モードとリアルのバランスが絶妙で、ほどよい抜け感が魅力的な丸山さんのスタイリング。注意深く見るほど「なるほど!」と思わず唸る小ワザが至る所に隠されている。今すぐ実践したい、細かすぎる丸山流スタイリングティップスを紹介。
Yuuka Maruyama
まるやま ゆうか●1978年、東京生まれ。スタイリストの松尾千鶴子氏に師事し、2005年に独立。モードファッション誌を中心に、広告、アーティスト、俳優のスタイリングを手がける。完売続出のハンドメイドのアクセサリーブランド「TON」のディレクターも務める。
Tips_1
トップスとジーンズのステッチの色を合わせる
「着る服のステッチの色は結構気にしています」と話す丸山さん。今回教わったのはジーンズのステッチの色の合わせ技。マスタードイエローの糸が施されたインディゴブルーのデニムを主役に選んだら、ステッチと同じ色のトップスをチョイス。レトロ&グッドガールなリブニットは、同系色の茶色のボタンを上まで留めてちょっとナーディーに仕上げるのが今の気分。ベルトはつけずにトップスをインして、脱帽するほど芸が細かい色合わせテクニックを最大限にアピールしたい。ベーシックなワードローブこそこだわりを。
Tips_2
V開きトップスの下にはVネックのインナーを
「大胆に開いた深いVネックはどう着ればいいの?」とよく相談されるという丸山さん。アンサーは「VにはVを差す」だ。サーモンピンクのカーディガンのインナーには、黒いVネックTシャツを仕込み、胸元をグラフィカルに引き締めて。さらに、「インナーの色をボタンと統一すれば完璧です!」
Tips_3
透けるスカートの下はスパッツ一択
透けるスカートの下に何をはく?問題。「最適解はスパッツで、透け感を存分に楽しむこと。太いパンツなどで変に体型を隠そうとするほうがエロく見える」。あえてバイカーショーツでボディラインを強調するのが丸山流!
Tips_4
袖まくりでは"浮き輪"を作る
丸山さんが今季のメンズコレクションのトレンドから着想を得た、浮き輪のようなロールアップテク。今回は2枚のシャツを使った高度な重ね技を披露。まず上に着たシャツの袖を肘のあたりに袖先が来るよう二つに折る。次に下のシャツの袖をクルクルと巻く。最後に、上のシャツの袖口を残すように重ねて形を整えれば完成。赤いミニバッグやソックス×サンダルの小物技で、絶妙なバランスを楽しんで。
Tips_5
イヤーカフとカラーマスカラの 色を合わせる
ころんと丸いフォルムと、半円のコスチュームパールがキュートなイヤーカフとイヤリング。ただアクセサリーをつけて終わるのではなく、ゴールドと好相性なサンドベージュのマスカラでロマンティックな目もとに仕上げてみよう。「アクセサリーとまつ毛の色をリンクさせるとおしゃれ度もUPするし、こなれて見えます」と説明する丸山さん。マスカラで色をプラスすると、顔まわりの印象も一段と明るくなる。一度でしっかり色づくアニヴェンのカラーマスカラはぜひ試してほしい。
Tips_6
白は質感をすべて変えること
白のワントーンスタイルは「素材の表情を変えることによって、奥行きが生まれます」とひと味違う着こなしを提案。綿のジャンプスーツを軸に、艶のあるシルクドレスを重ね、中にスポーティなポロシャツを忍ばせる。長袖のポロシャツとジャンプスーツの裾の処理はTips_4をお手本に、膝下丈の裾もクルクル巻き上げるのがポイント。ハイネック風に立てた襟には、パールネックレスでさりげないエレガンスを。
Tips_7
コインネックレスは心臓に近い位置で
丸山さんにとってコインネックレスは"お守り"。心臓に近い位置で身につけるのがルールだ。「この長さならカジュアルな服にもマッチし、コンサバになりません」。推しアイテムは、12星座を詩的に描いたヴァン クリーフ&アーペルの「ゾディアック コレクション」。イエローゴールドとリンクする黄色のロゴの上で輝かせて。
Tips_8
チノパンは腰のサイズに合わせて
「チノパンはハイウエストではくと作業着っぽく見えがちなので、"腰ばき"できるサイズを選ぶのがおすすめ」。ベーシックなアイテムだからこそ、スタイリングの小ワザをきかせたいもの。旬な見せトランクスを投入し、主張しすぎない細身のベルトでウエストを緩やかにマーク。プレーンなタンクトップとローファーを合わせて、90年代風に。
SOURCE:SPUR 2022年7月号「スタイリスト丸山佑香プレゼンツ 細かすぎるけど伝えたいTips 8」
photography: Keita Goto 〈W〉 styling: Yuuka Maruyama 〈makiura office〉 hair: Keiko Tada 〈mod’s hair〉 make-up: Masayo Tsuda 〈mod’s hair〉 model: Poppy edit: Kaeko Shabana