ランジェリー的なアイテムを「見せる」着こなしは、一見難しいけれど、合わせる服次第でスタイリッシュに。スタイリスト山王丸久美子さんとモデルのKEITOさんの対談を通して、最適解を導き出し伝授する。
これ見よがしにならない大人のための攻略法
山王丸久美子(以下S) 若い女性たちは街でスポーツブラを着るのが普通になっているよね。
KEITO(以下K) そうですね。でも肌見せのバランスが難しい。
S そんなときは、ビッグサイズの羽織り物を重ねてみて。露出するのは、デコルテとウエストだけにしてヒールを合わせると洗練された大人の着こなしになります。
K シースルーのシャツは、いろいろ使えそうですね。
S 透け感のあるトップスは、一枚あるとかなり便利! 同系色でまとめるのがおすすめ。一枚の服として見立て、ブラやキャミをなじませます。
K “頑張った感”がなくて、素敵。普段はロマンティックな服が好きなので、ブルーのフリルブラウスとの合わせ(1)はどんぴしゃでした。胸にボリュームがあっても、地厚なニットキャミなら安心。
S ブラトップやキャミの素材に気を配るのも大切。ヌーディなトップスに合わせた(2)は水着です。ベージュ系は肌なじみがよい反面、のぺっとした印象になりやすいから、異素材を投入して。
K ぴったりとしたトップスを着るときはどうしたらいいですか?
S 肌の密着度が高いバンドゥタイプのブラを仕込むのはどうかな(3)。ボトムは重くしてアンバランスな装いに。“下着感”がなくなります。
K やっぱり、ボトム選びは運命を分けますよね?
S そう。“お色気ムンムン”にならないようにコントロールするには、まずメンズアイテムを手に取ってみて。スウェットパンツやメンズのジーンズがあると一瞬でムードを転換できます(4・5)。
K 抜け感のあるものとのミックスが大事なんですね。
S そう。下着感が気になるときには、どこかに“頑張りポイント”のある服を取り入れるのも有効です。(6)のカーキとベージュのブラを重ねた着こなしには、レザーのキュロットを合わせて、モードなスパイスをひとさじ。チルデンニットを肩掛けすれば、上半身の露出度も軽減できます。
K センシュアルさとは真逆なイメージのアイテムとの組み合わせ技もいいですね。ランジェリー色が強いものには、どう立ち向かったらいいのでしょう?
S (7)では、フェティッシュなブラの上にシースルーのキャミを着て、お腹まわりの露出を弱めているので、ジャストウエストでも、セクシーすぎない。足もとはスニーカーのほか、コンバットブーツで武骨さを足すのもいいね。
PROFILE
山王丸 久美子
2014年に独立。モードとストリートの感覚を自由自在にミックスし、エレガントなスタイルに仕上げる手腕が評判。
ケイト
モデル。デンマーク人の父と日本人の母を持つ。ロマンティックかつゴシックな世界観のファッションに夢中。
SOURCE:SPUR 2021年8月号「大人のアンダーウェア転換術『見せるが勝ちなブラ&キャミ』」
model: KEITO styling: Kumiko Sannomaru 〈KiKi inc.〉 photography: Reiko Touyama 〈Lesen〉 hair: Waka Adachi make-up: Mai Kodama 〈SIGNO〉 text & edit: Ayana Takeuchi










