スタイリスト浜田英枝のモードなTPO講座

こんなとき、何を着る? シーンや気分に合わせた振り幅のあるスタイリングを、浜田さんが披露。すべてに通底するのは、「どんなときも自己主張を忘れず、服が持つ力を味方にする」という独自のセオリーだ。

恋に落ちる予感がするとき

シャネルのジャケット、ブラウス、ショーツ
ジャケット¥928,400・ブラウス¥817,300・ ショーツ¥257,400・チョーカー¥357,500・ チェーンつきクラッチ¥552,200・ ブーツ¥456,500/シャネル

ときめきと甘さが宿る、パステルイエローの着こなし。セーラーブラウスから着想を得た一枚は、リボン結びでウエストマークを。さらに、ツイードのジャケットとランジェリー風ショーツを組み合わせた。「大人っぽさや少女性といった多面性を意識しました。さまざまなムードが入り交じる格好は、まるで複雑な恋心のよう。リボンやハートのモチーフは、甘くなりすぎないようさりげなく取り入れて」

至福のひとり時間

MARINE SERREのジャンプスーツ
ジャンプスーツ¥105,600・ネックレス ¥68,200/MATT.(MARINE SERRE)  タイツ¥2,200/ぽこ・あ・ぽこ

「家での時間こそ、妥協なくこだわった装いを楽しんで。ジャンプスーツは、快適な着心地ながらボディラインが際立ち、少し緊張感もあります。ファッション感度も体型への意識も高い人に向けたリラクシングなスタイルです」。スポンディッシュな生地で仕立てた一着は、柔らかな肌ざわり。鮮やかなピンクにも心が躍る。ウェアのムーンダイヤモンド柄とリンクする網タイツで、クールな味つけを。

リズムに身をまかせたい日

アワー レガシーのフーディ
フーディ¥42,900/エドストローム オフィス(アワー レガシー)  トップス¥36,300・ハーフパンツ¥52,800・ 靴¥90,200/マルジェラ ジャパン クライアントサービス(エムエム6 メゾン マルジェラ) バンダナ¥1,210/ ジャンティーク ヘッドセット・ タイツ/スタイリスト私物

ミュージックシーンでもリバイバルが続く1990〜2000年代のムードを漂わせて。「音楽の好みは十人十色。心赴くままに好きなものを組み合わせたような、自由なスタイルを目指しました。自分らしいバランスで、ノールールで着るのが重要です」。ハーフパンツは、腰もとを折り返してミニ丈にアレンジ。丈の短いフーディや変形トップス、白タイツと、違和感のある組み合わせで、視線を集めて。

誰よりも早く、夏を感じたいとき

ロエベのタンクトップ、ショートパンツ
ネックレスつきタンクトップ¥122,100・ ショートパンツ¥106,700・バッグ 「スクエア ポケット」¥74,800/ロエベ ジャパン クライアントサービス(ロエベ)  ネットトップス・レギンス(セット発売) ¥3,300/ぽこ・あ・ぽこ

「夏を先取りしたいなら、露出度よりも個性を際立たせるべき。爽やかさだけで終わらない、強い意思を感じさせるスタイリングが必須です」。大胆に薔薇が描かれたブルーデニムのショートパンツは、ダブルウエストの作りがユニーク。「ウエストボタンをはずして着こなせば、ゆるさと抜け感も演出できます」。夏の定番、タンクトップも付属のネックレスとクロップド丈で、モードにアップデート。

思いっきり泣いた翌朝

パコ ラバンヌのドレス
サングラス¥45,000/MATT.(TD KENT)  ドレス¥201,300・下に着たドレス ¥92,400・チョーカー¥85,800/ エドストローム オフィス(パコ ラバンヌ) バッグ¥103,000/スクワット(ルメール) ドレスの下に着た黒のレースロンパース ¥46,200/CLIFF co.ltd.(FUMIKA_UCHIDA)
TD KENTのサングラス

泣き腫らした目もとをブラックレンズで包み隠す、物憂げなサングラス。「まるで涙の粒のようなパール風のビジューつきデザインが、センチメンタルで可愛くて。それに加え、芯の強い女性像を醸すようなイメージで、パンキッシュなウェアを合わせました」。前向きな気分転換が必要なときこそ、ファッションが力をくれる。「毒っ気のあるフラワープリントや繊細なレースを使い、ポップでコケティッシュなレイヤリングに」

気分を上げたいここぞの日

エトロのシャツドレス
シャツドレス¥261,800・ショーツ ¥84,700・キャップ¥79,200/ エトロ ジャパン(エトロ) ニットトップス ¥60,500(パコ ラバンヌ)・ベルト¥15,400 (アワー レガシー)/エドストローム オフィス  デニムパンツ¥86,900/JW ANDERSON 伊勢丹新宿店(JW ANDERSON)

色の力でポジティブに。着こなしの核は、マルコ・デ・ヴィンチェンツォによる新生エトロの上下。「デニム地の襟やスナップボタンなど、このシャツのディテールには躍動感がある。それを強調しつつ、ボーイッシュにまとめました」。ショーツの上からはいたオーバーサイズのデニムパンツは、ベルトでウエストの絞りを調整。「ルールやサイズにとらわれず、着方を工夫して好きなものを着る。自己解放こそ高揚感のカギです」

急に泳ぎたい気分になったら

ストックホルム サーフボード クラブの水着
スイムスーツ¥27,500・脱ぎかけのTシャツ ¥16,500/エドストローム オフィス (ストックホルム サーフボード クラブ)  靴¥37,400(参考価格)/THE WALL SHOWROOM(ワイ プロジェクト) アイウェア ¥128,700/ケリング アイウエア ジャパン カスタマーサービス(カルティエ) 時計・ソックス/スタイリスト私物

印象的なスイムウェアは、1960年代後半から70年代にかけてのスウェーデンの音楽シーンのムーブメントが着想源。そこにサーフシーンがあったなら。そんな空想のもとに描かれたグラフィックだ。「水着をせっかく着るなら誰ともかぶらないスペシャルな一枚を。そんな気持ちにこたえてくれるデザインが魅力です。どこかレトロでファンシー。海が似合わない文化系な感じが妙で心惹かれます」

思い出の人との再会

グッチのジャケット
ベルトつきジャケット¥484,000・タイつき シャツ¥132,000・スカート¥258,500・ バッグ¥486,200・タイツ¥39,600・ 靴¥165,000/グッチ ジャパン(グッチ)

ヴィンテージライクなテーラードスタイルで、ノスタルジーに浸る。「ベルトマークしたジャケットに、膝下丈のスカートで、きちんと感を行き届かせて。さらに、強い個性も同居させています」。セットアップには、コットンリネンの素材使いや、金銀のラメパイピングなど、意外性のあるアプローチも。「足もとの小さなスペースで主張するレオパード柄で、直球のクラシックな装いに裏切りを」

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