ
8 ボッテガ・ヴェネタのダウンコート
9 エルメスのオールインワン
10 ジル サンダーのジャージトップス
11 シャネルのジャンプスーツ
12 ヴィンテージのレーススカート
13 グッチのロングベスト
14 セシリー バンセンのドレス
15 ディオールのビスチェ
16 ディオールのパンツ
スタイリスト・小嶋智子が提言 「エッセンシャル・ルール5カ条」 ☑「使えるもの」より「偏愛もの」を
着回せるかどうか、ではなく、自分が一生着たいかどうかで選ぶこと
☑「アノニマス」な服を選ぶ
トレンドものや、シーズンを象徴するものではなく匿名性の高い服を
☑ シビアに引き算、繊細に足し算
レイヤーは引き算の気持ちを忘れず、繊細に重ねていくこと
☑ カラーパレットは自然界から
カラーリングは、自然にある色を意識して選ぶと失敗なし
☑ センシュアリティをひとさじ
ほどよいセンシュアルさは、スタイリングの抜け感になる
「強い服」を体になじませる
まばゆく輝くジャンプスーツ(11)が主役の日。インにたまご色のジャージトップス(10)を差せばマイルドな印象に。 首元にニットスヌードを足してドレスダウン。
ニュー・ノーマルなレイヤー
黒いビスチェ(15)にパニエ(7)、レザー風タイツというフェティッシュな着こなしにジャージトップス(10)を入れることで、新しくもあり、ほどよく肩の力が抜けたスタイルが完成。
フリルブラウスは甘く着ない
前立てにかぎ針編みレースをあしらった丸襟のブラウス(3)。側章入りパンツ(16)を合わせてお利口に、と思いきやそこにフリンジブラトップとドクターマーチンのブーツを合わせて可愛い反逆精神を薫らせる。
セットアップにドレスを挟む
ディオールのビスチェ(15)とパンツ(16)のセットアップは、そのまま着ても絶品だが、気分を変えたい日にはインに正反対のムードのスモックドレス(14)をまとってみる。シュガートーンの生地から透ける肌がセンシュアル。
ロングベストの新たな着方
キャラメルブラウンのかっちりとしたロングベスト(13)を際立たせるべく、インのブラウス(3)とレーススカート(12)は白からオフホワイトのトーンで統一。同じかぎ針編みで質感も韻を踏む。ヘルメットや網タイツなど、小物使いで心地よい違和感を足して。
「ちょっとそこまで」もスペシャルに
きらびやかなジャンプスーツ(11)を、ワンマイルのお出かけ着としてまとう日。フーディのプルオーバーコート(1)をさっと被り、ミニバッグだけ持ってエフォートレスに。
ブラウンはニュー・ブラック
上質なレザーのオールインワン(9)に、同じくブラウンのキルティングパンツ(4)を重ねばきして質感に奥行きを出す。ロングベスト(13)をショールのように羽織ってカラーのアクセントを。ブラウンを制する者は新時代を制す。
新ユニフォームはオールインワン
360度完璧なシルエットを生み出すなめらかなレザーのオールインワン(9)。毎日でもまといたい着心地のよさだ。ニットオールインワン(2)を仕込み、サイドや裾からちらりと見せる。ボディスーツのグリーンとニットのピンクの色合わせがアクセントに。ハットでドラマチックに仕上げて。
夢見心地のダウンスタイル
防寒着としてではなく、ドレスアップとしてダウンをまとう提案。サテンのシャツ(6)とスカート(5)に、かぎ針編みレーススカート(12)を重ねて粉雪が降り積もったような質感をプラス。そこに同じくホワイトのダウンコート(8)をまとえば、ドリーミーなスタイリングが完成。
SOURCE:SPUR 2020年10月号「大好きな16着と生きていく」
photography: Kiyoe Ozawa styling: Tomoko Kojima hair: Keiko Tada 〈mod’s hair〉 make-up: UDA 〈mekashi project〉 model: Rina Ohta