テレワークが浸透し、モニターに映る自分と背景をどうクリエイトするかで個性を語る時代が到来。室内を整えるのもいいけれど、シーンごとに着こなしのムードやマインドと、バーチャル背景をマッチさせるのが新時代のファッション・ファンダムな楽しみ方。デジタルと現実が交差する世界で、新しい私の可能性が広がる。
SCENE 1:生け花レッスン
おうち時間が増え、室内に飾る花を素敵にアレンジしたい。ならばオンラインの生け花レッスンに参加しよう。砂漠の背景で心を無にし、漆黒の直立した襟のコートに身を包み、ストイックに華道と向き合ってみる。
SCENE 2:バーチャル旅行
オンラインなら、時代も時空も超えて、好きな場所へ移動可能。シャボつきのブラウスにジャンパースカートを合わせたクラシカルな佇まいで、さあ、どこに行く? 想像の翼が向かうのは、中世ヨーロッパから宇宙まで。
SCENE 3:ディナー
遠くに住むあの人とオンラインで食事。バロック様式の建築と自室が融合したかのような背景をセット。貴族のようなケープを羽織り、チェックとパイソンの柄をミックスして、モダンにまとめる。
SCENE 4:ミーティング
令和のパワーウーマンが参上。リタ・アッカーマンによるアートワークが印象的なクロエのブラウスに袖を通せば、大切なプレゼンの日でも自信をもって発言できる。耳もとには、しずくのようなピアスを飾って。自室の中からイメージを広げて、トップスに描かれた神秘的な少女たちが潜んでいそうな森に、都会のビルがコラージュされた背景を。右端には、ミーティングトピックをのせて、参加者にシェアするユーモアをひとさじ。
SCENE 5:カラオケ大会
友人がオンラインで集うカラオケ大会のドレスコードは、「ステージ衣装」。袖にボリュームのあるトップに、ラッフルが印象的なフレアボトムをチョイス。いつか観客にダイブしてみたいという願望を背景に込めて。70年代のディーバ気分で、いざオン・ステージ!
SCENE 6:DJの生配信パーティ
自宅からDJパーティに参加するなら、攻めた装いだって挑戦できる。ボディスーツに、フロントが大胆なV字にカットされたボトムを選んで。ハイエナジーなテクノの後に、かかるのはチルなアンビエント。自然を感じさせる背景でリラックスして。
SOURCE:SPUR 2020年11月号「バーチャル シュルレアリスト宣言」
photography: Wakaba Noda 〈TRON〉 styling: Kanako Sugiura hair: Kazuhiro Naka 〈KiKi inc.〉 make-up: DAKUZAKU 〈TRON〉 artwork: my ceramics(FF) model: Nina S cooperation: Aflo text & edit: Ayana Takeuchi