【2025SSトレンド】ファッションプロ7人が選ぶ、MY BEST ルック

ランウェイを実際に見てきたモード賢者たちの今季気になったルックについてリサーチ。胸がときめく"NEW かわいい"ムードを分析する!

ランウェイを実際に見てきたモード賢者たちの今季気になったルックについてリサーチ。胸がときめく"NEW かわいい"ムードを分析する!

ファッションジャーナリスト 乗松美奈子さん

1. SIMONE ROCHA 2. CARVEN 3. BURBERRY 4. MIU MIU
1. SIMONE ROCHA 2. CARVEN 3. BURBERRY 4. MIU MIU

ロマンティック・スポーティがマイテーマ

今季のマイテーマを象徴するのは、コレクションに先立つインタビューの際「ユーティリティを取り入れたい」と話していたシモーン・ロシャのブルゾン(1)。色、形ともにカーネーションをイメージしたルックからは、シモーン流ロマンティック・スポーティが感じとれました。バーバリー(3)も、フェミニンなインナーとの合わせでアクティブウェアの着方を刷新。またクラシックな小花柄のコートは、ブリティッシュネスの新しい表現だと感じました。ミュウミュウ(4)はアスレジャー風ルックをパールピンクのペンシルスカートでフェミニンに仕上げたところが絶妙なさじ加減。これ一つでシンプルな中にもエッジを加えられそうなゲートルも活用したいアイテム。カルヴェン(2)のパールホワイトのパジャマ風セットアップに合わせた、キトゥンヒールのサテンミュールも気になりました。往年のハリウッドスターを思わせるレトロなデザインも、ポインテッドトゥでモダンに仕上げたのが見事。

ファッションジャーナリスト 大杉真心さん

5. JW ANDERSON 6. PRADA 7. S.S.DALEY 8. SAINT LAURENT
5. JW ANDERSON 6. PRADA 7. S.S.DALEY 8. SAINT LAURENT

遊びとシックさのあんばいに着目!

限られた素材を追求したJW アンダーソン(5)の中でも造形への遊び心を感じたのが、円盤のようなレザーのミニスカート。カシミヤのセーターを合わせて、エネルギッシュな中に品のよさがありました。情報過多な消費社会に問いを投げかけたプラダ(6)。トロンプルイユ満載のプレイフルなコレクションで、ビーズで表現されたアーガイル風のスカートに釘づけ! そこに相反するクラシックなカーディガンを合わせているところもかわいい。ウィメンズのデビューコレクションとなったエス・エス・デイリー(7)は、英国らしいメンズウェアをベースに、花のモチーフや英国刺しゅうなどを融合。レースのソックスやビーズのスカートなど、手仕事を感じるアイテム使いが光ります。ムッシュ サンローラン本人を彷彿とさせるテーラードスタイル(8)は、オーバーサイズのジャケットと折り返した白シャツに、大ぶりなバングルがチラッとのぞくスタイリングが秀逸。マスキュリンでありフェミニン、そしてエレガントなバランスが見事です。

エディター 西條真希さん

10. TOTEME 11. KHAITE 12. KHAITE
10. TOTEME 11. KHAITE 12. KHAITE

軽やかな服で気持ちも上向きに

ニューヨーク全体を通して浮かび上がったキーワードは「ライトネス」。まとう服が軽やかになれば、気持ちも前向きに。そんなポジティブなムードを反映していたのはトーテム(10)。透け感のあるビッグTシャツとワンピースのレイヤードが新鮮に映りました。今の空気感を取り入れるのが上手なのはケイトも同じ。オーバーサイズのジャケット使いが巧みでした。クロップド丈のテーラードジャケット(12)を、エアリーなオーガンザパンツとトップスに合わせた絶妙な抜け感。センシュアルではない肌見せの着こなしはリアルでも実践したいバランス。レザージャケット(11)とシアーなインナーのコントラストにもひと目惚れしました。小物で気になったのはアライア(9)のバッグ。レザーの美しさが際立つ洗練された佇まいと、スーパービッグなサイズのギャップがかわいい。ブラックではなく、深みのあるダークブラウンという点で、色の軽やかさを出していました。

エディター 栗山愛以さん

13. JENNYFAX © Lola Raban Oliva  14. DRIES VAN NOTEN 15. ALL-IN
13. JENNYFAX © Lola Raban Oliva 14. DRIES VAN NOTEN 15. ALL-IN

際立つ個性にときめく!

東京っぽい"かわいい"要素がありつつ、台湾やアメリカのカルチャーも融合させたジェニーファックス(13)。複合的なブランド独特の世界観がパリでも変わらず展開されていて、際立っていました。ギャルっぽい!と刺さったのは、オールイン(15)。パワフルなウォーキングも圧巻でしたし、ゲスとコラボレーションするという目のつけどころも気になります。スパンコールやパールを貼りつけたネイルも真似したい。メイクアップで気になったのは、ドリス ヴァン ノッテン(14)。カラフルで発色のよいまつ毛にときめき、ビューティラインで展開されるなら欲しいと思っていました。が、後日動画を見たらマスカラではなかったようで、とても素人が真似できる技ではありませんでした(笑)。

エディター 渡部かおりさん

16. CARVEN 17. BALENCIAGA 18. THE ROW
16. CARVEN 17. BALENCIAGA 18. THE ROW

巧みな素材使いやディテール

全体の大きなトレンドになりそうなランジェリールック。印象的だったのはバレンシアガ(17)のセンシュアルなボトムレスルック。ふわふわのニットを合わせた、素材のコントラストで存在感を際立たせていました。対照的に「日常で着たいモード」が炸裂していたのはカルヴェン(16)。一枚で着られそうなスリップドレスのレースのあしらいが好きでした。日常着という視点で素敵だったのはザ・ロウ(18)。ほぼ白と黒の 2色で構成され、27ルックのみというそぎ落とされたコレクション。かといって決してストイックではないところもよかった。ネックの開き具合、胸下から広がるフォルム、重ねたシャツの素材感やレイヤードの妙など、ディテールにかわいらしさが詰まっていました。

ファッションジャーナリスト マスイユウさん

19. ABRA 20. CAROLINE HU 21. CHOPOVA LOWENA 22. CHOPOVA LOWENA
19. ABRA 20. CAROLINE HU 21. CHOPOVA LOWENA 22. CHOPOVA LOWENA

エッジィで力強く、見ていて楽しいもの

全体的にかわいかったアブラ(19)は、絶対に次に来るパリコレデザイナー! 有名ブランドのロゴをもじったショッパーバッグやプリントが施されたショッパーブーツなどの小物類が気になりました。シューズつながりでいくと、キャロライン・フー(20)はアディダスとのコラボアイテムがとにかくキュート。前回のレースのラッフルが敷き詰められたサンバは中国限定発売だったので、新作は世界発売を熱望しています。自分たちの世界観をキープし続けるチョポヴァ・ロウェナ(21・22)は確実にクリエーションをアップデートしており、特に今シーズンは⼒強かったです。年齢、性別さまざまなモデルを起用し、⽼若男⼥みんなが"チョポヴァ族"になれる可能性を⾒せているのが素敵でした。

スタイリスト 早川すみれさん

23. NOIR KEI NINOMIYA 24. FLORENTINA LEITNER 25. DOLCE&GABBANA
23. NOIR KEI NINOMIYA 24. FLORENTINA LEITNER 25. DOLCE&GABBANA

ひとクセある毒に惹かれる

ノワール ケイ ニノミヤ(23)はテーマの「バラ」にふさわしいムード。音楽や頭につけた金工作品も相まって、ショー会場は童話の世界のよう。無邪気さと驚愕体験が絡み合う、毒を持ったかわいさに魅了されました。マドンナを象徴するコーンブラやコルセットを使ったドルチェ&ガッバーナ(25)。ティーンのときに多様性を問う彼女のファッションに衝撃を受けたことを思い出しました。エンターテインメントとしてもワクワクするショーでした。アントワープ王立芸術アカデミーを卒業した、新世代ブランドの勢いもまぶしいです。女の子の"かわいい"を少しギークに表現したのはフロレンティーナ・レイトナー(24)。ファンタジックな色使い、花やリボンなどのモチーフをふんだんに用いながらもひと筋縄ではいかないガーリーさに注目したいです。

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