車輪つきバーで駆ける
店主、ミアの行先に制限はない。あなたの住む街角でも、ふいに彼女に出くわすかもしれない。今日はマリンな空気漂うシルクウールのミニドレスをまとい、ニーハイブーツでミニマルに。休憩中にぼんやり浮かぶのは、家に帰ったら、自分のためだけにとっておきのナチュールワインを開けようということ。
Alexandre Jouveaux VdT Blanc Le Mont
アレクサンドル・ジュヴォー ル・モン[2014]
生産者のアレクサンドル・ジュヴォー氏はもともと大学で美術を専攻しており、アトリエを運営したのち農学校に入り直し2001年からワイン作りをスタート。ナチュール愛好者にファンが多く、特にこちらは市場に出た途端次々と完売してしまう。柑橘を思わせる風味に、ほのかに鉱物的な香りが溶け合う。ビオ初心者にもおすすめな、透明感のある飲み口。
(750㎖)¥7,920/円山屋今村昇平商店
風に吹かれてモヒートで乾杯
屋上で店を開いたら、仲のよいカップルが来店。クラフトラムのモヒートをサーブし、3人で初夏の風に当たる。
(右・IO)ナースのユニフォームを彷彿とさせるエプロン。フロントの大きなポケットディテールがポイントだ。
シャツ¥99,000・中に着たポロシャツ¥72,600・ニットスカーフ¥48,400・エプロン¥117,700・ソックス¥16,500・スニーカー¥79,200
(中・ハリー)ボーダレスに着こなせるオーバーサイズシャツは、ベストを重ねているかのような一体型のデザインがユニーク。
シャツ¥163,900・パンツ¥170,500・スニーカー¥73,700/マルジェラ ジャパン クライアントサービス(メゾン マルジェラ)
(左・ミア)ピンクのプリーツドレスを身にまとい、重厚感ある足もとでドレスダウン。オフショルダーがこの季節にぴったり。
ドレス¥737,000・ブーツ¥126,500・チェーンブレスレット¥44,000・シルバーブレスレット¥75,900/グッチ ジャパン(グッチ)
Bougainville Craft Rum Lemongrass
ブーガンビル クラフトラム レモングラス
ブーガンビルは2010年にローンチしたクラフト蒸溜酒のブランド。モーリシャス島で生産された糖蜜を2〜3週間、低温でじっくり発酵し、蒸溜するとクラフトホワイトラムが完成する。そこに天然のレモングラスエッセンスを加えたこちらは夏に最適なさわやかな風味。モヒートはもちろん、パイナップルジュースと割っても。
(700㎖)¥3,080/山本商店
壮大な草原で召しませ、オレンジワイン
草原で即席レストラン! 全員がドレスをまとい、イチジクやビーツを使ったごちそうに舌鼓を打つ。ミアが選んだオレンジワインは作り手の葡萄畑が眼前に広がるかのような味わい深さ。ススキを借景にグラスが空く速度も早くなる。
(右から・ボンボン)青空を映したようなドレスはウエストの上下にたっぷり寄せたギャザーでボリュームを演出。
ドレス¥375,100・スニーカー¥92,400・ペンダント¥71,500/ロエベ ジャパン クライアントサービス(ロエベ)
(アリス)1971年のスキャンダル・コレクションのエッセンスを感じる一着。シルクジョーゼットに、パープルやオレンジなどレトロな色合いの花をちりばめて。
ドレス¥453,600・イヤリング¥82,500/サンローラン クライアントサービス(サンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ)
(ミア)ワインをサーブしつつ自分も一緒に楽しむのが彼女の流儀。モノトーンのローズプリントのシャツドレスに、透け感のある花柄ドレスを重ねて涼しげなゴシックスタイルを構築。
シースルードレス¥262,350(ロバーツ ウッド)・ピアス¥117,975(シモーン ロシャ)/ドーバー ストリート マーケット ギンザ 中に着たシャツドレス¥61,600/アオイ(MSGM)
(キャサリン)襟と袖口にギピュールレースを施したクレープデシンのクラシカルな一着。2種類の小花柄をパネルで切り替えて使用。
ドレス¥412,500・ブーツ¥121,000(ともに予定価格)/セリーヌ ジャパン(セリーヌ バイ エディ・スリマン)
DOREMI WINE Chinebuli 2019
ドレミワイン チネブリ 2019
ジョージアにて3人の友人が2013年に設立したDOREMI WINE。伝統的な製法にならい、工業酵母や化学物質は、栽培工程はもちろん製造工程でもいっさい使っていない。白葡萄を皮ごと漬け込み、皮の色素がそのまま溶け出すオレンジワインの中でも、こちらのチネブリは白に近い色合い。個性的な味わいは、グルメな友人との食事会に最適だ。
(750㎖)¥3,300/ノンナアンドシディショップ
3人組で、海沿いのランチ
シーフードと微発泡ワイン片手に話も弾む。
(右・ボンボン)レモン色のドレスはスニーカー、レギンスと合わせてスポーツの要素を。
ドレス¥295,240/ドーバー ストリート マーケット ギンザ(モリー ゴダード) レギンス¥17,600/フィルグ ショールーム(シモーネ ワイルド) スニーカー¥19,440/リーボック アディダスお客様窓口(リーボック) ネックレス¥36,300・ピアス¥36,300/フィルグ ショールーム(ジー・ビンスキー)
(中・アリス)チェック柄ドレスは共布のハットで日差しをカバー。
ドレス¥35,035・帽子¥12,155(ともに参考価格)/GANNI ネックレス¥30,800/ショールーム セッション(モダン ウィーヴィング) グローブ¥10,780/フィルグ ショールーム(シモーネ ワイルド)
(左・キャサリン)オダミはナチュラルな中にひとクセあるデザインを特徴とするイタリアブランド。片サイドに絞りを加えたドレスに、ストライプのジャケットをオン。
ドレス¥53,900・ジャケット¥57,200/オカイユ(odami) ブーツ¥28,600/ドクターマーチン・エアウエア ジャパン(ドクターマーチン) サングラス¥38,500/CEMENT(MOY ATELIER)
Fattoria Al Fiore Lambruusca 2020
ファットリア・アル・フィオーレ ランブルスカ 2020
宮城県川崎町の農場で丹精を込めて作られた微発泡の赤ワイン。イタリアのランブルスコをイメージして作ったことと、生食用の葡萄、ヴィティス・ラブルスカ種を用いていることから、ランブルスカという名前がつけられた。熟したベリーを思わせる香りにどこかスパイスやハーブの風味も。
(750㎖)¥3,300/Fika
感傷に浸りながらシャンパンを
夕刻の開店直後、映画帰りの紳士が来店。最高級のサラミをさかなにモエを流し込めば、シネマトークに花が咲く。
(右・ミア)手仕事に焦点を当てた今季のジルサンダー。ブラックレザーとクリーム色のレザーを編み込み、幾何学模様のレースを表現した。
レザードレス¥903,100/ジルサンダージャパン(ジル サンダー バイ ルーシー アンド ルーク・メイヤー)
(左・ハーブ)グレーのジャケットをベースに、シャツのピンクとキャップのオレンジできれいなカラーをきかせた。
シャツ¥77,000(参考価格)/Diptrics(MAGLIANO) ジャケット¥97,000/スクワット/ルメール(ルメール) キャップ¥8,250/メイデンズ ショップ ウィメン(YOUNG&OLSEN)
MOËT & CHANDON MOËT IMPÉRIAL
モエ・エ・シャンドン モエ アンぺリアル
1743年の創業以来、世界中の人々に愛される言わずと知れたブランド。シャンパーニュ地方で採れる上質な葡萄を用いて作られたこちらは、モエ・エ・シャンドンを代表する辛口のシャンパン。みずみずしい果実味は前菜からメインまであらゆる食事にマッチする。
(750㎖)¥7,150/MHD モエ ヘネシー ディアジオ
SOURCE:SPUR 2021年8月号「ドレスを着て街へ、草原へ、海へ どこでもバーの女」
photography: Syuya Aoki 〈W〉 styling: Kayo Yoshida (fashion, drink),Sakurako Nibe (food) set design: Morii Bijutsu (bar) hair: Mr.Tomik make-up: fusako 〈ota office〉 model: Mia Kitora, IO, Harry, Bonbon, Alice, Catherine, Herve