「暮らし」を彩る服
世界のあらゆる場所から集った4人が、農業や漁業に勤しみ自給自足で暮らしている。装いでめいめいの個性を表現して。
[右から・マリアム]蛍光グリーンのプリーツドレスとトップスでグリーンの多重奏。
ドレス¥1,100,000/ヴァレンティノ インフォメーションデスク(ヴァレンティノ) 中に着たトップス¥134,200/エトロ ジャパン(エトロ) 靴¥81,400/クロエ カスタマーリレーションズ(クロエ) タイツ/スタイリスト私物
[ベベ]パターンミックスが彼女の持ち味。
ニットブラトップ(ショーツとセット)¥244,200/エトロ ジャパン(エトロ) 重ねたボーダートップス¥12,100/ラルフ ローレン(ポロ ラルフ ローレン) 下に着たニットドレス¥281,600/トッズ・ジャパン(トッズ) 靴¥59,400(参考価格)/アオイ(エムエスジーエム) タイツ/スタイリスト私物
[ウンサン]プレッピーなスタイルに、スカーフとロングパンツでボヘミアンな要素を。
シャツ(仕様変更あり)¥108,900・パンツ¥126,500 ・ベルト¥63,800(すべて予定価格)/ミュウミュウ クライアントサービス(ミュウミュウ) ニットスカーフ¥29,700/ディースクエアード/スタッフ インターナショナル ジャパン クライアントサービス(ディースクエアード) 中にはいたパンツ¥55,000/ジャンティーク 靴¥144,100(予定価格)/チャーチ クライアントサービス(チャーチ)
[タイガールル]上質なレザーコートのハズシは、アクセサリー代わりに腰に携えたバッグ。
コート¥1,569,700/クロエ カスタマーリレーションズ(クロエ) ウエストのカードケース(左)¥85,800・ミニバッグ(右)¥71,500・靴¥160,600/ザ・ロウ・ジャパン(ザ・ロウ) タイツ/スタイリスト私物
みずみずしい野菜の色と服が呼応する
自分たちで育てた採れたての野菜を抱えて。70年代のヒッピームーブメントを彷彿させるポジティブなスタイルがトレードマーク。
リブ地のベージュチューブトップ¥51,700/クロエ カスタマーリレーションズ(クロエ) 中に着た柄のジャンプスーツ¥88,000/エトロ ジャパン(エトロ) ベスト(スカートとバッグとセット)¥39,600・ネックレス¥29,700/HOOKED パンツ¥28,600/ジャンティーク タイツ/スタイリスト私物
ともに食卓を囲む喜び
折に触れて皆で集まり、パーティを。フレッシュな野菜や魚を使った料理にお酒も進む。
[右から・タイガールル]バラクラバと揃いのニットドレスでめかし込む。
ドレス¥455,400・バラクラバ¥57,200(参考価格)/リシュモン ジャパン(アライア) ベルト¥16,280/リヤド ヴィンテージ
[マリアム]スカーフを思わせるクラシカルなパターンの水着に、立体的なアコーディオンプリーツを施したコットンポプリンの巻きスカートをオン。
スイムボディスーツ¥90,200/エルメスジャポン(エルメス) スカート¥336,600(参考価格)/マルジェラ ジャパン クライアントサービス(エムエム6 メゾン マルジェラ) タイツ/スタイリスト私物
[ウンサン]コンパクトなレザージャケットとバイカラーのパンツでシンプルに。
レザージャケット¥297,000/マルジェラ ジャパン クライアントサービス(エムエム6 メゾン マルジェラ) パンツ¥539,000/ジルサンダージャパン(ジル サンダー バイ ルーシー アンド ルーク・メイヤー)
[ベベ]グラフィカルな柄とデニムスカートのウィアードなフリル使いに、遊び心を宿して。
トップス¥143,000/フェンディ ジャパン(フェンディ) デニムスカート¥187,000/ロエベ ジャパン クライアントサービス(ロエベ) ベルト¥42,900・靴¥42,900/ラルフ ローレン(ポロ ラルフ ローレン) ピアス¥30,800/リヤド ヴィンテージ タイツ/スタイリスト私物
手をかけて世話をする
牧場では、大切にヤギを育て、搾ったミルクをいただく。動物たちにストレスがかからないように、きちんとケアするのがここのルール。さまざまな布をパッチワークしたコットンキャンバス地のコートをドレスのようにまとい、足もとはドットタイツでアルルカンのような不可思議なムードを加えて。
コート¥199,100/マックスマーラ ジャパン(スポーツマックス) タイツ¥3,080/ぽこ・あ・ぽこ(エミリオ カバリーニ) 靴¥78,000/スクワット/ルメール(ルメール)
平和な日々に祈りを捧げて
コミューンでは時折「遊び」を取り入れる。それは祭りにも似た、日常の平穏を祈るもの。各々が思想の自由を保ちながらも共同作業で団結を深める。
[右から・ベベ]リボンを編んで縫い合わせたチェッカー柄のトップスにパッチワークパンツを合わせてクラフト感あるスタイルに。
トップス¥73,700/ヒラオインク(ナヌーシュカ) 首に巻いたビーズバンダナ¥80,000/スクワット/ルメール(ルメール) パンツ¥96,800/TORO 靴¥49,
500/Acne Studios Aoyama(Acne Studios)
[タイガールル]プッチのグラフィックにチェック柄を重ねてパターンミックス。
ボディスーツ¥75,900/エミリオ・プッチ ジャパン(エミリオ・プッチ) スカート¥79,200/3.1 フィリップ リム ジャパン(3.1 フィリップ リム) アームウェア¥59,400/マルジェラ ジャパン クライアントサービス(エムエム6 メゾン マルジェラ) 靴¥144,100(予定価格)/チャーチ クライアントサービス(チャーチ)
[ウンサン]レモンイエローのシルクトップスにフリルのネックウェアがロマンティックなタッチをプラス。
トップス¥148,500/ジルサンダージャパン(ジル サンダー バイ ルーシー アンド ルーク・メイヤー) パンツ¥103,400/マルニ ジャパン クライアントサービス(マルニ) ネックウェア¥83,600/マルジェラ ジャパン クライアントサービス(エムエム6 メゾン マルジェラ) 靴¥145,200/ザ・ロウ・ジャパン(ザ・ロウ)
[マリアム]ビジューが輝くゴールドパンツが主役。
ニットベスト¥66,000/ヴィヴィアン・ウエストウッド インフォメーション(ヴィヴィアン・ウエストウッド) ブラウス¥67,100/Acne Studios Aoyama(Acne Studios) パンツ¥715,000/ドルチェ&ガッバーナ ジャパン(ドルチェ&ガッバーナ) 靴¥78,000/スクワット/ルメール(ルメール)
火を眺め、歌う
焚き火を囲んで星を待とう。この地の夜はゆっくり更けていく。
[右から・ウンサン]アーガイル柄のモヘアカーディガンに、大胆なペイントを施したパンツ。相反するテイストでも、ブルーと白の配色で合わせてモダンに。首元のフリルネックウェアが甘やかなアクセント。
カーディガン¥178,200/マルニ ジャパン クライアントサービス(マルニ) パンツ¥42,900/THE WALL PR(シンヤコヅカ) ネックウェア¥83,600/マルジェラ ジャパン クライアントサービス(エムエム6 メゾン マルジェラ)
[ベベ]ブラッシングして起毛させた毛足の長いシルク地のスカーフを、ベアトップとして着用。メタリックグリーンの箔プリントを施したブラウスをスカートとして仕立て直した一着。かつてのスリーブは装飾に。
体に巻いたスカーフ¥38,500/ジルサンダージャパン(ジル サンダー バイ ルーシー アンド ルーク・メイヤー) 下に着たトップス¥40,700/エミリオ・プッチ ジャパン(エミリオ・プッチ) スカート¥134,200/マルジェラ ジャパン クライアントサービス(エムエム6 メゾン マルジェラ) ネックレス¥29,700/HOOKED
日常を色づける
些事を機械に任せず、必要なものを手で集め、足を使って運ぶ。当たり前に流れていく日常に、服は豊かな色彩を放ち、寄り添う。ドレスとスカートの色鮮やかな染み模様は、インドの伝統的なホーリー祭が着想源。色粉や色水が布に染み込んでいく様子をデジタルで表現し、コットン生地にプリントした。
ドレス¥125,400・スカート¥155,100/ドリス ヴァン ノッテン 中に着たボディスーツ¥75,900/エミリオ・プッチ ジャパン(エミリオ・プッチ) 長袖ドレス¥114,400/ディースクエアード/スタッフ インターナショナル ジャパン クライアントサービス(ディースクエアード) ピアス¥14,080/リヤド ヴィンテージ
実際に自給自足を目指し 共同体で暮らす人々
本特集で描いた、自給自足を営むコミューンの暮らし。実はすでに世界で実践している人々がいる。今回はその一例を紹介したい。
ポルトガルの北東部に、セロリコ・ダ・ベイラという土地がある。そこに暮らすイギリス人のシェランは、2020年にこの地へ移住し、4名からなる共同生活を始めた。
「ポルトガルの田舎は高齢化が進んでおり、放置された畑を含む広大な土地が非常に安価に売り出されています。また農業に適した温暖な気候で、治安もいい。住みやすい場所としてヨーロッパ各国から人が移住してきているのです。共同生活については、2020年10月にここに土地を持つオーナーの女性が、農業と畜産のボランティアを募っていて、そこにパートナーと参加したのがきっかけでした。もう一人の男性がプロジェクトに加わって、一緒にゆるやかな自給自足を目指す生活を始めることにしたのです。私は、オンライン英会話の教師として生計を立てながら暮らしています」
現在はここで、4人で協力しながら農業を営んでいる。
「育てているのはキャベツ、ブロッコリー、玉ねぎ、グリーンピース、ニンニクや花など。今年はもっといろんな食物を育てたい。ニワトリとダック、ヤギ(写真左)も飼っています。卵をとったり、ヤギのミルクを搾って食事に使っています。クリスマスにはダックをいただきました」
32ヘクタールを誇る敷地内には小さなため池もあるため、魚を養殖することも検討している。建物の建築作業ももちろん共同で行う(写真右)。
「春、秋、冬。季節の折々に、メンバーで集まり食事会を開催します。人間は本来社会的な生物であり、コミュニティに属して生きてきました。しかし近代化されるに伴ってそのつながりが徐々に途絶えてしまい、孤独がメンタル不調を導く大きな要因となっています。だからこそ、こういった形で人とコネクションを感じられる生活は、とても大切だなと思うんです。今、ルールは特にないのですが、今後人数が増えていくとすれば必要になっていくでしょうね。しかしずっとここで暮らす必要もないとも思っています」
目的や価値観が異なれば解散したって構わない。つながりをゆるくしておくことが、心地のよいコミューン形成を促進するカギとなるのかもしれない。
SOURCE:SPUR 2022年6月号「心地よく新しい共同体のあり方を考える Commune Life」
photography: Jun Yasui 〈eight peace〉 styling: Shotaro Yamaguchi 〈eight peace〉 prop styling: Haruka Kogure hair: Yusuke Morioka 〈eight peace〉 make-up: NOBUKO MAEKAWA 〈Perle〉 model: Maryam, Bebe, Eun Sang, Tiger Lulu