2020.12.12

ひと刷毛に祈りをこめて 絵筆がわたしの拡声器

女性を描くことで、エンパワメントする画家。世界に向けた怒りと祈りを、ワンストロークにこめる。彼女は反骨精神を持ちながらも、日々楽しむことを忘れない。そんなペインターの装いとライフスタイルを切り取った。

体を賛美するドレス

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ベルベットのドレス¥380,000/サンローラン クライアントサービス(サンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ) スカーフ¥18,000/コロネット(フォルテ フォルテ) ピアス¥54,000/リトー(スウェード)

女性の体の曲線美を讃えるベルベットドレスは、パワフルなショルダーラインときゅっと締まったウエストが特徴。胸元をフリルが華やかに飾る。ターコイズブルーのスカーフを巻いて一筆に入魂して。

アトリエへ

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ブラウス¥550,000(予定価格・一部デザイン変更あり)/ミュウミュウ クライアントサービス(ミュウミュウ) パンツ¥119,000/コロネット(ランバン) バッグ¥20,000/ジャンティーク

赤いバラをちりばめたスモック・ブラウスはレースの丸襟でとことん甘く。ミント色のセンタープレスパンツを合わせて爽やかに着こなした。ヴィンテージバッグを下げてペダルを漕ぎながら、肌で風を感じる朝。

習作を重ねて

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ブラウス¥72,000/アダム エ ロペ(ヴェロニク ルロワ) ニットベスト¥18,000/TORO パンツ¥200,000/エトロ ジャパン(エトロ) エプロン¥24,500/マインドベンダーズ&クラシックス メガネ¥37,000/白山眼鏡店 WALLS(白山眼鏡店) 靴¥64,800/エドストローム オフィス(ルメール) クッション(右の手形)¥99,000、同(モデル背中)¥67,200、同(左)¥71,600(すべて参考価格)/Diptrics(ウィーナー タイムス) 花器(手前の台上の白)¥175,000、同(床の上の白)¥72,000(シモーン ボドマーターナー)、同(手前の台上の黒)¥20,000(シホ ハヤシ)/エスケーパーズオンライン

女性を描いたいくつもの作品に囲まれて、静かに熟考する時間。ラッフルカラーが特徴のブラウスに、ベストやマスタード・イエローのカウハイドパンツを重ねて、秋を感じる装いに。毎日着ることでいい味が出るリネンのエプロンは、1930年代のもの。両足を通すストラップがつき、快適に動くことができる。

画家の肖像

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ドレス¥430,000/ヴァレンティノ インフォメーションデスク(ヴァレンティノ) 帽子¥10,000/キジマ タカユキ

写真家・イネス&ヴィノードが撮影した花の写真を転写したドレスは、なめらかなシルクの質感が官能的。花の色を引用して顔にもペイントを施し、ベレー帽をかぶればシネマティックなセルフ・ポートレートに。

新たなかたちを思案

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ドレス¥320,000、ブラウス¥230,000、メッシュ地のタイ¥49,000/クリスチャン ディオール(ディオール) ソックス¥6,000/コロネット(キュール)

次の作品に向けて、風変わりなポーズを探求。ブロックチェックのミニドレスにはメッシュブラウスを仕込み、グッドガールスタイルをセンシュアルに裏切る。スポーツソックスのラインが軽快な遊び心をプラス。

自然の声を聴く

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ストール¥66,000/メゾン マルジェラトウキョウ(メゾン マルジェラ) シャツ¥138,000、靴¥110,000/イザ(ニナ リッチ) パンツ¥117,000、帽子(メンズ)¥73,000/ドリス ヴァン ノッテン

庭に分け入り、鳥のさえずりに耳を傾ける。ハワイアンプリントをのせたベルベットパンツが、植物に呼応する。メンズライクなシャツに、ベストのサイドを開いたようなストールやトラッパーハットを加えて、ひと筋縄ではいかないスタイルを構築。

あらゆる人が行き交う公園で

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アトリエにこもって黙々と描くだけではなく、ストリートに出てライブペイント。見る人に訴えかけるのが彼女のスタイルだ。そこで表現するのは、あらゆる色に彩られた、さまざまなボディラインの女性たち。

[右から・シャラ]多様なモチーフをパッチワークしたニットドレスに、バケットハットでストリートの風味を。
ドレス¥550,000/エトロ ジャパン(エトロ) 帽子¥12,000/キジマ タカユキ 靴¥25,000/MATT.(grounds) 

[イライジャ]あえて縫い目を表に出したようなデザインのパッチワークカーディガンにペイントデニムを合わせアーティなスタイルに。
レディースのカーディガン¥265,000/マルニ 表参道(マルニ) カットソー¥1,800/アートン(ギルダン) デニム¥38,000/オーラリー 靴¥11,000/NIKE カスタマーサービス(NIKE SB)

[中央から・トア]スケボーの世界ベスト8を目指して練習に勤しむ少年。
スウェット¥25,000/スキーショップボーゲン(ボーゲン) パンツ¥8,000/ジャンティーク その他すべて/スタイリスト私物

[ケイト]異素材をコンバインしたオーバーオールに、ストライプシャツをオン。赤のシャツドレスをローブのように羽織って、パワフルに。
ドレス¥225,000/ジルサンダージャパン(ジル サンダーバイ ルーシー アンド ルーク・メイヤー) 中に着たシャツ(メンズ)¥52,000/コロネット(ランバン)オーバーオール¥15,000/ジャンティーク ブーツ¥88,000/チャーチ 表参道店(チャーチ)

[インゲ]クロッケ・ジャカードスカートに、鮮やかなシアリングコートを重ねて。
コート¥1,230,000(参考価格)/マーク ジェイコブス カスタマーセンター(マーク ジェイコブス) スカート¥67,000/ビオトープ(メリル ロッゲ) ローファー¥67,000/エドストローム オフィス(アデュー) バッグ/スタイリスト私物

 

SOURCE:SPUR 2021年1月号「絵筆がわたしの拡声器」
photography: Hiroko Matsubara styling: Kayo Yoshida hair & make-up & paint(1枚目): Shinya Kawamura〈mod’s hair〉 paint(3,7枚目): memoram model: Keito, Sharar Lazima, Elijah Aquil, Toa Kanazawa, Inge M cooperation: Keio Floral Garden Ange, PROPS NOW, EASE, AWABEES

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