センスあふれるバイヤーの欲しいものをリサーチ!【ロエベ】【ザ・ロウ】etc...

数シーズン先のファッションシーンまで見据えるバイヤー。そんな彼らが今リアルに注目するムードや、欲しいと思うアイテムとは?買い物に対するパーソナルな思いを含めて話を聞いた。

数シーズン先のファッションシーンまで見据えるバイヤー。そんな彼らが今リアルに注目するムードや、欲しいと思うアイテムとは?買い物に対するパーソナルな思いを含めて話を聞いた。

International Gallery BEAMS Women's ディレクター、バイヤー/片桐恵利佳さん

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未来の自分を形作るために

年齢を重ねファッションに対する価値観が変わってきたという片桐さん。最近はもっぱら、オーセンティックなアイテムを探求しているという。「買い物をする際、長く着られるか、TPOにマッチするか、という視点が加わりました。素材やシルエットに注目するのはもちろんですが、ミニマルで上質なアイテムを吟味していくと、たとえ表現方法が似ていてもディテールや仕上がりが全然違うことに気づくんです。今回選んだ3点は、ベーシックかつ細部まで妥協のない逸品です」。そんな片桐さんにとって、ショッピングは自分をアップグレードしていく行為だ。「なりたい私になるために、本当にいい服を丁寧に買い足していく。未来を想像しながら手に入れたものは、やっぱりワードローブに長く残るんです」

1 ピュアカシミヤのコートは驚くほど軽やか。「私の欲しいコートのイメージとぴったり。落ち感のあるシルエットなど、あえての"崩し"がありインポートブランドともなじみます」。
コート¥308,000/ワグ インク(コモリ) 

2 「背面に入った切り替えなど、ルイーズ・トロッターのディテールへのこだわりを感じます」。
ニット¥182,600(カルヴェン)

3 オスロを拠点にアトリエメイドのスーチングを製作しているBIBOJA。ウィメンズ用にサイズダウンしたテーラードパンツはインターナショナルギャラリー ビームスの別注品。「ウール素材でフレアシルエットが上品に柔らかく出るんです」。
パンツ¥86,900(ビボヤ)/インターナショナルギャラリー ビームス

伊勢丹新宿店 リ・スタイル バイヤー/橋本航平さん

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クオリティとデザイン性の融合に注目を

最近は、クワイエットラグジュアリーに新たな空気感が加わってきたと話す橋本さん。伊勢丹の次のシーズンテーマは「ブリコラージュ」だ。「たとえばパンキッシュとロマンティックなど、強いもの同士を際立たせたまま融合するイメージです。ただ素材や仕立てのよさを求める傾向は続いている印象。そんな時代感を象徴するようなブランドがZomer(4)です。デザイナーはメゾンで経験を積んでいるので、クチュールの技術が土台にある上での奇抜なデザインが魅力です」。これからのファッションを見通す橋本さんは、ご褒美買いでも未来を見つめている。「明日から気分を上げて仕事に行くために買い物をします。ショッピングは人生を楽しく生きるための栄養補給。頑張ったからではなく、買ってから頑張るスタイルです(笑)」

4 パリを拠点に、2024年春夏シーズンにデビュー。「ラックに掛かっているとユニークなのに、人が袖を通した瞬間エレガントになるのが面白い。ダスティピンク、マロンブラウン、ネイビーは、次のシーズンに推している色でもあります」

5 「ロエベのローファーを愛用していて、このミュールも欲しくなりました。靴下との合わせを楽しみたいです」。
靴¥163,900/ロエベ ジャパン クライアントサービス(ロエベ) 

6 上質なカシミヤを用いた、パジャマデザインのセットアップ。「シワになりにくいので、出張のときにも便利。日本人デザイナーのさらなる活躍を願う、応援買いの意味も込めて」。
ジャケット¥299,200・パンツ¥235,400/伊勢丹新宿店(セッチュウ)

mirabella バイヤー/宮嶋泰子さん

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モダンなボヘミアンを求めて

宮嶋さんが今気になっているのはボヘミアンなムード。キーワードはブラウンやスエード、ハンドメイドだ。「ご褒美買いしたい3点も、自然とそういったアイテムになりました。あえてレースなどの甘いアイテムを合わせて、都会的に着こなしたいですね」。宮嶋さんにとってのドリーム・ショッピングは人生への投資。年齢を重ね、マイヴィンテージになっていくものを買い集めることが増えたという。「トレンドを追うのも大切ですが、最近は普遍的なものに惹かれるようになってきました。スタイルに軸がある人を目指しているので、クラフツマンシップが宿る一過性ではないアイテムを購入することが多いです。背景にストーリーがある温かみあふれるものを、アートピースのように大切にしていけたら幸せですよね」

7 手編みのインターシャで版画調のノルディック柄を表現。「このカウチンジャケットは、展示会ですぐ目に飛び込んできました。モノトーンなのでほっこりしないんです」。
アウター¥105,600/ミラベラ(ピリングス)

8 ザ・ロウの人気のブーツがヌバックレザーで登場。「定番品もご褒美には外せない。タイムレスに履ける、シンプルなデザインと上質な素材に惹かれます」。
ブーツ¥258,500/ミラベラ(ザ・ロウ)

9 「深いブラウンのスエードに惚れぼれ。羽織るとボックスシルエットでかっこいい。ダブルジップが着こなしの幅を広げるので長くワードローブで活躍しそう」。
ジャケット¥282,700/伊勢丹新宿店(ガブリエラ コール ガーメンツ)

SEASON オーナー/平江マルコさん

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既存の価値観に縛られないことが大切に

サステイナブルなインディペンデントブランドを中心に買いつけを行なっているシーズン。オーナーの平江さんが今欲しいものは、作り手の感性が色濃く反映されたアイテムの数々だ。「最近のファッションシーンには、これまでの美しさの基準に従うのではなく、自分らしくキャッチすることを認め合う自由なムードを感じています。単に素敵なだけでなく、オルタナティブな価値も持っている、長年にわたって愛用できそうなものが気になります」。そんな平江さんにとってのショッピングは、未来の幸せを想像する時間だ。「自分のためのものでも、誰かに贈るものでも、買ったからこそ生まれる何かしらの出来事があると思います。ポジティブなハプニングを想像することも、私にとっては買い物の楽しみのひとつです」

10 着想源は雨粒に光が差して虹色に輝く様子。「雨の日を好きになりたいと考えていたとき、友人がこの背景を教えてくれました。それ以来ずっと心奪われています」。
ネックレス£1,375/SIA TAYLOR

11 「シックなMILENA SILVANOと、サイケデリックな作風のアーティストJennifer Parry Dodgeが交わり最大のシナジーを発揮。コラボレーションの面白さを再認識」。
ベスト£850/MILENA SILVANO

12 商品名は"Not my wedding" dress。「ウェディングドレスに多用されるレースやサテン、花のモチーフを駆使し、日常的なスタイリングに落とし込んだGARBAGE COREらしい自由奔放なデザインが魅力」。
ドレス¥88,000/SEASON(GARBAGE CORE)

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