ガンバレルーヤ よしこの新展開「彼女はピンク・タイフーン」

桜の開花を待たずとも、渡る風にはどこか春の匂い。ピンクに染まる季節を先取りして、この色を今誰よりも愛する彼女が、最大風速で駆け抜ける! 周囲を巻き込むハッピーな風を体感しよう。

ガンバレルーヤ よしこの新展開「彼女はピの画像_1
ドレス¥88,000/ナツミ オオサワ

軽々とY字バランスのポーズをとる彼女は、さながら満開のソメイヨシノのよう。気鋭のデザイナーが手がける一着は、フリルをたっぷりとあしらったロマンティックさの中に、スーパーロングな袖でモダニティを表現。「たとえるならコンテンポラリーダンス、お人形になったような感覚です」とよしこさん。

ガンバレルーヤ よしこの新展開「彼女はピの画像_2
ボウタイつきワンピース¥50,000/アンダーカバー(スーアンダーカバー)

「着た瞬間、踊りたくなりました。隅から隅まで可愛い!」と絶賛するマキシワンピースは、アシンメトリーな裾とピーチスキンのシルク素材が、体の動きに合わせて美しいシルエットを次々と描き出す。落ち着いたコーラル系の発色もまた、彼女の新たな一面を引き出している。

ガンバレルーヤ よしこの新展開「彼女はピの画像_3
オールインワン¥39,000、コート¥32,000/グラストンベリー ショールーム(ヤーモ) サンダル¥186,000/ロジェ・ヴィヴィエ・ジャパン(ロジェ ヴィヴィエ) ネックレス¥42,000/プティローブノアー

スウィートなシュガーピンクのつなぎに、それよりやや青みの強いピンクのラボコートをレイヤード。足もとにはビジューが輝くスリッポンを。色の持つ甘さがかなえた、新しい盛装が完成。「畑仕事のロケでつなぎを着たことはありますが、おしゃれのために着るのは初めての体験です!」

憧れのおばあちゃんが、私のピンク愛のルーツです

ガンバレルーヤ よしこの新展開「彼女はピの画像_4
フーディ¥34,000/エイトン青山(エイトン) インナーつきチュールパンツ¥27,000/ポト ソックス¥2,600/キワンダキワンダ(キワンダ) スニーカー¥31,000/メゾン ミハラヤスヒロ イヤリング¥12,000/プティローブノアー

 いきなりY字バランスや180度脚を披露したかと思うと、「ジャンプしてみてください」というフォトグラファーのリクエストには、あの満面の笑みで何十回でも飛び跳ね続ける。今月号のテーマ「風」でたとえるならば、まさに「台風」! 勢いよく周囲を巻き込むハッピーな求心力は、彼女のテーマカラーであるピンクという色の魅力に、そのままつながる。

「ピンクを選んだ理由は諸説ありますが(笑)、一番有力なのはあるおばあちゃんとの出会い。高校卒業後3年間、地元のデイサービスで働いていたんですが、毎日ピンクを着てるヤスシロさんっておばあちゃんがいて。それもおとなしいピンクじゃなくて、ショッキングピンクのTシャツに花柄のスパッツとか、とにかく華やか。ある日理由を聞いたら、『ピンクをまとうとパーッと明るくなるでしょう? だから着るの』。たしかにおばあちゃんはいつも笑顔で明るくて、彼女の周りも笑いが絶えなかった。ああいいな、私もヤスシロさんみたいになりたいと思って、ピンクを着るようになったんです」

 人生の先輩に教わった色彩の効用。それ以前は、よしこさんにとってピンクはどんな存在だ「私、もともと本当に恥ずかしがりやで、人前でしゃべるのもみんなに見られるのもめちゃくちゃ苦手だったんです。だから、ピンク色の服の子を見て『可愛いなぁ』とは思っても、目立つのがとにかく嫌だから、自分では着られなかった。お母さんは着せたがっていましたけどね。でもその一方で、(明石家)さんまさんみたいに、恥ずかしがりやとは無縁の、常に前に前に出る人に、ずーっと憧れる気持ちがあって。ピンクのヤスシロおばあちゃんとさんまさん、このふたりが今の私のルーツであり、目標の人なんです」

 介護福祉士の仕事を辞めて上京し、約10年。恥ずかしがりやだった女の子は、破壊力のあるキレ芸と人の好さが同居する無二のキャラクターとして、バラエティ番組にひっぱりだこの人気芸人になった。相方のまひるさんは黄色、そしてよしこさんはピンク。今は毎日、「衣装」としてその色を着る。

「自分にとっては“正装”というか、仕事スイッチが入る色です。めちゃくちゃウケた日は『ピンク大好き!』って思うけど、めちゃくちゃスベった日はもう、見たくもない(笑)。でも、次の現場に向かわせてくれるのもやっぱりピンクなんです。だから、プライベートではほとんど着ません。ロン毛でピンクだと周りの人にバレやすいってのもありますが(笑)」

 笑いながらそう答える彼女に、最後にこの春挑戦したいことを聞くと――。

「車を持ちたいです。地元で働いていたときは、自分の車でいろんなところに行っていました。そのときの“いつでもどこかに行ける”ワクワクした気持ちをもう一度味わいたい。以前ロケで訪れた軽井沢もすごくよかったし、コストコで買い物もいいですね。今すぐは難しいけれど、大人数でワイワイ出かけたいから、ハイエースがいいな。バック駐車が難しそうですけど。色はピンクだとまんま『ラブワゴン』になっちゃうんで(笑)、普通に白を選ぶと思います」

Profile
よしこ●1990年、愛知県生まれ。2012年に相方・まひるとガンバレルーヤを結成。「お笑い第7世代」のひとりとして人気を得る。「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ系)など、多くのバラエティ番組で活躍中。

 

SPECIAL MOVIE

SOURCE:SPUR 2021年4月号「ガンバレルーヤ よしこの新展開 彼女はピンク・タイフーン」
model: Yoshiko〈Ganbareruya〉 photography: Osamu Yokonami styling: Mana Yamamoto hair: Keiko Tada〈mod’s hair〉 make-up: KIE KIYOHARA〈beauty direction〉

FEATURE