【THE ROW(ザ・ロウ)】に惹かれる理由とは? キーとなる10ルックをフィーチャー

ごく少数の限られた人のみがパリで体験したTHE ROWの2024年ウィンターコレクション。往年のオートクチュールのサロンを彷彿とさせる様式を取った会場では撮影やSNSが一律禁止され、招待客にはノートと鉛筆が手渡された。洋服を細部に至るまでじっくり味わうことこそ贅沢であるというメゾンの哲学が感じられる。また、クイックな消費へのアンチテーゼと受け取ることもできるだろう。そんなエクスクルーシブなコレクションのキーとなる10ルックを一挙公開。なぜ今、モードな人たちはTHE ROWに心奪われるのか。その理由を探索する

ごく少数の限られた人のみがパリで体験したTHE ROWの2024年ウィンターコレクション。往年のオートクチュールのサロンを彷彿とさせる様式を取った会場では撮影やSNSが一律禁止され、招待客にはノートと鉛筆が手渡された。洋服を細部に至るまでじっくり味わうことこそ贅沢であるというメゾンの哲学が感じられる。また、クイックな消費へのアンチテーゼと受け取ることもできるだろう。そんなエクスクルーシブなコレクションのキーとなる10ルックを一挙公開。なぜ今、モードな人たちはTHE ROWに心奪われるのか。その理由を探索する

細部の仕上げに息をのむ

細部の仕上げに息をのむ

クラフツマンシップに支えられた美しいディテールは、ザ・ロウの魅力のひとつ。ノッチラペルのジャケットは、あえてラフにカットアウトされたヘムラインから中に重ねた白いライナーがのぞき、そのコントラストがスタイルに奥行きをもたらす。テーラードのセンタープレスパンツと合わせて、「わかる人にはわかる」未完成の美を楽しみたい。
ラフジャケット¥658,900・パンツ¥218,900・靴¥196,900・ボディスーツ(参考商品)/ザ・ロウ・ジャパン(ザ・ロウ)

エレガンスの叡智がある

エレガンスの叡智がある

本物を熟知したザ・ロウだからこそ実現するモダン・エレガンス。卓越した職人技はドレスにも息づく。

(右)先染めのマイクロファイバー・ポリエステルにコットンを混紡したテクニカルな素材に、繊細なプリーツを手仕事で施した。ウエストで大きくタックを取ることでまるで咲きかけた花びらに包まれたような躍動感あるネックラインが完成。
ドレス¥1,639,000・靴¥240,900

(左)プリーツ加工したポリエステルとウールのマイクロファイバー・キャンバスが、月光を映した夜の川のように流麗な表情をたたえて。アシンメトリーなドレープが、有機的なシルエットを生み出している。
ドレス¥1,265,000・靴¥240,900(参考価格)/ザ・ロウ・ジャパン(ザ・ロウ)

正真正銘、「一生もの」を揃えている

正真正銘、「一生もの」を揃えている

ザ・ロウのバッグがモードラバーから圧倒的な支持を得る理由は、タイムレスなデザインと機能美が確信できるから。「INDIA」はクラシックなフォルムと収納力の高さが魅力。次なるシグネチャーと言えるラインから今季新サイズが登場した。

(右)ベージュをのせたマットなグレイン・カーフ。
バッグ「INDIA 10.00」〈H19×W24×D8〉¥581,900

(左)肌ざわりのよいディアスキンを採用。
バッグ「INDIA 12.00」〈H24×W30×D12〉¥625,900/ザ・ロウ・ジャパン(ザ・ロウ)

触感に涙する

触感に涙する

素材のクオリティの高さは折り紙つきのザ・ロウ。マスタードカラーをのせたコートはダブルフェイス仕立ての起毛カシミヤを用い、世にも美しい毛皮のような質感にコーティング。波打つドレープが光を受けて上品な艶を放ち、幸福感のある手ざわりを実現した。ワイドショールラペルで体を大胆にラッピングすれば、モードなエレガンスが薫るスタイルが完成。
コート¥2,189,000・ドレス¥988,900・クラッチバッグ¥812,900・パンプス¥196,900/ザ・ロウ・ジャパン(ザ・ロウ) ストッキング/スタイリスト私物

テーラリングが卓越している

テーラリングが卓越している

計算され尽くした正確なテーラリングは2006年の創業当時からザ・ロウのコアとなっている。

(右)英国の伝統的な柔らかなウールを用いたスーツ。ショルダーは広いがアームホールは細く、ウエストラインも絞られているのでマスキュリンに転びすぎない。片方のラペルを立ててノンシャランに着こなした。
ジャケット¥548,900・パンツ¥229,900・靴¥240,900(参考価格)

(左)ダブルブレスト仕立てのコートはワイドショルダーのマキシ丈。幅広のピークドラペルやほどよい深さで入ったスリットが、360度どこから見てもオーラを放つ逸品。ウエストラインはややフィットしているため、ささやかなフェミニニティを匂わせる。ピュア・カシミヤ素材はビッグシルエットながら軽やかな着心地を実現。
コート¥1,419,000・ジャケット¥823,900・パンツ¥449,900・靴¥262,900/ザ・ロウ・ジャパン(ザ・ロウ)

大人に響く遊びがある

大人に響く遊びがある

最上級の素材を採用しているからこそ、ボリュームで遊ぶときにも布が美しい落ち感を演出する。シルク生地の緯糸にウールを織り込むことで温かみあるマットなタッチをかなえたファイユ織物を、トレンチコートに仕立てた。隠し前立てと小ぶりな襟でフロントはミニマルに。両手を広げると裾まで逆三角形のラインを描くバット・シルエット。横姿は袖がバルーンのような弧を描き、グラフィカルな印象だ。
コート¥724,900・トップス(参考商品)・ブーツ¥438,900(参考価格)/ザ・ロウ・ジャパン(ザ・ロウ)

スタイルを底上げしてくれる

スタイルを底上げしてくれる

携えるだけでスタイルを一段格上げするザ・ロウのバッグに、新定番になりそうなボウリングタイプが仲間入り。シープスキンのナッパレザーはしなやかな質感。長めのハンドルが肩かけしやすく、収納力も十二分だ。ボクシーなフォルムはモダンな表情。
バッグ「ASTRA BOWLING」〈H18×W30×D10〉¥394,900/ザ・ロウ・ジャパン(ザ・ロウ)

地に足のついた日常着

地に足のついた日常着

本コレクションでは、クチュールのディテールをカジュアルウェアに落とし込んだルックも登場した。そこには、「地に足のついた日常着こそ贅沢に」という哲学がにじみ出る。天竺編みのシームレスなカシミヤセーターは、Vネックのベーシックなデザインながらそのリュクスな着心地は規格外だ。合わせたフロアレングスのスカートは、ウールに1%のシルクを織り込んだ生地のダブルフェイス仕立て。タックインして削ぎ落とされたIラインを構築する。
セーター¥229,900・ロングスカート¥240,900・靴¥251,900/ザ・ロウ・ジャパン(ザ・ロウ)

クラシックであると同時に革新的

クラシックであると同時に革新的

トラディショナルなアイテムでも、ひとさじの革新性を加えるのがザ・ロウの流儀。キャラメルカラーをのせたシングルブレストのジャケットは、形自体はクラシカルなパターン。ほぼ同型の一着を中にレイヤリングしているように見せるディタッチャブルなライナーが、ルックを刷新。表のラペルからのぞくライナーはボタンがひとつだけになっていたりと芸が細かい。
ジャケット¥1,639,000・パンツ¥317,900・トップス(参考商品)/ザ・ロウ・ジャパン(ザ・ロウ)

立ち姿に神が宿る

立ち姿に神が宿る

ザ・ロウの服をまとうと、どんな人の立ち姿もたちまち美しくなる。それは、素材への徹底的な追求と崇高なパターンのなせる業。このドレスは、ピュア・カシミヤをブラッシングする過程で乾燥したカルドンの花を用いて繊維を持ち上げながら毛並みを整えている。その工程によってセーブルと呼ばれる特有のうねりが生まれ、わずかに光沢を放つ布地に仕上がる。ビッグショルダーから裾に向かってストレートなラインを描き、スリーブはアーム部分のみ細身な仕立て。一着に緊張と緩和が驚くべきバランスで同居する。
ドレス¥768,900・バッグ¥207,900・タイツ¥207,900・靴(参考色)¥317,900/ザ・ロウ・ジャパン(ザ・ロウ)

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