2022.03.18

まだまだ続く、クラフト熱

フリンジや刺しゅう、染めなど、職人の手仕事による息吹を感じるクラフトワーク。土っぽさを感じるタッチが、昨年から引き続き流行中だ。時を経ることで増すアイテムの魅力を、陶芸作家の日常にのせて届ける

まだまだ続く、クラフト熱の画像_1
コート¥671,000・トップス¥319,000・スカート¥350,900・ネックレス¥77,000(参考価格)/クロエ カスタマーリレーションズ(クロエ)

アトリエでは白を着て精神統一

彼女にとっての創作活動とは瞑想することでもある。ろくろと向き合い、仕事のスイッチをオンに。"愛"がテーマとなったクロエの2022年春夏コレクションから、生成色のリネンのセットアップとコートに身を包む。今季から職人の手仕事で生み出される作品を拡大し、環境負荷が少ない服作りを目指すChloé Craftが発足。トップスにはハンドクラフトのレースリボンとアップサイクルのメタルパーツを施した。

まだまだ続く、クラフト熱の画像_2
ニットウェア¥1,373,900・デニムショーツ¥60,500・ブーツ¥511,500・帽子¥102,300/マルジェラ ジャパン クライアントサービス(メゾン マルジェラ) ラグ¥165,000/es quart(Blue Tip atelier)

フリータイムは裏庭でひと休み

メゾン マルジェラは今季、"ユートピアンユースの願望"を描いた。男女共通のコレクション「Co-Ed」のフィッシャーマンに着想を得たイエローのウェーダーブーツが印象的。オランダの伝統的なデルフト陶器の絵柄を手刺しゅうで表現した繊細なニットウェアは、アート作品のようにスペシャルな一着だ。オフモードは、デニムショーツをはいて穏やかな時間を思う存分満喫。

まだまだ続く、クラフト熱の画像_3

作品と対話し作り手に想いを馳せる

お気に入りを愛でるのは、アーティストにとって大切な時間。

(左・上)ジル サンダーのコンセプトは「都会から抜け出した生活」。アーシーな雰囲気漂うレザーのポインテッドシューズは、結び目のディテールから人の手の温かみが感じられる。
靴¥86,900/ジルサンダージャパン(ジル サンダー+ バイ ルーシー アンド ルーク・メイヤー)

(左・下)ホワイトシェルのピアスは星と月のモチーフが幻想的。スコットランドのジュエリーデザイナー、グレイン・モートンが一点一点手作りで製作する。
ピアス¥88,000/ロンハーマン(グレイン モートン)

(下)エクリュ色トップスに、スペインのブランド、Tiscar Espadasのデザイナーによるドローイングが描かれたつけ襟を合わせて。ジーンズはウィリアム・モリスの意匠がベースとなった紋様を、ヴィンテージのデニムにプリントしたクラフト・タッチな一本。
トップス¥112,200/THE WALL SHOWROOM(ジア スタジオ) ジーンズ¥46,750/High and Seek つけ襟¥39,600/KALMA(ティスカル・エスパダス) 右手につけた4連リング¥253,000/サザビーリーグ(スピネリ キルコリン)

(左下)漆塗りの技法、「乾漆」を用いたバッグはオーストリアのバッグブランド、サガン・ヴィエンナから。輪島の漆芸家、桐本滉平氏の協力のもと、印籠を着想源に、3Dプリンターで型を作成。伝統と最新技術の共演で粋な佇まいが生まれた。
バッグ¥135,300/サガン・ヴィエンナ

まだまだ続く、クラフト熱の画像_4

日常のなかで、私の瞳に映るもの

クラフトワークは、自然と同じように彼女の心を潤す。

(上)手仕事を賛美するコレクションを発表したトッズ。リネン混コットンのプリーツドレスの縁は、レザー製品に施すのと同じ手法で職人がていねいに白く染め上げた。
ドレス¥240,900/トッズ・ジャパン(トッズ)

(左上)ドワはフランス語で"指"を意味する日本のブランド。デッドストックや古いパーツを現行の素材と織り交ぜてコレクションを展開する。イエローのヴィンテージハットに、ミモザのようなパーツを装飾。帽子¥38,500/アリス デイジー ローズ(ドワ) 椅子¥495,000/es quart

(左中)ベルリンを拠点とするフランス人デザイナー、ルウ・ド・ベトリイが手がけたビーズのベスト。カオス、シュールレアリスム、ノスタルジア、デカダンスを着想源に、一点ものの作品を手がける。スワンやハートのモチーフがアイキャッチー。
ベスト¥148,500/GIGINA(Lou de Bètoly)

(左下)イタリアのブランド、コルヴィルからシグネチャーのストライプニットがポンチョになって登場。ピッチの異なるカラフルなストライプ柄は、メキシコの職人たちが手で織り上げたもの。ビーズネックレスやバングルを合わせて華やぎを添えて。
ポンチョ¥157,300・中に着たニット¥92,400/コロネット(コルヴィル) ニットパンツ¥34,100/THE WALL SHOWROOM(イロット) ネックレス¥45,100/エストネーション(エンラセ) バングル(上から)¥38,500・¥27,500・¥49,500/KALMA ピアス¥71,500/アンブッシュ® ワークショップ(アンブッシュ®)

SOURCE:SPUR 2022年4月号「まだまだ続く、クラフト熱」
photography: Yuji Watanabe 〈Perle〉 styling: Mayu Yauchi hair: Hirokazu Endo 〈ota office〉 make-up: Dash model: Emily Iredia edit: Kaeko Shabana special thanks: Yoshihisa Inoue〈Gallery Furaigama〉