何でもない日常を、詩的に変える服のチカラ。くすっと笑えるユーモア、自然界のパワー、ときめく出来事。そんな日々の奇跡をかき集め、自分だけのドレスコードを綴るとき、いつもの１週間が心躍る毎日に変わってゆく。
月曜日／きらめく朝陽と影との対話。 ビッグシルエットで挑む
衣服は記号であり「心遣いの美しさ」「愛の美しさ」を表現するもの、と定義したコレクション。イタリアの職人技が光るサルトリアルなジャケットは、ビッグシルエットが印象的。愛の象徴であるウェディングドレスを想起させるスカートと合わせ、マニッシュ＆フェミニンな要素に加え、デイリー＆オケージョンウェアのカテゴリーもミックスさせた。
火曜日／絵画的な花柄をまとう。心はいつも楽園をたゆたうように
「服への愛」をテーマにしたドリス ヴァン ノッテンは、印象派の絵画のように繊細なグラデーションで花のモチーフを描き出した。シルクビスコースのトップスは、ハンドペイント風の幻想的な花に彩られ、異なる3つの素材と花柄を重ねたスカートは、花園のような奥行きを生む。服と、着る人との親密な関係を詩的に紡ぎ、心を解き放つ火曜日。
水曜日／毎日が学びという名の冒険。 スクールガール・モードに原点回帰
ユニフォーム・スタイルの新解釈を表現。シャツを前後ろ逆に着たスタイリングは、不適切な要素を適切化し、服に新たな文脈を見出すメゾンのコードを反映。英国紳士の定番＂ニットベスト＂は、お下がりの一着かのようにホールが施され、クラシカルなアーガイルパターンは、シェットランドウールとコットンの糸で、手作業で刺しゅうされている。
木曜日／今日も果てなき地平線を横断中。 挑戦者たちの進化するトレンチコート
薄手のヴィンテージコットンのトレンチコートを、ブラウスのようにスカートにインした新鮮な着こなし。裾に向かってフォルムを描くペンシルスカートは、サイドにスリットをあしらい、シルククレープのスリップをのぞかせたデザイン。木曜日の冒険に挑む私に、定番アイテムを変容させたスタイリングがフィットする。
金曜日／驚きと好奇心を生み出す。 日常のスパイスはアートとともに
「ぼかし」の技法を通じて＂現在でなくその先にあることを示唆する＂というファッションの概念を表現。ぼやけたトロンプルイユは、服を着た姿をデジタルプリントしたもの。「今はまだおぼろげな何か」に目を凝らすと、新しい世界へと誘われるよう。崩れ落ちたかのようなルーズブーツや、ユーモアたっぷりのエレファントのバッグで新しいバランスを添える。
土曜日／まだ見ぬ世界を探して。デニムはユートピアへの羅針盤となる
一見Ｔシャツにも見えるトップスは、オーガニックのデニム素材。張りのあるマテリアルが、オーバーサイズのプロポーションを際立たせる。チェリーのモチーフはデジタルプリントを用い、有機的な素材にテクニカルな要素を融合した。ワイドパンツや大ぶりのチェーンネックレスとともにシルエットや素材を遊ぶとき、軽やかなスピリットに包まれて。
日曜日／朝焼けと、海と、記憶のさざなみ。 柄に宿る遠いルーツを辿る
静かに内省したくなる日曜日は、クリエイティブ・ディレクターに就任したマルコ・デ・ヴィンチェンツォが、エトロのルーツと向き合い昇華させたボヘミアンスタイルで。アイコニックなペイズリー柄はエアリーなロングドレスで表現。
