【プラダ】【ロエベ】etc. ファッションに願いをのせて。繊細な手仕事が光る服

繊細な手仕事やお守りのようなモチーフ、パワフルな色。作り手の精神がこもった服には、"祈り"と同様の力がある。着る人の心を支え、希望を紡ぐファッションの力を改めて考えてみたい

繊細な手仕事やお守りのようなモチーフ、パワフルな色。作り手の精神がこもった服には、"祈り"と同様の力がある。着る人の心を支え、希望を紡ぐファッションの力を改めて考えてみたい

結んだつながりが途切れないように

プラダの秋冬シーズンのテーマ、「本能的なロマンス」
ドレス¥858,000・ブーツ¥291,500(ともに予定価格)・ショーツ(参考商品)/プラダ クライアントサービス(プラダ)

無数のリボンを縫いつけた、ピンクのドレス。プラダの秋冬シーズンのテーマ、「本能的なロマンス」を象徴するルックだ。大切な人との絆、約束がバラバラにならないように結び目に思いを託して。その誓いは、たとえ強く風に吹かれても、決して解けない。

聡明なまなざしと緻密なレース

日本のブランド、EUCHRONIA
キャップ¥39,600・レースカラー¥44,000/EUCHRONIA インナー/スタイリスト私物

ストーリーテリングな世界観をニットとレース、布帛で表現する日本のブランド、EUCHRONIA。ファーストコレクションは、"時間のない国"に暮らす修道女をイメージした。ハンドメイドのレースで表現したキャップとカラーは、繊細な編み地が美しい。サイドにあしらった立体的な花のモチーフや、襟のタッセルもアクセントに。やわらかな光が差せば、夢と現実のあわいにいるよう。

平和を希求するクリエーション

ウクライナのブランド、リトコフスカ
トップス€460/LITKOVSKA ジャケット¥92,400・スラックス¥55,000/オーラリー スニーカー¥19,800/Reebok

ウクライナのブランド、リトコフスカ。このシーズンは戦時下にある国家の再生と、回復の必然性、そして女性の力にフォーカスした。同系色のセットアップに重ねたのは、ラフィア素材のユニークなトップス。農業大国である母国に欠かせない、小麦のわらや干し草がインスピレーション源となっている。何よりも平和への願いとともに、スニーカーで力強い一歩を踏み出したい。

ファッションの力で現実を超えていく

ロエベ 花 パンプス
パンプス¥327,800・コート¥393,800・デニムシャツ¥144,100(すべて予定価格)/ロエベ ジャパン クライアントサービス(ロエベ)

パンプスを覆うのは、古い壁紙のようなクラシカルな花々。それをキャビアビーズ刺しゅうという卓越したクラフツマンシップで表現。ありふれたパターンを職人の超絶技巧でフレッシュに、そしてモダンに描く。つらい現実を乗り越えるために、自由な発想とユーモアは頼もしい味方になる。

未来のための、サステイナブルな創造性

Memory Memento Remembrance(Gerda Goosen Jewellery)
(上から)ブラック&レッドリング¥28,600・スネークカフ¥33,000・パターンリング¥27,500・アイボリーリング¥28,600/Memory Memento Remembrance(Gerda Goosen Jewellery)

アフリカ部族の、伝統的なジュエリーの豊かさとパワーに魅了されたデザイナーが創設。プリミティブな文化をデザインの起点としつつ、現代的に落とし込んでいる。動物性製品を避け、動物実験を一切行わない"ヴィーガン象牙"は、軽やかなつけ心地。カフやリングはどれも大ぶりなサイズながら、洗練されたエレガンスが漂う。

真っ赤なドレスに生命の鼓動を感じる

ステラ マッカートニー 赤いドレス
ドレス¥700,700・ブーツ¥167,200/ステラ マッカートニー カスタマーサービス(ステラ マッカートニー)

太陽や炎など、私たちの生に不可欠なものとつながりが深い赤。古来、魔除けとして大切にした色で、現在まで人々が願いを託してきた。そんな力強いカラーを、一枚のドレスで潔く着る。裾には筒状にあしらったシアーな装飾が連なり、まるでゆらめく火の粉のよう。

美しくて柔らかいレジリエンス

アイルランドのRÓISÍN PIERCE
トップス€1,610・スカート€1,400/RÓISÍN PIERCE インナー/スタイリスト私物

伝統的に軽視されてきた女性の手工芸を蘇らせる、アイルランドのRÓISÍN PIERCE。そこには抵抗と解放、そしてものづくりを通じた自由への賛歌が息づいている。コットンのギピュールレースのセットアップは、繊細な中に強さを秘めて。エアリーに広がるオーガンジーは、妖精の羽根のようにロマンティック。

手作業は、メディテーション

written byとクリエイティブユニットのRivotorto Pieces コラボレーション
シャツドレス¥88,000・シャツ¥66,000・パンツ¥77,000/writtenafterwards(written by)

心を病んでしまった高村光太郎の妻・智恵子は入院中、紙絵を作っていたという。千数百点に及んだそれらは"心を癒やす"ためのものだった。そのエピソードとも共鳴し、written byとクリエイティブユニットのRivotorto Piecesがコラボレートしてテキスタイルを製作。染めた和紙を花弁のフォルムにカットして重ねた花束は、「ヒーリング」や「祝福」を象徴している。リラクシングな3ピースに包まれると、心がすっと癒やされる。

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