アポロ11号が人類初の月面着陸に成功した1969年。宇宙や近未来への憧れはファッションへも広がり、数々の新しい文化が花開いた。まだ見ぬ世界への希望をもたらした”スペース・エイジ”を2022年に再解釈するとしたら? フューチャリスティックな装いに身を包み、無限の彼方へ出発しよう。
心と体をやさしく包む、新時代の宇宙服
パフィなサーキュラースリーブコートをまとう、ひとりの女性がスペースシップから降り立った。キルティングと、明るく弾けるようなアクリルカラーを用いたファブリックを組み合わせた一着。波線と直線で構築された幾何学的なフォルムが、冒険心を鼓舞する。未知なる星への期待を込めて、宇宙旅行に出かけよう。
宇宙船の外の世界は、未来のユニフォームで
きらめくハトメとスタッズをあしらい、エッジをきかせたロングジレを着て新しい星を探索。肌を守ってくれる淡いベージュのスキンタイトトップスをインに合わせて。ピュアホワイトのパイロットハットを被り、一歩ずつ前に踏み出そう。
宙で瞬く星とともにスペース・エイジは進化
夜空で輝く星を彷彿とさせるスパンコールを組み合わせたワンピース。かつて一世を風靡した60年代のスペース・エイジを牽引した、パコ ラバンヌへのリスペクトを込めて。
色の力がエナジャイズする、宇宙船でのひととき
新星の調査の合間にパートナー同士、宇宙船で休憩を。好奇心をさらに盛り上げる色をまとって作戦会議。
(右)ライムイエローのセットアップには、ケープと一体型になったトレンチコートを羽織って。
(左)シェブロンキルティングのジャンプスーツは乙女心をくすぐるピンク。星の光を敷き詰めたようなグリッターをあしらったブーツが足もとを彩る。
無重力空間を縦横無尽に駆け抜ける!
未来への希望を胸に、出発した宇宙旅行。未知なる世界への不安を払拭するのは、体をすっぽりと覆うジャカードニットのボディスーツ。心を躍らせるビビッドなブルーのグローブや、エコファーのハットを合わせ、ストイックな装いにもユーモアをひとさじ。
スペースシップでも、思いきり装う気持ちを胸に
惑星探査の合間にひと呼吸。スペースシップを舞台にクルーと一緒にドレスアップも楽しみたい。
(右)3Dコンピューターニッティングで服づくりを提案するCFCLのプルオーバーをイン。
(左)幾重にもかさねたコードがターコイズブルーのドレスを彩る。どこか愛らしい未知の生物を思わせ、細部にも遊び心を添えて。
太陽系の果てを見据え、夢を膨らませて
思いのままに銀河を駆け巡り、希望に胸を躍らせながら、たどり着いた新天地。風になびくのは、メゾンのイニシャルを象った"Vモチーフ"をグラフィカルに配したケープだ。新たに解釈したロゴが現代的な空気を加速させる。内には大胆なカッティングを施した、メッシュのインナーを重ねて。それぞれの幾何学模様が共鳴する、モダンなスタイルが完成する。60年代のレトロなムードを彷彿とさせる遊び心あふれるサングラスを相棒に、ミッションクリアを狙いたい。
数億光年先の星に想いを馳せ、続ける宇宙旅
満天の星々のように光を放つ装いで、次の惑星を目指そう。星雲を想起させる幻想的な色づかいのモヘアセットアップ。
流星群を思わせるラメ糸をあしらったトップスを。
SOURCE:SPUR 2022年1月号「スペース・エイジ2O22」
photography: Bungo Tsuchiya〈TRON〉 styling: Kayo Yoshida hair: Yusuke Morioka〈eight peace〉 make-up: Tamayo Yamamoto model: EFFY, NAMA.S cooperation: felica maebashi