【2025年流行予測】スタイリスト飯田珠緒さんが、キーワードを厳選!

パリ・ファッションウィークに参加し2025年春夏の空気を肌で感じたスタイリスト飯田珠緒さん。独自の感性で、トレンドキーワードを厳選。時代精神を感じさせる5ルックをミックススタイリングで披露する

パリ・ファッションウィークに参加し2025年春夏の空気を肌で感じたスタイリスト飯田珠緒さん。独自の感性で、トレンドキーワードを厳選。時代精神を感じさせる5ルックをミックススタイリングで披露する

飯田珠緒プロフィール画像
スタイリスト飯田珠緒

モード誌で活躍する自称「オルタナスタイリスト」。ひとさじの毒があるロマンティックな世界観にファッション業界でもファン多数。服はもちろん音楽、フード事情にも精通しており、いち早く時代のムードに触れている。

1.ランジェリー連呼!

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(外側から)キャミソール¥149,600/クロエ カスタマーリレーションズ(クロエ) キャミソール¥110,000・ブラ¥46,000(ともに参考価格)/アイシーシーエフジャパン(カルヴェン) ヴィンテージネグリジェ¥17,380/ガブリエル ペコ キャミソール¥13,640/ベースレンジ ジャパン(ベースレンジ) パンツ¥173,800/クロエ カスタマーリレーションズ(クロエ) ヘアクリップ(上から)¥42,900・¥34,100・¥24,200(参考価格)/アレクサンドル ドゥ パリ GINZA SIX店(アレクサンドル ドゥ パリ) ヴィンテージリング¥25,300/ジャンティーク 靴¥5,280/ガブリエル ペコ

「とにかく今季はランジェリーが気分です。セクシーに着るのではなく、こんなふうに幾枚もレイヤリングすることでデイリーになる。昔、女学生がつけていたようなヘアクリップでギリギリの遊び心を加えました」。NYのチャイナタウンでガブリエル ペコが買いつけたスリッパが今らしい抜け感に。

2.バルーンシルエットをモダンに

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ドレス(仕様変更あり)¥1,178,100/ルイ・ヴィトン クライアントサービス(ルイ・ヴィトン) レギンス¥3,520・トングソックス¥880/タビオ(靴下屋) 靴¥8,800/ビルケンシュトック・ジャパン カスタマーサービス(ビルケンシュトック) ミサンガ/モデル私物

「今季は構築的で面白いフォルムが多く見られました。なかでも目を引いたバルーンは、グラフィカルなシルエットを存分に生かす形でモダンに着たい。レースレギンスでランジェリーの要素もひとさじ」。足もとにもひと工夫。トングソックスとスポーツサンダルの組み合わせでフレッシュに。

3.未来派マスキュリン

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コート¥661,100・ジャケット¥528,000・シャツ¥159,500(参考価格)・パンツ¥283,800/サンローラン クライアントサービス(サンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ) ヴィンテージネクタイ¥4,378/オールドハット ヴィンテージブローチ¥6,600/ジャンティーク サングラス¥29,480/ルックスオティカジャパン カスタマーサービス(オークリー)

「今シーズンすごく好きだったのがムッシュ イヴ・サンローランを思わせるマスキュリンなスタイル」。クラシカルなテーラリングながら、コートもスーツも肩がデフォルメされていて現代的な雰囲気に。「スノースポーツを思わせるサングラスはランウェイで頻出でした。スポーツではなくスーツに"力業"で合わせるのが気分です」。

4.おなかでなく背中見せ

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ドレス¥69,300/TOGA 原宿店(トーガ) スイムウェア¥25,850/ガブリエル ペコ(アイコン) イヤリング「クラスター・ドロップイヤリング」〈ダイヤモンド、プラチナ〉¥28,160,000/ハリー・ウィンストン クライアントインフォメーション(ハリー・ウィンストン) トゥーレスソックス¥1,980/タビオ(タビオレッグラボ) 靴¥176,000(予定価格)/ミュウミュウ クライアントサービス(ミュウミュウ)

「ここ数年おなか見せが流行っていましたが、春からは背中見せを推します!」という飯田さん。スイムウェアを差して変化球を加えたかと思えば、さらにダイヤモンドのイヤリングを投入。「カルヴェンのショーでクラシックなきらきらのイヤリングを合わせていたのが新鮮で。こんなふうにコットンのシャーリングドレスや水着によるカジュアルなルックを、ハイジュエリーで裏切りたい」。足もとはつま先見せハイソックスとサンダルで遊ぶ。

5.スポーティ×子ども時代

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アノラック¥407,000・インナーパンツ¥44,000・ソックス¥57,200(すべて予定価格)/ミュウミュウ クライアントサービス(ミュウミュウ) トラックジャケット¥231,000・靴¥121,000(ともに予定価格)/セリーヌ ジャパン(セリーヌ バイ エディ・スリマン) シャツ¥229,900・パンツ¥156,200(ともに予定価格)/ロエベ ジャパン クライアントサービス(ロエベ) ブラ¥9,350/ガブリエル ペコ

「本気のスポーツも好きだけど、これくらいファッションに落とし込まれているのもいいなと思っています。小花柄ショーツとシャツは、幼少期を思わせるセットアップ。そこにブラウンのトラックジャージでモダンなアクセントを加えました。ガーゼ素材のブラをチラ見せするのもノスタルジックな味つけに」。きれいなラベンダー色のアノラックで春らしくまとめた。

スタイリスト飯田珠緒による"オルタナ"流行通信

TAMAO JOURNAL

「Katieのデザイナーで友人のリンダに『オルタナスタイリストだね』とよく言われるんです」と語る飯田さん。オフラインとオンラインを縦横無尽に往来し集めた、メインストリームからちょっと外したファッションネタ、カルチャー仲間おすすめのフード情報など、飯田さんの今の頭の中を本誌にだけこっそり公開

音も装いもかっこいいアーティスト

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「かっこいい女の子のミュージシャンを応援したい気持ちがずっとある」という飯田さん。今、気になるのは彼女たち。

1 Abiu 「トラッドな佇まいで、マニアックなレコードをプレイするDJスタイルがかっこいい」
2 A VIRGIN 「"最後のオルタナ女子"と呼びたいアーティスト。ランジェリー風の衣装でフライングVをかき鳴らすギャップにやられました」
3 Mermaid Chunky ロンドンベースのデュオ。「ダークファンタジーで芝居がかっているところが好き」
4 Cumgirl8 アメリカのバンド。「若い頃聴いていた80年代のインディー、ちわきまゆみを彷彿させる音色が懐かしい。破天荒なファッションも勢いがあって面白い」

気になるブランドはここ!

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5 ALL-IN 「今をときめくロッタがスタイリングをしているということもあり、可愛くて毒のあるスタイリングが新鮮」。パリベース
6 CHYLAK バッグや靴をメインに作るブランド。「ちょっとクラシックで女学生のような雰囲気。このレースのカラーのほかにも大きなリボンのヘアアクセサリーを作っていたりと面白い小物が多いです」
7 ASFALT セカンドハンドとデッドストックを用いたコペンハーゲンのアップサイクルブランド。「インスタサーフィンで発見。ハンドメイド感がいい意味で薄く、クオリティがよさそう!」
8 Niccolò Pasqualetti 「パリのランウェイショーを拝見。今後に期待のブランド。このドレスも素敵ですがデイリーに着たいものもたくさん。客席に置かれたシェルのモチーフもユニークでした」
9 Commission・10 Commission NYブランド。「ボウタイブラウス風のボディスーツやトラックジャージにジュエリーを合わせるなど、ルック写真にユーモアとセンスを感じます」

最近感動した"おいしい"

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11 Max Poilâne 「あのポワラーヌから暖簾分けしたマックス・ポワラーヌ。菓子・料理研究家の山本ゆりこさんに教えてもらいました。ちゃんと素朴な小麦粉の味がします」
12 SLOP 「スタイリスト谷崎彩さんにお土産でもらった食のZINEは誌面デザインがおしゃれ。Ariesのお店に置いてあるそう」
13 レモンノキ 「国産のレモンが採れる時季だけに作っているクッキー。口に入れると果実の香りがふわぁっと広がってびっくりするほど美味」

可愛いパジャマとアンダーウェア

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14 P.Le Moult 「エディター増川千春さんに教えてもらったパジャマブランド。トラッドなんだけど真面目すぎない。生地の選びやパイピングの色にほどよい遊びがあります」
15 Smith Bowen 「オーストラリアで女性が一人で手作りするランジェリーはセクシーすぎないところがいい。古い映画で宿舎の女の子たちが着ているような味わいがある」。ガブリエル ペコで展開予定

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